【そこまで言って委員会】ネットに押されるテレビは、分水嶺でどうすべきだったか?
2023.06.28
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振り返るとあの時、ああすればよかった…。そんな「運命の分水嶺」は様々な物事に存在する。6月25日放送の「そこまで言って委員会NP」では、「運命の分水嶺徹底検証SP」と題して、「少子化の分水嶺」「国の借金の分水嶺」「ロシア独裁の分水嶺」それぞれに戻れるならどうすればよかったかを激論。中でも、テレビ局自身の問題でもある「地上波テレビの分水嶺」に戻れるならどうすればよかったかの議論が面白かった。
丸田佳奈氏(産婦人科医・タレント)は「テレビはオワコンではない」と回答。
「ネット上の動画は品がないし、倫理的にもまずいところがある。テレビはコンプライアンスが厳しくなったが、逆に言えばちゃんとルールがあって、倫理的なことを守った上で報道する。差別化を図って生き残っていければいいので、オワコンまでは行ってない。」
高橋弘樹氏(「ReHacQ」プロデューサー)はテレビ東京在籍中にYouTubeで人気チャンネル『日経テレ東大学』を育てた。
「ネットで動画を作っていたので、ネットが信頼ないと言われるときついところはある。でもテレビが一定の信頼感とクオリティを維持しているのは確か。」
竹田恒泰氏(作家)が高橋氏を褒める。
「高橋氏が『テレ東大学』を作って大ヒットした。YouTubeは信用できないものが多かった中で、『テレ東大学』は信用できる番組になった。」
番組議長・黒木千晶アナがつっこむ。
「なんでテレ東辞めちゃったのですか?」
高橋氏が即答。
「それはテレビ局が信用できないと思ったから。テレ東は大好き。嫌なことがあったからやめただけ。」
竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)は「通信と放送懇談会・竹中プランを実現すべきだった」と回答。
「これは私が総務大臣の時、2006年だった。今Netflixが話題になっているが、元々はレンタルビデオの会社。2007年にオンデマンド配信を始めて、Amazonプライムも2008年にヨーロッパの会社を買った。この頃に、 ものすごく大きな変化が起こっているので、私はキー局の5人の社長とNTTの社長とそれぞれ個別に話をした。NTTは放送に入っていけばいいし、テレビ局は通信に入っていけばいい、そういう自由化をしたいと言った。キー局の社長でそれを理解したのは1人だけ。誰かは言わない。」
竹田氏が持論を展開。
「もしそこでキー局の社長がそれを理解していたら、日本はすごいことになったと思う。2006年にYouTubeを買収したのがGoogle。当時の買収金額は2000億円。今、Googleの親会社・アルファベットの時価総額が224兆円ぐらい。その10%以上がYouTubeの価値だと言われている。そうすると、YouTubeだけで22兆円以上の企業価値がある。あの時読売テレビがYouTubeを買っていればよかったのだ!」
高橋氏が切々と語る。
「最近周りにテレビ局を辞める人が多い。Netflixで『DAYS』というドラマができたが、フジテレビの『コードブルー』をやっていた人が辞めて作ったもの。民放テレビとNetflixでは、かけられる予算が全然違う。」実はこの『DAYS』の原作は、髙橋氏の隣に座る門田隆将氏の『死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発』が原案。高橋氏が製作予算を聞くと、門田氏は「原作料は安かった。」とボケた。
ここで竹中氏がアメリカのフィンシンルール(3大ネットワークに対し、ゴールデンタイムの番組を社外で作らせるよう定めた)の話を展開し、そのおかげでハリウッドはドラマ製作力をつけたと主張。日本でも実施すべきだと言ったが反対されたことを明かした。
そして竹中氏が「改革のチャンスは何度もあった。」と言うと、
黒木アナが真剣に語る。
「私たちは矜持を持って番組を作っていることは、しっかりお話させていただきたい。」
これに竹中氏が「よく聞こえなかったが。」とボケて、黒木アナがムッとした。
宮家邦彦氏(立命館大学客員教授)が「既得権」を話題にする。
「地上波という限られた電波を 許可制で使い続けることは既得権になる。その既得権にしがみつくあまりインターネットは野放しで、なんでもありの世界を作ってしまって、結果的にジャーナリズムを弱くしているのではないか。」
竹中氏がそれに続く。
「ネットのいい面は自由であること。でも供給量は無限大。テレビの方は限られている。競争メカニズムが働くために、多くの国では電波のオークションをやる。日本はそれをやってない数少ない国で、それが既得権益になっている。」
ここで黒木アナが再び、真剣に語る。
「映像を集積する、蓄積していく、その歴史があるのも、テレビ局の1つの文化だと私は思う。だから映像メディアとして、私たちも矜持を持って作っていること、先ほど笑われてしまったが、電波を預かってしっかりと責任を持って放送していることは、なかなか理解されない時代かもしれないが、私はテレビがすごく好きなので、これからも視聴者の皆さんにはテレビを楽しんでほしいなと思っている。」
これには竹中氏もさすがに茶化さず、テレビの作り手としての志を一同拍手で讃えた。いろいろ言われがちなテレビだが、ネットの時代だからこそ役割は大きい。ネットにも果敢に取り組んで新境地を開拓してもらいたいところだ。
丸田佳奈氏(産婦人科医・タレント)は「テレビはオワコンではない」と回答。
「ネット上の動画は品がないし、倫理的にもまずいところがある。テレビはコンプライアンスが厳しくなったが、逆に言えばちゃんとルールがあって、倫理的なことを守った上で報道する。差別化を図って生き残っていければいいので、オワコンまでは行ってない。」
高橋弘樹氏(「ReHacQ」プロデューサー)はテレビ東京在籍中にYouTubeで人気チャンネル『日経テレ東大学』を育てた。
「ネットで動画を作っていたので、ネットが信頼ないと言われるときついところはある。でもテレビが一定の信頼感とクオリティを維持しているのは確か。」
竹田恒泰氏(作家)が高橋氏を褒める。
「高橋氏が『テレ東大学』を作って大ヒットした。YouTubeは信用できないものが多かった中で、『テレ東大学』は信用できる番組になった。」
番組議長・黒木千晶アナがつっこむ。
「なんでテレ東辞めちゃったのですか?」
高橋氏が即答。
「それはテレビ局が信用できないと思ったから。テレ東は大好き。嫌なことがあったからやめただけ。」
竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)は「通信と放送懇談会・竹中プランを実現すべきだった」と回答。
「これは私が総務大臣の時、2006年だった。今Netflixが話題になっているが、元々はレンタルビデオの会社。2007年にオンデマンド配信を始めて、Amazonプライムも2008年にヨーロッパの会社を買った。この頃に、 ものすごく大きな変化が起こっているので、私はキー局の5人の社長とNTTの社長とそれぞれ個別に話をした。NTTは放送に入っていけばいいし、テレビ局は通信に入っていけばいい、そういう自由化をしたいと言った。キー局の社長でそれを理解したのは1人だけ。誰かは言わない。」
竹田氏が持論を展開。
「もしそこでキー局の社長がそれを理解していたら、日本はすごいことになったと思う。2006年にYouTubeを買収したのがGoogle。当時の買収金額は2000億円。今、Googleの親会社・アルファベットの時価総額が224兆円ぐらい。その10%以上がYouTubeの価値だと言われている。そうすると、YouTubeだけで22兆円以上の企業価値がある。あの時読売テレビがYouTubeを買っていればよかったのだ!」
高橋氏が切々と語る。
「最近周りにテレビ局を辞める人が多い。Netflixで『DAYS』というドラマができたが、フジテレビの『コードブルー』をやっていた人が辞めて作ったもの。民放テレビとNetflixでは、かけられる予算が全然違う。」実はこの『DAYS』の原作は、髙橋氏の隣に座る門田隆将氏の『死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発』が原案。高橋氏が製作予算を聞くと、門田氏は「原作料は安かった。」とボケた。
ここで竹中氏がアメリカのフィンシンルール(3大ネットワークに対し、ゴールデンタイムの番組を社外で作らせるよう定めた)の話を展開し、そのおかげでハリウッドはドラマ製作力をつけたと主張。日本でも実施すべきだと言ったが反対されたことを明かした。
そして竹中氏が「改革のチャンスは何度もあった。」と言うと、
黒木アナが真剣に語る。
「私たちは矜持を持って番組を作っていることは、しっかりお話させていただきたい。」
これに竹中氏が「よく聞こえなかったが。」とボケて、黒木アナがムッとした。
宮家邦彦氏(立命館大学客員教授)が「既得権」を話題にする。
「地上波という限られた電波を 許可制で使い続けることは既得権になる。その既得権にしがみつくあまりインターネットは野放しで、なんでもありの世界を作ってしまって、結果的にジャーナリズムを弱くしているのではないか。」
竹中氏がそれに続く。
「ネットのいい面は自由であること。でも供給量は無限大。テレビの方は限られている。競争メカニズムが働くために、多くの国では電波のオークションをやる。日本はそれをやってない数少ない国で、それが既得権益になっている。」
ここで黒木アナが再び、真剣に語る。
「映像を集積する、蓄積していく、その歴史があるのも、テレビ局の1つの文化だと私は思う。だから映像メディアとして、私たちも矜持を持って作っていること、先ほど笑われてしまったが、電波を預かってしっかりと責任を持って放送していることは、なかなか理解されない時代かもしれないが、私はテレビがすごく好きなので、これからも視聴者の皆さんにはテレビを楽しんでほしいなと思っている。」
これには竹中氏もさすがに茶化さず、テレビの作り手としての志を一同拍手で讃えた。いろいろ言われがちなテレビだが、ネットの時代だからこそ役割は大きい。ネットにも果敢に取り組んで新境地を開拓してもらいたいところだ。
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