『百恵・友和以来?のビッグカップル誕生に思う』

2021.05.20

『百恵・友和以来?のビッグカップル誕生に思う』
©ytv
昨日の報道に大きく驚かれた方が、日本中にどれほど数多くいらっしゃったことでしょう。
「星野源さんと新垣結衣さん結婚」、どれだけオーバーな表現をしても言い過ぎてないほどのビッグカップルの誕生です。私は、このインパクトは1980年の山口百恵さんと三浦友和さんの結婚以来ではないかと思っています。
 
もちろんファンの中には、「ガッキーロス」、「(星野)源ロス」に陥っている方も少なくはないでしょうが、二人の門出を心から嬉しく思っている人が圧倒的多数であることが、メディアの反応を見ていても良くわかります。そのあたりも「百恵・友和」の時ととてもよく似ています。
 
今、世の中はコロナ社会も相まって、極めて閉塞された社会です。個人個人においては、誠実に、謙虚に、優しく生きている人の数は、かつてと比べ、さほど減っているとは思いたくはないのですが、テレビを始め、メディアで報じられるニュースでは、他者のことをあまりにも考えない、独善的な言動をする人の多さに悲しくなることが日々少なくありません。
私たちは、もっとマシな人間だったはずなのに、と自信喪失さえしかねないこの時期に、お二人の吉報が届けられたのです。

まだ、「他人の幸せを自分の事のように、心底祝福することができる」心根が、個人個人の中に残っている、そう確信できたような気がして、とても嬉しくなったのです。もちろん、星野さんも新垣さんにも、自分たちの幸せを第一義に考えていただきたいところですが、19日の結婚発表で、明らかに社会全体に明るくやわらかな日が差した気がしたのは私だけではないはずです。

おめでとうございます、の言葉とともに、ありがとうございます、の言葉をお二人に心を込めて送りたいと思います。そして、私自身の専門ジャンルに結び付けて大変恐縮ですが、テレビって、エンターテインメントって本当に素晴らしいなと再確認しているところなのです。
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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