影山貴彦のウエストサイドTV【18】おっさんブーム再び!?堺・大森・眞島の可愛さ
2020.08.19
眞島秀和さん主演の、「おじさんはカワイイものがお好き。」にハマっています。
仕事ができて部下からの人望も厚く、イケメンで、立ち居振る舞いは紳士的な主人公、小路三貴(眞島)。実は彼には「カワイイものが大好き」という秘密があり、それを隠しながら生活しているのです。別に隠さなくてもいいのでは?と思ったりもするのですが、周囲に勘付かれまいと、必死で秘密を守り通そうとする健気さが、また魅力的に映りますね。木曜の夜が待ち遠しくなっている私です。ちなみに、ドラマ上の主人公の年齢は43歳です。
今期はテレビドラマが豊作です。新型コロナウイルスの影響から、在宅時間が長くなった影響もあるのでしょうが、テレビマンたちの面白いエンターテインメントを視聴者に提供しようという気概が形になって表れているようにも思うのです。
「半沢直樹」の人気は特別でしょうか。ネットのエンタメニュースでも「半沢」の文字を見ない日はなく、もはや「半沢渋滞」ともいえるほどの状況になっています。ドラマの説明は不要ですね。ちなみに、熱き「倍返し男」・半沢直樹の生年月日は、1970年12月8日です。
そして、ここに来て一気に盛り上がりを見せているのが、「私の家政夫ナギサさん」。主人公・メイを演じる多部未華子さんと、家政夫役・ナギサさんを演じる大森南朋さんのやり取りに胸をときめかせている視聴者も多いはずです。2人の今後から目が離せません。あいみょんの主題歌「裸の心」もいいですね。ちなみに、ドラマでのナギサさんは50歳の設定です。
3つのドラマのキーマンは、みな「おっさん」たちです。そこで共通しているのが、いずれも「可愛さ」に包まれているということでしょう。パグ太郎を愛でる眞島さんの表情にキュンキュンしている方は少なくないでしょうし、大森さんが、目尻を下げて包容力溢れた表情で多部さんに話しかける仕草にやられてしまっている視聴者もかなりの数に上るでしょう。
「でも、半沢に可愛さはあるか?」と疑問に思った方がいるかもしれませんね。半沢の妻・花を演じている上戸彩さんとのシーンでは、顔をくしゃくしゃにした堺さんの笑顔が画面一杯に広がることもあります。「緊張と緩和」が、「半沢直樹」の魅力のひとつでしょう。
見出しにもしましたが、2018年、ドラマ「おっさんずラブ」の人気や、サッカーワールドカップでの、「おっさんJAPAN」の活躍をきっかけに起こった「おっさんブーム」の再来が、今回起こるかどうかは正直わかりません。何より2年前も「おっさん」が総じてもてはやされたわけではなく、あくまでも「イケてるおっさんたち」が人気を博したのだということを一般のおっさんたちは肝に銘じておかなければならないところです。
そういう意味では、今回も同じようなことが言えるかと思います。堺雅人さんや、眞島秀和さん、大森南朋さんのような人と自分たちは違うのだというところが、まずはスタートラインです。ゆめゆめ勘違いしてはなりません。けれど、まんざら悪くない「おっさん道」を歩むためのお手本として、彼らのドラマから謙虚に学ぶのは、結構意味のあることかもしれません。
最後に、2004年に書いた「おっさん力(ぢから)」(PHP研究所)から、少しだけ引用します。
『決して諦めてなく、ひがんでもなく、かといって達観してるわけでもない、ただのおっさん。そんなおっさんが私は大好きです』(p.106)
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
上方漫才大賞審査委員
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
仕事ができて部下からの人望も厚く、イケメンで、立ち居振る舞いは紳士的な主人公、小路三貴(眞島)。実は彼には「カワイイものが大好き」という秘密があり、それを隠しながら生活しているのです。別に隠さなくてもいいのでは?と思ったりもするのですが、周囲に勘付かれまいと、必死で秘密を守り通そうとする健気さが、また魅力的に映りますね。木曜の夜が待ち遠しくなっている私です。ちなみに、ドラマ上の主人公の年齢は43歳です。
今期はテレビドラマが豊作です。新型コロナウイルスの影響から、在宅時間が長くなった影響もあるのでしょうが、テレビマンたちの面白いエンターテインメントを視聴者に提供しようという気概が形になって表れているようにも思うのです。
「半沢直樹」の人気は特別でしょうか。ネットのエンタメニュースでも「半沢」の文字を見ない日はなく、もはや「半沢渋滞」ともいえるほどの状況になっています。ドラマの説明は不要ですね。ちなみに、熱き「倍返し男」・半沢直樹の生年月日は、1970年12月8日です。
そして、ここに来て一気に盛り上がりを見せているのが、「私の家政夫ナギサさん」。主人公・メイを演じる多部未華子さんと、家政夫役・ナギサさんを演じる大森南朋さんのやり取りに胸をときめかせている視聴者も多いはずです。2人の今後から目が離せません。あいみょんの主題歌「裸の心」もいいですね。ちなみに、ドラマでのナギサさんは50歳の設定です。
3つのドラマのキーマンは、みな「おっさん」たちです。そこで共通しているのが、いずれも「可愛さ」に包まれているということでしょう。パグ太郎を愛でる眞島さんの表情にキュンキュンしている方は少なくないでしょうし、大森さんが、目尻を下げて包容力溢れた表情で多部さんに話しかける仕草にやられてしまっている視聴者もかなりの数に上るでしょう。
「でも、半沢に可愛さはあるか?」と疑問に思った方がいるかもしれませんね。半沢の妻・花を演じている上戸彩さんとのシーンでは、顔をくしゃくしゃにした堺さんの笑顔が画面一杯に広がることもあります。「緊張と緩和」が、「半沢直樹」の魅力のひとつでしょう。
見出しにもしましたが、2018年、ドラマ「おっさんずラブ」の人気や、サッカーワールドカップでの、「おっさんJAPAN」の活躍をきっかけに起こった「おっさんブーム」の再来が、今回起こるかどうかは正直わかりません。何より2年前も「おっさん」が総じてもてはやされたわけではなく、あくまでも「イケてるおっさんたち」が人気を博したのだということを一般のおっさんたちは肝に銘じておかなければならないところです。
そういう意味では、今回も同じようなことが言えるかと思います。堺雅人さんや、眞島秀和さん、大森南朋さんのような人と自分たちは違うのだというところが、まずはスタートラインです。ゆめゆめ勘違いしてはなりません。けれど、まんざら悪くない「おっさん道」を歩むためのお手本として、彼らのドラマから謙虚に学ぶのは、結構意味のあることかもしれません。
最後に、2004年に書いた「おっさん力(ぢから)」(PHP研究所)から、少しだけ引用します。
『決して諦めてなく、ひがんでもなく、かといって達観してるわけでもない、ただのおっさん。そんなおっさんが私は大好きです』(p.106)
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
上方漫才大賞審査委員
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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