【そこまで言って委員会】日本にとって同性婚は何が問題?選択肢として認めるべきか?

2023.06.08

【そこまで言って委員会】日本にとって同性婚は何が問題?選択肢として認めるべきか?
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3年ぶりに観客を迎えた収録で、賑やかな空気になった6月4日放送の「そこまで言って委員会NP」。テーマも6月にちなんで「ジューンブライドの季節だからこそ結婚について考える」と題し、女性論客の多い華やかな回となった。
とは言え取り上げたのは最前線の深刻な題材。中でも「日本にとって同性婚の一番の問題点は何?」の議論はエキサイティングな展開となった。

竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)は相続の問題を挙げる。
「LGBPの方々の自殺比率は、その他の方々の4倍という統計がある。将来に対してものすごく不安があり、その1つが相続の問題。 遺言がないと法定相続人にはなれない。経済的な面でかなり深刻な制度的不平等があり、自殺率の高さにも繋がっている。」
竹田恒泰氏(作家) は同性婚に異論を唱え続ける。
「相続については、そういうカップルがちゃんと相続できる手当てをすればいい。もしくはカップルが「私たちの財産はこう共有しましょう」と決めておけば、片方が亡くなっても半分は自分のものになる。自分は「事実婚ではダメですか?」と回答したが、相続以外に法律婚の必要はあるのか。」
大空幸星氏(NPO法人「あなたのいばしょ」理事長)が竹田氏の意見に反論。
「前のテーマの議論で竹田氏は結婚という制度が非常に素晴らしいと言っていたが。」
竹田氏がムッとして返す。
「結婚しないことのリスクにも目を向けてくれと言った。結婚は素晴らしいなんて一言も言ってない。不当な揚げ足取りだ。」
大空氏が粘る。
「異性間は事実婚も、結婚の制度のメリットも享受することができる、要は選択することができる。ただ同性間の場合は、その選択すらできない。選択肢を増やすことがどうしてダメなのか。」
竹田氏が落ち着きを取り戻して言う。
「同性婚を認めた時に、新たに生ずる問題もある。いきなり抜本的に変えるのでなく、本当に困っている部分があるなら、まずそこを手当てしてみよう。」

はるな愛氏(タレント・歌手)が食いつく。
「結婚を男女じゃなく同性ですると、どうしていけないのか?と思う。例えば病院で重症になり危篤になった時に家族しか病室に入れないことがある。家族の形をとってないと、入れない人がいる。」
竹田氏は立場を全く変えない。
「家族法を変えちゃいけないとは言ってない。家族法をもし変えるのならば慎重にゆっくり変えなきゃいけない。なぜならば、地域とか伝統とか色々なものの結果作られた慣習法を文字にしたのが家族法だから。」
菅野朋子氏(弁護士)が制度的問題を言う。
「同性婚も夫婦別姓も、法律婚のみがあまりにも優遇されすぎている。法律の枠に入らない人たちがあまりにも冷遇されている。はるな氏が言っていたように病室に入るのは家族じゃなきゃダメ。遺族年金とかいろんな問題もある。法律婚を前提にしている制度がいっぱいあるので、変えていかなきゃならない。」
はるな氏が切々と訴える。
「LGBTという言葉が出てきて、私たちは時代の過渡期にいると思うが、私の本名は大西賢示のまま。「T」と言われるトランスジェンダーの中でも、それぞれ違いがある。本名も変えて女性の戸籍になる人もいるし、「T」の枠組みに入りたくない人もいる。私がテレビに出て目立つ存在と思われているからかもしれないが、『愛ちゃんがテレビに出て大西賢示という本名を言うと、私たちまでからかわれるからやめて』と言われたりする。同性婚が認められるようになってほしい人もいれば、別に関係ないという人もいる。今いろんな人がいることを認め合わないといけない時代になって、その選択肢の1つとして同性婚もないと ダメだと思う。」
倉田真由美氏(漫画家)が応援する。
「問題は、「私はしなくていい」という人たちではない。「私はしたいのにできない」という人たちがいる状態が、 不幸以外の何者でもない。お金の問題も、もちろん大事だが結婚はそれだけじゃない。結婚するという事実だけで幸せになったりするもの。」

金子恵美氏(元衆議院議員)は政治の問題を指摘。
「同性婚も、夫婦別姓もなぜか政治の中だとイデオロギーの対立になってしまう。弊害や差別、不便をどうやって取り除いていくかの議論を政治はしなきゃいけない。」
ほとんどの論客たちが同性婚を認める意見の中、竹田氏は決して持論を曲げない。

だが最後に大空氏がデータを示しつつ主張した。
「最新の世論調査で20代の9割以上が同性婚に賛成している。こんなにくっきりと世代間によって分かれている問題はあんまりない。 今の若い世代を一括りにはしたくないが、議論はもう成熟している。9割以上が賛成しているんだから。その意見をうけとめるのが政治の決断だと思う。」

【文:境治】
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