【京都府】時計を褒めるのは「早く帰れ」?京都人の高度な会話術を学べ!

2023.01.13

【京都府】時計を褒めるのは「早く帰れ」?京都人の高度な会話術を学べ!
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日本各地には方言があり、そのバラエティが楽しい。だが京都の場合は、方言とはまったく別に、他県民には簡単には理解できない高度な会話術がある。この機にその極意を学んでみたい。

例えば取引先との商談で、要領を得ない説明と雑談でなかなか話が終わらないことがある。早く帰ってほしい時、どう話を切り上げればいいか。

京都の町行くマダムに、京都ならではの極意を聞いてみた。
「よう京都の人が言わはる言葉ありますねえ」こういう時によく使う言い方があるようだ。
「ええ時計してはりますなあ」相手の時計を褒めるのだという。「時間見よし、いう意味です」なるほど、時計を見てみろ、もうこんな時間だぞとそれとなく伝えているのだ。
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また、こんな言い方もあるそうだ。
「お話長うてお疲れやしたやろ、お茶でもどうです?」これは聞いたことがある。お茶を勧められたらそのまま受け止めてはいけない。そろそろ帰ってほしいという意味だ。
「替えたお茶を飲むのは間違いですわ」真意を理解せず、おかわりしたお茶を飲んでさらに長居すると、気が利かないやつだと思われてしまう。
極意の一つとして、「1:問いかけは、そろそろ終われの合図」と学ぼう。
さらにマダムが解説を加える。
「本音を違う言葉で言うのがいけず」だそうだ。
「いけずは粋」と言うのだが、今ひとつ呑み込めない。「分からへんやろなあ」と言われてしまった。
「2:粋ないけずでやんわり気付かせる」これも極意だ。

次に、会社に髪の色がド派手で場違いな社員がいる場合、何と言うか。やはり町で出会ったダウン着用マダムに聞くと、
「あなたらしいよねえ」と言うそうだ。どういう意味か?
「他の人にはできひんよ、私はしないよ、どうぞお好きに」の意味だという。結構難しい。
京都人にとっては「はっきり言うのはオシャレじゃない」という。
「どう遠回しに言って相手にダメージを与えるか」はっきり言わずにダメージを。なんと高度なテクニック!
「3:遠回しに褒めてさりげなくダメージを」これも極意としよう。
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さらに、偶然会ったママ友との会話で、テレビでやってたホテルのランチビュッフェが話題に出たとする。
「今度みなさんとランチ行かない?」と誘ってくるのだが、そのランチは5,000円と高すぎる。そんな場合どう言うか。
ダウンのマダムが答えるには「ええなあ、ものすごい行きたいわぁ」と、最初は話に乗り、自分から「いつ?」と聞く。◯日と相手が答えたら「都合悪いわ、残念」と持っていく。なるほど。これなら相手を傷つけずに断れる。
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今度は、ご近所の子どものピアノがうるさい時にどうするか。
あるお宅の前に集まっていたマダムたちが言うには「上手にならはりましたなあ」と伝えるそうだ。うるさいとは絶対に言わないのがポイント。
「いい音ですねえ」と言い方に力が入ることで、うるさいという意味を込める。微妙な言い方の違いで伝わるのだというが、我々には理解できそうにない。
他県民に理解してほしいかと聞くと「わかったところでできるはずないから」はい、その通り。無理です。
「5:京都人の会話術は超ハイレベル」である事を知っておこう。
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最後に彼女が手料理を振舞ってくれた時。彼女が作ったロールキャベツを食べたら・・・微妙な味だった。味の感想をどう伝えるのか。
鯖寿司の老舗、いづうの方に聞くと「いちばん難しいシチュエーションですわ」と、さすがに悩む。
「タレがぎょうさんかかってるなあ」と言うことで、上品じゃないというニュアンスを伝えるという。
また「6:思っていることと逆の事を言って褒める」の極意を教えてくれた。
「飲みやすいお味噌汁やねえ」と言ったら「ぬるい」という意味に伝わる。褒めてるようで不満をにじませるのだ。
「おいしくない、とは言わない。相手に恥をかかす事なく遠回しに言って気付いていただく」それが、京都人のおもてなしだと言う。
ただそれを重ねていくと「訳が分からなくなりますわ」とも言っていた。
だって相手が言ったことをそのまま受け止めず、真意は何かを考えないといけない。裏の裏の裏まで読もうとすると、訳が分からなくなるのも当然だ。
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京都人でさえ分からなくなる、高度な会話術。他県民には学べるものではないかもね。

【文:境治】
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