自民は余裕、維新は勢い、立民はダッチロール?今後の政界の行く末を見出せ!

2022.07.22

自民は余裕、維新は勢い、立民はダッチロール?今後の政界の行く末を見出せ!
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自民党が大勝した一方で旧来からの野党が議席を減らし、新興の野党が議席を伸ばした参議院選。また投票日直前に安倍晋三元総理の銃撃死事件も起こった。7月17日放送の「そこまで言って委員会NP」は選挙の結果が日本の今後をどう変えるのかをテーマに激論。いつもの論客に加えて立憲民主党・福山哲郎氏、日本維新の会・馬場伸幸氏、自民党・小野寺五典氏を迎え、参議院選後のこの国のあり方について議論した。

消費税減税と憲法改正についてヘビーに議論した後、面白かったのが3人の政治家への質問コーナー。

まず政治家同士の質問タイム。
福山氏から馬場氏への質問は「党どうし、理解しあえる政策については、国会で協力できる余地はあるか?」というもの。
馬場氏は「維新は与党に対しても野党に対しても是々非々で対応する主義。もちろん政策が一致すれば、一緒にやることは可能だ。」と前向きに答えた。
逆に馬場氏から福山氏へは「今後の共産党とどう付き合っていくか?」と質問。
福山氏は「今回(与党との)1対1の構図が1人区の選挙区でできなかった。するとメディアは『野党、共闘できず』という。逆に3年前の参議院選挙では1対1の戦略をとったが、すると今度は『共産党と組んだ』と言われる。“どっちやねん”と思うが、選挙に緊張感を持たせつつ、議席を取る可能性を探るのは、政党としての宿命。(共産党と)組むことも選択肢の一つだ。」と回答した。
須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)に「立憲共産党と言われるのは嫌だったか」と突っ込まれると、「あれがあったから、衆議院選挙で若干議席数を減らした」と答え爆笑が起こった。

ここで番組議長・黒木千晶アナが馬場氏に「野党と与党の間の“ゆ党”と一部で言われることは嫌か?」と質問すると、馬場氏は「そんなことはない」と否定。「国会は前例主義で“与党はこうあるべき”“野党はかくあるべき”と決まっている。それをひたすら守ることは全く国民のためになってない。」“是々非々路線”の面目躍如だ。
一方、小野寺氏は「質問なし」だった。これに論客たちが「勝者の余裕だね」とまた爆笑。

今度は論客たちが議員に聞く番だ。
龍崎孝氏(流通経済大学教授)からは福山氏に厳しい質問。
「今回立憲民主党は負けるべくして負けた。なりふり構わず選挙する姿勢に全く欠けていた。前回の衆院選は多くの選挙区で野党統一候補を立て、結果的に負けはしたが惜敗率は上がっていた。政権批判を貫くならもっと野党が与党に迫るべきだ。存在意義がなくなってくる。立憲民主党はこれからどんどん落ちていくと思ってしまう。」
福山氏は「自分はそうはしたくないと思っている。」と答えるのだが、龍崎氏は「言葉に力がない。」とさらに手厳しい。

ここで山口真由氏(信州大学特任教授)が絡む。
「安倍晋三元総理が多用していた『悪夢のような民主党政権』というフレーズは、事実かどうかは置いておいても、特にSNSで拡散して若い世代がそういうイメージを持ってしまっている。その世代が成長して日本の中枢を担っていく。大幅なアップデートが必要ではないか。」
福山氏は「アップデートはいると思う。悪夢の民主党政権ではないので、ちゃんと説明しなきゃいけないが、単純に説明するだけでは届かない。」と苦悩を見せる。
竹田恒泰氏(作家)がすかさず「(泉健太)代表がダメなんじゃないか?」とけしかけるが福山氏は「ノーコメント」とかわす。(完全な否定をしなかったことも気にかかるが…)

ここで青山和弘氏(政治ジャーナリスト)が小野寺氏に切り込む。
「小野寺氏は岸田派であり、岸田総理の切り札だが、今は大臣でもないし党三役でもない。7月14日(木)の夜に公邸で総理と食事している。ズバリ、その席で防衛大臣就任を依頼されましたね?どうですか?」独自情報を元に質問するが、小野寺氏は「まったくない。」とあっさりと回答。
維新・馬場氏が「『ハイ』と言うたらビックリするわ(笑)」と思わずこぼす。
青山氏はさらに突っ込もうとするが、小野寺氏は安倍元総理の思い出を話し献杯した、と答えるばかり。それでも粘る青山氏に「いろんな意見交換をさせていただいた。」とかわし続ける小野寺氏だった。

ここで竹田氏が維新・馬場氏に質問。「松井一郎氏が維新の会の代表を辞める。次期代表はどうなるのか?」
馬場氏は「代表戦の日程はほぼ固まった。」とかわそうとするが竹田氏は「馬場氏は出ないのか」と追撃。パネリスト一同が「出ますよね?」と問い詰めたが馬場氏は「熟考中。」と曖昧な回答。これに福山氏が「熟考と言う人は出る」と反応し場が沸いた。

すると突然、小野寺氏が福山氏に話しかける。「あなたが幹事長の頃は正直、野党は手強かった。しっかりして。」政治の健全化のためには、強い野党が必要。批判ではなくエールのようだ。福山氏も「褒めてもらった。」と苦笑い。
小野寺氏は「選挙も含めて、福山氏が幹事長の時は手強かった。」と解説。「ま、今回も手強くないとは言わないが。」と付け加えたが、須田氏が「手強くないでしょ、軽いでしょ。」と突っ込むと小野寺氏は「正直いって自分たちから見るとダッチロール(迷走)している。」と率直に指摘する。
最後に須田氏が「今回の選挙戦を取材していて、京都タワー前の福山氏の演説を見たが9割がた維新の批判だった。」と馬場氏にチクって一同爆笑。
「光栄です。」と微笑む馬場氏に対し、須田氏が「馬場さん、もう野党第一党代表のカオをしているよ」と言うと満更でもなさそうな雰囲気の馬場氏だった。

自民党の余裕、日本維新の会の勢いを感じた一方、立憲民主党の元気のなさが感じられた。福山氏への期待は大きいようだ。今後、この国はどうなるのか。我々自身も考えるべき時だろう。

【文:境治】
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