総額10万円分プレゼント!No.1企画に投票受付中!次世代クリエイター育成プロジェクト『ガウディがやってきた』座談会

2025.01.24

読売テレビが次世代クリエイターNo.1企画決定戦として、2025年元日から4日にかけて関西エリアで一挙放送した『ガウディがやってきた』。5本の実験的な番組は放送後もSNSなどで話題となっており、それぞれ放送から1か月間、TVerで視聴可能だ。

No.1に輝いた若手クリエイターは、次回さらなる番組制作のチャンスをつかむのだが、その審査方法は以下の通り。
①視聴率(シェア)
②TVer再生数
③X投稿数(番組指定のハッシュダグをつけて感想を投稿)
④社内投票

これらの要素を総合して1位を決定する。しかもX投稿した視聴者の中から抽選で10名に1万円分のQUOカードをプレゼントするというキャンペーンも実施中。応募期間は、放送開始から1ヶ月後のTVer掲載終了までだ。

今回は5番組の若手クリエイターに集まってもらい、どんな意図をもって番組を企画・制作したのかを語ってもらった。聞き手は『ダウンタウンDX』を20年以上演出してきた西田二郎氏。テレビの既存の壁を打ち壊すために彼らが考えていることとは?

U9年目のクリエイターたち50の企画から厳選された5本!

西田 : 今回、入社9年目までの若手がテレビの常識を覆すために頑張るというフレームができたことが何よりすごいと思うね。中には、よくこの企画を通ったなみたいなのもあるし(笑)。

編集部 : では、5番組を紹介しておきましょう。

◆1月1日放送 『キリトリストーリー』 古井林太郎ディレクター
視点が変わるたびに明らかになる真相。新感覚ショートドラマをアルコ&ピースが考察するバラエティ!
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◆1月2日放送 『4択ですぐ死ぬ兎』 岸本至生ディレクター
ロングコートダディ兎の行動を「観客投票」で決定する参加型【ゲーム風コント】!
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◆1月2日放送 『極聴~この番組はイヤホンでお聴きください~』 塚本涼一郎ディレクター
ここでしか聴けない【極上の音】をあなたに!? さらば青春の光&みなみかわでお届けする【オトナの“音”バラエティ】
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◆1月3日放送 『創作ことわざバラエティ 鬼に金棒 オズにマユリカ』 吉井純平ディレクター
マユリカ、オズワルドなどが挑む“ことわざ特化型”ストロングスタイル大喜利番組。時代遅れなことわざを現代風にアップデート!
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◆1月4日放送 『実況見聞』 上門直人ディレクター
ケンドーコバヤシと清野茂樹アナウンサーで森羅万象を実況解説し見聞を広げる!新感覚実況バラエティ!
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編集部 : まずは西田さん、それぞれなぜこのような企画を考えたのか? そこから聞いていきましょう。

西田 : そやな。

編集部 : では『キリトリストーリー』の古井ディレクターからお願いします。

古井 : そもそもは小学校の頃に読んだ本がきっかけでした。その本の内容が1つのストーリーを100通りの視点で描くといった内容の本だったんです。それがめっちゃ面白かった記憶があって、何かしら落とし込んでテレビの企画にできないかなというのが始まりでした。で、今流行ってるショートドラマを掛け合わせたら、まだ見たことのないものが作れるのではと思って制作しました。

編集部 : 続いて『4択ですぐ死ぬ兎』の岸本ディレクター、お願いします。

岸本 : もともとお笑いが好きで、あとゲームもめちゃくちゃ好きで、好きなものと好きなものを組み合わせて何かできないかなと考えました。それで、コントがゲームみたいに選択肢によってストーリーが分岐していく、そんな番組ができたら、まだ見たことがないし、楽しいんじゃないかと思って企画しました。

編集部 : 続いて『極聴~この番組はイヤホンでお聴きください~』の塚本ディレクター、お願いします。

塚本 : TikTokを見てたら、一般の方がこれくらいの小さなマイクでしゃべってる動画や、マイクでいろんな音を収集している動画が流行っているんですね。そういった音を楽しめるのって私たちのイヤホンが進化しているからだと思うんです。僕もテレビを見る時はスマホでノイズキャンセリングのイヤホンを使って、テレビの音の鮮明さをすごく感じています。
で、誰かに聴かれているとか見られているとか、そういった昔のテレビ視聴の状態から、誰にも聴かれてないし見られてない1人の空間で音を楽しめるバラエティができたらいいなと思って企画しました。

編集部 : では『創作ことわざバラエティ 鬼に金棒 オズにマユリカ』の吉井ディレクター、お願いします。

吉井 : これは大喜利の企画なんですけど、もともと自分はお笑いが大好きで大喜利に何かを掛け合わせて番組ができないかなと思っていました。それで掛け合わせるものに“ことわざ”を選びました。ことわざって昔は、誰もが共感できたりイメージしやすいものとして浸透したと思うんですけど、今はそうでなくなってますよね。「弘法も筆の誤り」とか「瓢箪から駒」とか現代人にはピンと来ない。だったらお笑い芸人さんや言葉のプロに力をお借りして現代風にアップデートできないかなと。“大喜利”דことわざ”で今に切り込む企画です。

編集部 : 最後は『実況見聞』の上門ディレクター、お願いします。

上門 : いろいろとキワモノ的な題材を扱っているのですが、今回は野グソをする男性の生活、そして股間をつかみあうスポーツといったVTRに対してナレーションではなくて、後付けで実況をつけていくという企画を考えました。
ポイントが2つあって、今のテレビって「このあと衝撃の展開が!」とかナレーションで先行することが多くて、視聴者にとってどこか見させられているような違和感があって、そこを実況アナウンサーとともに同時進行で見ていけたらドキドキ感が伝わるんじゃないかと。
もうひとつは、『ガウディ』は制作局で企画募集があったので、どうしもバラエティ出身のクリエイターが多い中、私は記者として報道部に、そのあと情報番組部を経て今ドラマ部にいるのでお笑い芸人さん先行で考えず、まずは企画ありきで考えました。

編集部 : ありがとうございます。まだX投稿の応募期間中なので「誰のがよかった」とか「自分のが一番!」とかそういうことを聞くのはやめておきます(笑)。じゃあ西田さんから、彼らに質問を。

今のテレビをどれだけ超えるのか?どう超えるのか?それとも…

西田 : こういうチャレンジ的な企画をした人がよく聞かれる質問をしますけど、今やテレビだけを見ている人たちはほとんどいないわけで。いろんな動画やゲームなどのコンテンツがある中で、テレビを企画する際に、テレビ的要素とそうじゃない要素、それらを混ぜ込んでいるとしたら、それは何対何ぐらいで企画した感じ? あえて、100対0でテレビです! というのも俺はありやと思ってるし。どんな感じ?

上門 : 僕の場合、『実況見聞』という企画はテレビ以外のところはあまり考えてなくて、テレビを100と思って作りました。受動機がテレビだけの時代は家族みんなで見るのがベースでしたが、今はTVerで1人で見ることが増えているので、野グソとかテレビで映せるところ映せないところはあるんですけど、1人で見るならけっこう許容されるんじゃないかと思ってます。そういう内容も積極的に扱ったのは今までのテレビとはちょっと違う姿勢ですが、それが今のテレビかもしれないなと。

西田 : なるほど、個視聴になるような。

上門 : ただ、自分の周りでは家族みんなで見たという人も案外いて、もしかしたらテレビって自分たちでブレーキかけちゃってるだけという気もしたり。

西田 : ほう。

上門 : ネガと言われる部分について、たぶん一部の人の声を拾いすぎてる場合がある気がしますね。

西田 : そっか。今回の気づきでいうと個視聴に寄せてみたら、テレビはテレビでやっぱり広がりを持ったものかもしれないと。他の人は?

吉井 : 自分はテレビ100では考えてなくて、深夜の単発番組って何にもしなければ知られないまま終わっていくかもしれないって感覚はあるんですよ。僕自身、学生時代に面白いって評判を聞くのは口コミはあるものの、基本は SNSで誰かがリポストしてたり著名な人が触れてたり、そういったオススメから見に行こうって思うことが多かったです。
なので、今回の『鬼に金棒 オズにマユリカ』も番組関係者ではない誰かが宣伝してくれるように未公開シーンをSNSで放送前放送後に出させてもらうなど、そこは制作する前から考えてやりましたね。

西田 : 実際やってみてどうでした?

吉井 : こちらは関西ローカルでしたが、裏のキー局の番組よりTVerのお気に入り数も多かったのでSNSの宣伝効果はあったかなと。オンエア前後に一気に集中してガッとやることで。

西田 : 違うところでも意識的に伝えていくことをやったってことやな。それで普段担当してる番組の関わり方も変わってくるかもしれんよね。発見があって。

吉井 : 効果の検証はできましたね。

西田 : 他のみんなは?

塚本 : テレビをどう捉えるかってのがありますが、みんなで見るのがテレビだとしたら、僕はテレビ比率をゼロとして『極聴』をTVerだけで見られることを想定して作りました。放送されたのが深夜1時44分で、視聴率のグラフがまっ平らで動きが全然ない(笑)。
ですから女性層で何歳くらいのターゲットでとか何も考えずに作ったのがまずひとつ。それと、『ガウディ』というプロジェクトは壁を取り壊せ!という枠なので、音楽番組ではなくて、ニッチな音を取り扱ってみようと。今の時代、何がヒットするかわからないので誰が見ても明確にこれは違う、ということを企画段階から意識しました。

西田 : ふむふむ。

塚本 : 僕の企画でいうと、おっぱいとおっぱいがブツかったらどんな音が鳴るのか?とか。

西田 : そのあたりはもうテレビにとらわれずに関係なく作ってやろうみたいなことかな。『ガウディ』だからこそやれるし、成立してるというね。あとの人は?

岸本 : 僕の『4択ですぐ死ぬ兎』は舞台にお客さんを入れてアンケートを取りながらのコント番組なので将来はイベント化を目指したいっていうのがあります。テレビとイベントの比率で言うと、テレビ3 :イベント7くらいの感覚でしょうか。照明や音響を含めて、自分でホールを借りてイチから作ってみたので、これまで全く使ったことのない脳ミソを使ってすごい勉強になったなと思ってます。

西田 : でも舞台をテレビにするって独特の空気感や距離感があって難しいよね。苦労したところはある?

岸本 : そもそも編集をガツガツとコント中に入れると、せっかくの舞台のよさがなくなっていくので、そこは苦労しましたね。今回、選択肢が出てお客さん投票によってストーリーがどうなるか分からないシステムで、放送尺23分に対して、実際のコントは50分以上かかってるんですよ。ガッサリ切らなあかんとなって、そこは難しかったけど工夫しましたね。

西田 : なるほど。テレビの新しい形としてライブイベントと連動するものをもっと探っていくってことかな。じゃあ、最後に古井くん!

古井 : 僕はもうテレビはゼロで。

西田 : おう、ゼロね!

古井 : SNS のことを考えてやってました。『キリトリストーリー』は視点が切り替わるたびに何がわかってくるというドラマ企画で、形式としてはショートドラマを重ねていく感じです。今、TikTokで最長でも3分くらいの展開がめちゃめちゃ早くて、移動時間でもすぐ見れちゃうショートドラマがZ世代で流行ってるじゃないですか。そういうプラットフォームに自分のつくったショートドラマを何個も置いて、それを演者さんに見てもらって考察するという企画だったので、基本、放送内容のほぼすべてをSNSに垂れ流しにすることを考えていました。

西田 : なるほど。

古井 : で、気になった人や考察したいと思った人は、テレビを見て演者であるアルコ&ピースさんと一緒に考察してもらおうと。

西田 : そっか、SNSに全ブリなんだね。聞いてると、みんなのバランスがこれだけ色とりどりなのはおもろいな。

作り手は絶対誰かに評価されなければならない時代に!

編集部 : みなさんの5番組は、それぞれ放送から1か月間、TVerで流れてます。まだ見ていない方にココを見てほしい! というところ、アピールしてください。

古井 : はい、『キリトリストーリー』はアルコ&ピースさんの考察がめちゃめちゃ鋭いので、それに注目してほしいです。もちろん、みなさんもいっしょに推理して、どっちが早く真実にたどり着けるかを楽しみながら見てほしいと思ってます。

編集部 : 続いて岸本ディレクター、お願いします。

岸本 :『4択ですぐ死ぬ兎』の企画の原点は『デトロイト ビカム ヒューマン』というまさに4択でストーリーが分岐していくゲームで、他にもループ要素があったりと、ゲーム・アニメ・マンガが好きな人たちにも見てもらえたら嬉しいなと思ってます。

編集部 : では塚本ディレクター、お願いします。

塚本 :『極聴』は「この番組はイヤホンでお聴きください」とうたっているように、普通のバラエティでは聴けない音や見られない映像がたくさん詰まっていると思います。それを、今をトキめくさらば青春の光さんと大親友のみなみかわさんと一緒に楽しむという贅沢な番組になっているので、そのあたりをご堪能ください。

編集部 : では吉井ディレクター、お願いします。

吉井 :『創作ことわざバラエティ 鬼に金棒 オズにマユリカ』は大喜利番組ではあるんですけど、テレビのショーアップされた『IPPONグランプリ』や『フットンダ』などの決定戦的なものとは違う空気感があると思っています。いい意味でゆるくワイワイやってる感じというか。番組の中で、あるワードが軸になって進んでいくんですけど、そういった空気だからこそ生まれる出演者のグルーヴ感があって、そこも見ている方に楽しいんでいただけると思います。ぜひお願いします。

編集部 : では上門ディレクター、お願いします。

上門 :『実況見聞』では野グソとかキンタマとかいっけん男性好みのワードが多いんですけど、番組を見てもらったらわかると思います。じつはその方たちの真面目なところに迫っていて、実況をつけることで見聞を広げるというコンセプトにかなった内容になっています。ぜひ一度見ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

編集部 : というわけで、5番組がTVerに出揃っています。最後に演出の先輩である西田さんからもコメントもらっていいですか。

西田 : 今、こんな時代やからね。テレビ局の中で生きるというのと、一方で自分の名前で生きるというようなことも意識していいと思います。読売テレビを使って IP(知的財産)開発した方が結果的には会社のためになってるといったことはあるんちゃうかなと。これからは会社の名前でお金儲けするより、個人の名前に対して1億円出しますみたいな企業が出てくるかもしれない。パトロンがいないと絵が描けないのと同じで、作り手は絶対誰かに評価されなあかんってことやと思います。

テレビの場合、視聴者はもちろんだけど、他にも打ち込むところが変わってきてると感じるから今回の『ガウディ』ではみんなおのおの思うところを打ち出してて、そこが期待できる。この年次でそれだけの経験ができるのは妬まれるかもな(笑)。まぁ、まとめというか、みんなの話を聞いて感じたところをちょっとだけ言わせてもらいました。偉そうに(笑)。

……というわけで、あなたも応援したい番組のハッシュタグを入れて番組の感想をXに投稿してほしい。必ず『ガウディがやってきた』の公式Xアカウント(@gaudi_ytv)のフォローを忘れずに。その投稿がNo.1企画を決める清き一票になる。果たして結果はいかに!?
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