吉本興業のアイドルユニット「つぼみ大革命」の葛藤。そして「3時のヒロイン」福田麻貴への感謝と恩返しとは。
2020.11.10
吉本興業の9人組アイドルユニット「つぼみ大革命」。10月7日には10周年記念の7thシングル「逆襲のYEAH!」(作詞・作曲・プロデュース、つんく♂)をリリースしました。昨年12月に放送された日本テレビ「女芸人No.1決定戦 THE W」では異例の9人コントで決勝進出を果たすなど、これまでのアイドルとは一線を画すスタイルを見せています。そのコントを書いたのは元メンバーで、現在は「3時のヒロイン」として活動する福田麻貴さん。福田さんへの感謝、グループとしての葛藤。リーダーの杉山優華さん(28)と杉山さんと共に苦難を乗り越えてきた一期生・松下千紘さん(26)が胸の内を明かしました。
―結成から10年。振り返ってみて感じることは?
杉山:アイドルとして10年って、めちゃめちゃ長いんですよ。誇れることではないのかもしれませんけど、でも、あっという間やったなと。
メンバーの入れ替わりもあったんですけど、今の9人が最強というか、アツいというか。そのメンバーで、満を持して7枚目のシングルが出せたので、より「『つぼみ大革命』って良いグループだな」と皆さんに思ってもらえるように頑張りたいですね。
松下:私たちは高校生の時に「つぼみ―」に出会って活動をしてきて、その時は20歳を超えるまで活動しているとも思ってなかったんです。で、気がついたら、この歳になっていて(笑)。でも、一瞬たりとも無駄な時間はなかったと思っています。
特に今は、新型コロナの影響で活動したくてもできないグループさんもたくさんいる中、こうやって7枚目のシングルも出させてもらえました。10周年も迎えられた。その機会をいただけていることがありがたいことだと思っています。
―他のアイドルグループと違うと感じる点はありますか?
杉山:アイドルグループがワンマンライブをやるとなったら、普通は会社がプロモーションをかけて、いろいろ宣伝をしてチケットを売ってくれるものなのかなと思うんですけど…。
松下:これ、大丈夫かな、思いっきり愚痴のパターンちゃうの(笑)?
杉山:いやいや、これは「つぼみ―」の強みでもあるから(笑)。「つぼみ―」は自分たちで街に出て「こんなライブをやるんです!」とチケットを手売りするアイドルなんです。マックス800枚くらい売ったこともありました。
ただ、温かく応援してくださった方もいらっしゃるんですけど、かなり辛辣な言葉を投げかけられることもあって。精神的にグッとなったこともありました。
「つぼみ―」は歌とダンスだけでなく、映像やコントも交えて一本のストーリーになるようなライブをやってるんです。
ただ、でも、自分たちがやっていることを知らない人に言葉だけで説明するとなると、コントをやっていますと言った時点で「アイドルがコントって、どうせ生半可な気持ちでやってるんちゃうん」と言われたり。
一方、アイドルファンの方からは「いやいや、アイドルなんだから歌とダンスを頑張りなさいよ」と言われて。そこが何とももどかしいと言いますか。
私らとしては歌もダンスもコントも全部本気やし、全部10割という思いでやってるんです。でも、そうは思ってもらえないのもわかりますし、でも、でも、もどかしさもあるし。この熱量をどう伝えればいいのか。そこはずっと考えさせられてきました。
―笑いという極めて難しいことを追い求めるアイドル。そのスタンスで得たものは?
松下:自分たちで言うのはアレなんですけど、唯一無二のグループになれてるんじゃないかなと思ってます。
今のアイドルさんもすごくハングリー精神のある方が多いので「THE W」にもアイドルさんで挑戦される方も増えています。どこか怖い部分もあるんですけど、自分たちは最初からコントをやってきましたし、他のアイドルさんに負けてると思ったことは一切ないんです。そこの自信は、本気から来るものなのかなと。
―コントの台本などは福田さんが担当されているんですね?
杉山:私たちのコントは基本的に福田が書いてくれていて、大きなライブをするとなったら構成もやってくれています。
今も福田がテレビに出る時には「つぼみ―」の名前を言ってくれたりして、そこの発言きっかけでファンが増えるという流れもあります。
いろいろな形で福田に支えられているグループでもあるので、なんとか自分たちが福田のところまで上がっていきたいという思いが強いです。
松下:今まで引っ張ってもらってきたのは間違いないです。なので、相乗効果というか、私たちが言ったから福田も上がるという構図にしないといけないと思ってるんです。
今、福田がテレビで「元『つぼみ―』なんですよ」と言った時には「なんやねん、そのグループは?」「誰やねん!」みたいな感じで笑いが起こってます。でも、いつかは「え!?あの『つぼみ―』出身なの?」と変わっていけるようにしないとなと。そこは一日も早く実現したいと思っています。
杉山:アイドルとして10年って、めちゃめちゃ長いんですよ。誇れることではないのかもしれませんけど、でも、あっという間やったなと。
メンバーの入れ替わりもあったんですけど、今の9人が最強というか、アツいというか。そのメンバーで、満を持して7枚目のシングルが出せたので、より「『つぼみ大革命』って良いグループだな」と皆さんに思ってもらえるように頑張りたいですね。
松下:私たちは高校生の時に「つぼみ―」に出会って活動をしてきて、その時は20歳を超えるまで活動しているとも思ってなかったんです。で、気がついたら、この歳になっていて(笑)。でも、一瞬たりとも無駄な時間はなかったと思っています。
特に今は、新型コロナの影響で活動したくてもできないグループさんもたくさんいる中、こうやって7枚目のシングルも出させてもらえました。10周年も迎えられた。その機会をいただけていることがありがたいことだと思っています。
―他のアイドルグループと違うと感じる点はありますか?
杉山:アイドルグループがワンマンライブをやるとなったら、普通は会社がプロモーションをかけて、いろいろ宣伝をしてチケットを売ってくれるものなのかなと思うんですけど…。
松下:これ、大丈夫かな、思いっきり愚痴のパターンちゃうの(笑)?
杉山:いやいや、これは「つぼみ―」の強みでもあるから(笑)。「つぼみ―」は自分たちで街に出て「こんなライブをやるんです!」とチケットを手売りするアイドルなんです。マックス800枚くらい売ったこともありました。
ただ、温かく応援してくださった方もいらっしゃるんですけど、かなり辛辣な言葉を投げかけられることもあって。精神的にグッとなったこともありました。
「つぼみ―」は歌とダンスだけでなく、映像やコントも交えて一本のストーリーになるようなライブをやってるんです。
ただ、でも、自分たちがやっていることを知らない人に言葉だけで説明するとなると、コントをやっていますと言った時点で「アイドルがコントって、どうせ生半可な気持ちでやってるんちゃうん」と言われたり。
一方、アイドルファンの方からは「いやいや、アイドルなんだから歌とダンスを頑張りなさいよ」と言われて。そこが何とももどかしいと言いますか。
私らとしては歌もダンスもコントも全部本気やし、全部10割という思いでやってるんです。でも、そうは思ってもらえないのもわかりますし、でも、でも、もどかしさもあるし。この熱量をどう伝えればいいのか。そこはずっと考えさせられてきました。
―笑いという極めて難しいことを追い求めるアイドル。そのスタンスで得たものは?
松下:自分たちで言うのはアレなんですけど、唯一無二のグループになれてるんじゃないかなと思ってます。
今のアイドルさんもすごくハングリー精神のある方が多いので「THE W」にもアイドルさんで挑戦される方も増えています。どこか怖い部分もあるんですけど、自分たちは最初からコントをやってきましたし、他のアイドルさんに負けてると思ったことは一切ないんです。そこの自信は、本気から来るものなのかなと。
―コントの台本などは福田さんが担当されているんですね?
杉山:私たちのコントは基本的に福田が書いてくれていて、大きなライブをするとなったら構成もやってくれています。
今も福田がテレビに出る時には「つぼみ―」の名前を言ってくれたりして、そこの発言きっかけでファンが増えるという流れもあります。
いろいろな形で福田に支えられているグループでもあるので、なんとか自分たちが福田のところまで上がっていきたいという思いが強いです。
松下:今まで引っ張ってもらってきたのは間違いないです。なので、相乗効果というか、私たちが言ったから福田も上がるという構図にしないといけないと思ってるんです。
今、福田がテレビで「元『つぼみ―』なんですよ」と言った時には「なんやねん、そのグループは?」「誰やねん!」みたいな感じで笑いが起こってます。でも、いつかは「え!?あの『つぼみ―』出身なの?」と変わっていけるようにしないとなと。そこは一日も早く実現したいと思っています。
©ytv
右から杉山優華と松下千紘
―今回の曲はつんく♂さんが作詞、作曲、プロデュースをされたんですね。
杉山:「もし誰でもいいからプロデュースしてもらえるとしたら?」と言われたら、私たちはずっとつんく♂さんにお願いしたいと言ってきたんです。
つんく♂さんがプロデュースされてきたアイドルさんに憧れてこの世界に入ったので、いつかは自分もプロデュースしてもらいたい。これまでご縁がなかったんですけど、今回それがかなって本当にうれしく思っています。
それと、さらにうれしかったのが曲のタイトルを聞いた時でした。メチャクチャ「つぼみ―」らしいタイトルやなと思って。
実は、今年は10周年やし、今はまだ全然売れてないけど、何とか逆襲の年にしようって、メンバーの中では話をしてたんです。
そして、それを外に向けて言っていたわけではないんですけど、曲のタイトルが「逆襲のYEAH!」。私たちの話し合いをこっそり聞いてたんじゃないかなと思うくらい(笑)、ぴったりなタイトルだったんで驚きましたし、見た瞬間に、正直、泣きました。
なので、つんく♂さんにお伝えしたんです。いかに、このタイトルが私たちの思い通りかを。じゃ、私たちのことをとても勉強して、過去の映像も本当にたくさん見た上で曲を作り、タイトルをつけたと。
本当に愛がある人やなと心底思いましたし、だからこそ、何とか私たちが応えないとと強く思いもしたんです。
―そこまで心が通うと、それはうれしいですよね。この先を見据えると、気の早い話ですが、次の節目は20周年となります。そこに向けての思いは?
杉山:どんなに売れてなかったとしても、やりたいですね。40手前くらいの女の子が9人集まってやってたら面白いなと、うれてるのがべすとなんでうsけど。
私たちが常々言ってるのが「売れないと、アイドルを続けられへんで」ということ。「売れるためにアイドルを続けたい」ではなく「アイドルを続けるために売れたい」。
それだけこの9人でいるのが幸せですし、まだまだこれからも9人でいろいろなところに行きたいんです。そのためには、売れて結果を残すしかないなと。
すみません、一切笑いのない、ものすごく真面目なトーンになりましたね(笑)。それは「つぼみ―」としてはダメなんですけど、本当の思いを話させてもらいました。
杉山:「もし誰でもいいからプロデュースしてもらえるとしたら?」と言われたら、私たちはずっとつんく♂さんにお願いしたいと言ってきたんです。
つんく♂さんがプロデュースされてきたアイドルさんに憧れてこの世界に入ったので、いつかは自分もプロデュースしてもらいたい。これまでご縁がなかったんですけど、今回それがかなって本当にうれしく思っています。
それと、さらにうれしかったのが曲のタイトルを聞いた時でした。メチャクチャ「つぼみ―」らしいタイトルやなと思って。
実は、今年は10周年やし、今はまだ全然売れてないけど、何とか逆襲の年にしようって、メンバーの中では話をしてたんです。
そして、それを外に向けて言っていたわけではないんですけど、曲のタイトルが「逆襲のYEAH!」。私たちの話し合いをこっそり聞いてたんじゃないかなと思うくらい(笑)、ぴったりなタイトルだったんで驚きましたし、見た瞬間に、正直、泣きました。
なので、つんく♂さんにお伝えしたんです。いかに、このタイトルが私たちの思い通りかを。じゃ、私たちのことをとても勉強して、過去の映像も本当にたくさん見た上で曲を作り、タイトルをつけたと。
本当に愛がある人やなと心底思いましたし、だからこそ、何とか私たちが応えないとと強く思いもしたんです。
―そこまで心が通うと、それはうれしいですよね。この先を見据えると、気の早い話ですが、次の節目は20周年となります。そこに向けての思いは?
杉山:どんなに売れてなかったとしても、やりたいですね。40手前くらいの女の子が9人集まってやってたら面白いなと、うれてるのがべすとなんでうsけど。
私たちが常々言ってるのが「売れないと、アイドルを続けられへんで」ということ。「売れるためにアイドルを続けたい」ではなく「アイドルを続けるために売れたい」。
それだけこの9人でいるのが幸せですし、まだまだこれからも9人でいろいろなところに行きたいんです。そのためには、売れて結果を残すしかないなと。
すみません、一切笑いのない、ものすごく真面目なトーンになりましたね(笑)。それは「つぼみ―」としてはダメなんですけど、本当の思いを話させてもらいました。
©ytv
■取材後記
「つぼみ大革命」は過去にもまた別のメンバーにインタビューをしたりもしてきましたが、メンバーみんなに共通して言えるのはサービス精神と情熱の塊ということです。
今回も、この取材のためだけだったのですが、衣装もメイクもばっちりで登場。インタビューが始まってからも、こちらの質問に一生懸命答えようとしてくれている。それがひしひしと伝わってきました。
僕も、20年以上笑いの取材をしている身として、笑いの難しさは見てきたつもりです。でも、そこに挑む。しかも、本気の本気で挑む。その積み重ねは松下さんの言葉通り、唯一無二の存在へとつながると確信しています。
執筆者プロフィール
中西 正男(なかにし まさお)
1974年生まれ。大阪府枚方市出身。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚などを大阪を拠点に取材。桂米朝師匠に、スポーツ新聞の記者として異例のインタビューを行い、話題に。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、テレビ・ラジオなどにも活動の幅を広げる。現在、朝日放送テレビ「おはよう朝日です」、読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」などにレギュラー出演。また、Yahoo!、朝日新聞、AERA.dotなどで連載中。
「つぼみ大革命」は過去にもまた別のメンバーにインタビューをしたりもしてきましたが、メンバーみんなに共通して言えるのはサービス精神と情熱の塊ということです。
今回も、この取材のためだけだったのですが、衣装もメイクもばっちりで登場。インタビューが始まってからも、こちらの質問に一生懸命答えようとしてくれている。それがひしひしと伝わってきました。
僕も、20年以上笑いの取材をしている身として、笑いの難しさは見てきたつもりです。でも、そこに挑む。しかも、本気の本気で挑む。その積み重ねは松下さんの言葉通り、唯一無二の存在へとつながると確信しています。
執筆者プロフィール
中西 正男(なかにし まさお)
1974年生まれ。大阪府枚方市出身。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚などを大阪を拠点に取材。桂米朝師匠に、スポーツ新聞の記者として異例のインタビューを行い、話題に。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、テレビ・ラジオなどにも活動の幅を広げる。現在、朝日放送テレビ「おはよう朝日です」、読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」などにレギュラー出演。また、Yahoo!、朝日新聞、AERA.dotなどで連載中。
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