「つゆぜんせん」って読んじゃダメですか?
2023.05.31
どうでもいい話をすることが大好物です。たとえば「梅雨」。普通、「つゆ」と読みますよね。「梅雨入り」した地域も多いですが、当然「つゆいり」とみなさん読んでおられます。ですが、「梅雨前線」となると、「つゆぜんせん」とは読まず、「ばいうぜんせん」となるわけです。
このコラムをお読みの方は、きっと賢い方が多いに違いありませんから、ボクがこんな風に書いただけですぐに、『「つゆ」は訓読み、「ばいう」は音読み。「前線」は音読みなので、それに合わせる形で「ばいう」と読むのでは』、と答えられることでしょう。確かにそんな解説も複数目にしました。
けれども、です。「つゆぜんせん」って別におかしくない気もするのです。気象予報士の方は普通、「ばいうぜんせんが停滞して~」、と天気予報で解説してくださいますが、「つゆぜんせんが停滞して~」と言ったとしても、別に悪くないのではないでしょうか?正直、「ばいう」と聞くのは、「ばいうぜんせん」くらいなんですよね。「つゆぜんせん」の方がしっくりくる気さえするのです。
ちょっと関係ない話をしますが、「塩味」ってみなさんどう読まれますか?ちなみにボクはずっと「しおあじ」なんですが、料理番組やグルメ番組では、最近「えんみ」と読む方がとても増えているように思います。さきほどの例によれば、「しおあじ」は訓読みと訓読みですし、「えんみ」は音読みと音読みです。それは置いておくとして、どうも「しおあじ」の方が「えんみ」よりしっくりくる私です。年齢のせいもあるかもしれませんね。先日もバラエティ番組で試食した若いタレントさんが、「えんみが効いてておいしい!」と言ってました。もしかしたらもはや「えんみ」を使う人の方が多いのかもしれません。少し焦ります。別に焦らなくてもいいんですけど。
話を戻します。「つゆぜんせん」、本当にいかがでしょうか?各局のお天気キャスターのみなさんが使い始めると、一気に広まるような気もするのですが。それとも、音読み、訓読みの理由以外に、アナウンサーや気象予報士のみなさんが「ばいうぜんせん」にこだわる理由があるのかもしれませんが。
読売テレビの「読みテレ」コラムの仲間に気象予報士の蓬莱大介さんがいらっしゃいます。ボクより20歳ほどお若い方ですが、大学・学部が一緒ということもあって、いつも親近感を持ってテレビを見ています。蓬莱さん、どこかでこの件を解説してくれませんかねえ。でも「ミヤネ屋」の宮根誠司さんあたりには、「そんなんどうでもええねん!」って言われそうですけど。(笑)
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
このコラムをお読みの方は、きっと賢い方が多いに違いありませんから、ボクがこんな風に書いただけですぐに、『「つゆ」は訓読み、「ばいう」は音読み。「前線」は音読みなので、それに合わせる形で「ばいう」と読むのでは』、と答えられることでしょう。確かにそんな解説も複数目にしました。
けれども、です。「つゆぜんせん」って別におかしくない気もするのです。気象予報士の方は普通、「ばいうぜんせんが停滞して~」、と天気予報で解説してくださいますが、「つゆぜんせんが停滞して~」と言ったとしても、別に悪くないのではないでしょうか?正直、「ばいう」と聞くのは、「ばいうぜんせん」くらいなんですよね。「つゆぜんせん」の方がしっくりくる気さえするのです。
ちょっと関係ない話をしますが、「塩味」ってみなさんどう読まれますか?ちなみにボクはずっと「しおあじ」なんですが、料理番組やグルメ番組では、最近「えんみ」と読む方がとても増えているように思います。さきほどの例によれば、「しおあじ」は訓読みと訓読みですし、「えんみ」は音読みと音読みです。それは置いておくとして、どうも「しおあじ」の方が「えんみ」よりしっくりくる私です。年齢のせいもあるかもしれませんね。先日もバラエティ番組で試食した若いタレントさんが、「えんみが効いてておいしい!」と言ってました。もしかしたらもはや「えんみ」を使う人の方が多いのかもしれません。少し焦ります。別に焦らなくてもいいんですけど。
話を戻します。「つゆぜんせん」、本当にいかがでしょうか?各局のお天気キャスターのみなさんが使い始めると、一気に広まるような気もするのですが。それとも、音読み、訓読みの理由以外に、アナウンサーや気象予報士のみなさんが「ばいうぜんせん」にこだわる理由があるのかもしれませんが。
読売テレビの「読みテレ」コラムの仲間に気象予報士の蓬莱大介さんがいらっしゃいます。ボクより20歳ほどお若い方ですが、大学・学部が一緒ということもあって、いつも親近感を持ってテレビを見ています。蓬莱さん、どこかでこの件を解説してくれませんかねえ。でも「ミヤネ屋」の宮根誠司さんあたりには、「そんなんどうでもええねん!」って言われそうですけど。(笑)
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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