「あいさつもしてませんでした」。「マーメイド」が語る転機と今後への思い
2024.12.23
11月の読売テレビ「ytv漫才新人賞 ROUND2」を突破し、来春開催予定の「ytv漫才新人賞決定戦」への進出を決めた「マーメイド」。田村境祐さん(26)とテクニック。さん(32)ともに別のコンビを経ての結成となりましたが、互いの関係性を築くまでの葛藤は相当なものだったといいます。今秋迎えた転機と、そこからの変化とは。
©ytv
左から田村境祐、テクニック。
テクニック。:今回「ytv―」で決勝に進出することができたんですけど、思っていたより時間がかかったというのが正直な感想でもありました。烏滸がましい言い方になるかもしれませんけど、このコンテストの相性が良いというか、自信があったので、決勝に進めるんじゃないかと思ってきたんですけど、結局予選挑戦5回目で通過となりました。
―互いに別のコンビを経て、今のコンビになったんですよね。
田村:そうなんです。もともと二人とも違うコンビを組んで大阪のNSCにいて、それぞれ解散して、じゃ、この二人でやってみようかとなったんです。両方ともほぼ同じタイミングで解散にもなりましたし。
テクニック。:実は、僕は田村以外に二人から誘ってもらっていて、そのうちの一人は僕の仲良し。もう一人が「こいつは面白い」と思っていた人。田村は三人目の相方候補だったんです。一番関係性も薄いし、ナニな話、当時は面白いとも思っていなかったんですけど、結局組むことになりました。
田村:ずいぶんストレートに言うんやな(笑)。
テクニック。:ここはリアルな話なので(笑)。それまで「この人は面白い」と思った人とばかり組んできたんですけど、計6回解散を経験してたんです。面白いと評価している人なのにうまくいかない。いったい、どうしたらいいのか。そんな中で、田村は僕が持っていないものを持ってそうだと思ったんです。
今まで楽な方というか、こっちを選ぶのが得策というような選択を繰り返してきました。そして、解散を繰り返してきた。ここと組んだら面白そうだ。少なくとも、絶対に気は合うだろうから楽しそう。あえて、そういう選択の逆にいってみよう。経験からそんなことを思ってもいましたし、田村は僕にはない女性人気もあったので(笑)、とにかく組んでみよう。そこから始まったんです。
田村:僕からすると「とにかくこの人は間違いなく面白い」という確信だけで結成を申し出ていたので、ひとまず組めて良かったと思ったんですけど、実際に組むと大変でした。互いに深い話をしたことがなかったので、やっていくうちに「こんなに合わない者同士だったんだ…」ということを痛感していきました。
テクニック。:二人とも前のコンビではネタを作る側だったので、最初互いに作ったネタを持ち寄ったんです。そこで見た田村のネタが、吐き気がするくらい面白くなかったんです(笑)。無重力の宇宙空間で漫才をやるという設定だったんですけど、宇宙のように果てしなく面白くない。これは厳しいと本当に思いました。
田村:当時は面白いと思ってたんですけどね(笑)。ただ、もとからネタの面白さを信頼しての申し出だったので、相方のネタが面白いことは織り込み済みで、僕がどうしても書きたいとは思っていなかった。なので、その立場は相方にお任せすることになったんですけど、人間的なかみ合わせが本当にダメでした。
―互いに別のコンビを経て、今のコンビになったんですよね。
田村:そうなんです。もともと二人とも違うコンビを組んで大阪のNSCにいて、それぞれ解散して、じゃ、この二人でやってみようかとなったんです。両方ともほぼ同じタイミングで解散にもなりましたし。
テクニック。:実は、僕は田村以外に二人から誘ってもらっていて、そのうちの一人は僕の仲良し。もう一人が「こいつは面白い」と思っていた人。田村は三人目の相方候補だったんです。一番関係性も薄いし、ナニな話、当時は面白いとも思っていなかったんですけど、結局組むことになりました。
田村:ずいぶんストレートに言うんやな(笑)。
テクニック。:ここはリアルな話なので(笑)。それまで「この人は面白い」と思った人とばかり組んできたんですけど、計6回解散を経験してたんです。面白いと評価している人なのにうまくいかない。いったい、どうしたらいいのか。そんな中で、田村は僕が持っていないものを持ってそうだと思ったんです。
今まで楽な方というか、こっちを選ぶのが得策というような選択を繰り返してきました。そして、解散を繰り返してきた。ここと組んだら面白そうだ。少なくとも、絶対に気は合うだろうから楽しそう。あえて、そういう選択の逆にいってみよう。経験からそんなことを思ってもいましたし、田村は僕にはない女性人気もあったので(笑)、とにかく組んでみよう。そこから始まったんです。
田村:僕からすると「とにかくこの人は間違いなく面白い」という確信だけで結成を申し出ていたので、ひとまず組めて良かったと思ったんですけど、実際に組むと大変でした。互いに深い話をしたことがなかったので、やっていくうちに「こんなに合わない者同士だったんだ…」ということを痛感していきました。
テクニック。:二人とも前のコンビではネタを作る側だったので、最初互いに作ったネタを持ち寄ったんです。そこで見た田村のネタが、吐き気がするくらい面白くなかったんです(笑)。無重力の宇宙空間で漫才をやるという設定だったんですけど、宇宙のように果てしなく面白くない。これは厳しいと本当に思いました。
田村:当時は面白いと思ってたんですけどね(笑)。ただ、もとからネタの面白さを信頼しての申し出だったので、相方のネタが面白いことは織り込み済みで、僕がどうしても書きたいとは思っていなかった。なので、その立場は相方にお任せすることになったんですけど、人間的なかみ合わせが本当にダメでした。
―コンビ仲はどんな状況だったんですか。
田村:本当にリアルな話、全く会話もない。あいさつもしない。ネタ合わせの時に必要最低限の会話はするけど、こちらがネタの流れをすぐに理解できないと、説明するわけでもなく、もうネタ合わせはやめになる。
テクニック。:本当に、特に僕の側がそんな感じで拒絶していたのはあったと思います。なんというのか、自分自身がきちんと良いネタを作って、しっかりやっていけばあとは評価されていく。こちらのやろうとしていることを田村が理解できなかったら放っていく。そんな状態だったと思います。今から思うと。
ただ、一つのきっかけとして、今年の秋に3年半ほど付き合った彼女と別れたんです。別れる時に彼女から言われた言葉を自分なりに考えると、僕は相手に対してモンスターというか、普通じゃない状況にあったのかなと思わされました。
そこでさらに考えたのが「彼女と同じような接し方を、田村にもしていたんだろうな」ということだったんです。ここから田村とは相方としてずっとやっていかないといけないのに、このままでは彼女のように田村までいなくなってしまう。そうなると、やりたくて入った芸人の仕事も終わってしまう。
そこから話し合いをして、今は以前に比べると飛躍的にしゃべるし、コミュニケーションをとるようにもなりました。そうなると、以前よりも賞レースで結果が出るようにもなってきましたし、今回の「ytv―」にもつながったんです。
田村:今年の9月ごろに話し合うまでは、ものすごくしんどくはありました。でも、だんだん「ウチのコンビはそんなもん」とこっちもそれに慣れるというか、あきらめるというか、そういう気持ちになってきてたんですけど、やっぱりしんどかったんですよね。今は以前とは全く別かと思うほど、やりやすくなりました。
テクニック。:今は一緒にテニスに行ったりもするようになりました(笑)。普段からベタベタと仲良くしておく必要はないと思うんですけど、必要な時には互いに思っていることをしっかり伝える。要らぬ負担なく、ネタ合わせやコミュニケーションが取れる。どれも普通のことなんですけど(笑)、それができてなかったんですよね。
田村:テニスもですけど、今は何より会った時にあいさつができる。これが非常に楽しいなと(笑)。
テクニック。:間違いなく今の方が良い関係ですし、関係性が滑らかになったからか、ボケる種類も増えた気がします。互いに柔軟になったというか。より素を出せるというか。
もともと、ウチのネタは僕のキャラクターや人間性をもとにしたネタで、他のコンビとかぶることがほぼない。そこは武器だとも思うんですけど、そこの幅がさらに広がった。それも今感じていることでもあります。
ある意味、回り道もあったのかもしれませんけど、それがあっての今なのかもしれないし、あとは結果で示すしかないなと。来年、まず大きなターゲットは「ytv―」でしょうし、胸を張って「今のほうが良い」と言うためにも優勝する。勝ち切る。その形をゲットしたいと考えています。
田村:本当にリアルな話、全く会話もない。あいさつもしない。ネタ合わせの時に必要最低限の会話はするけど、こちらがネタの流れをすぐに理解できないと、説明するわけでもなく、もうネタ合わせはやめになる。
テクニック。:本当に、特に僕の側がそんな感じで拒絶していたのはあったと思います。なんというのか、自分自身がきちんと良いネタを作って、しっかりやっていけばあとは評価されていく。こちらのやろうとしていることを田村が理解できなかったら放っていく。そんな状態だったと思います。今から思うと。
ただ、一つのきっかけとして、今年の秋に3年半ほど付き合った彼女と別れたんです。別れる時に彼女から言われた言葉を自分なりに考えると、僕は相手に対してモンスターというか、普通じゃない状況にあったのかなと思わされました。
そこでさらに考えたのが「彼女と同じような接し方を、田村にもしていたんだろうな」ということだったんです。ここから田村とは相方としてずっとやっていかないといけないのに、このままでは彼女のように田村までいなくなってしまう。そうなると、やりたくて入った芸人の仕事も終わってしまう。
そこから話し合いをして、今は以前に比べると飛躍的にしゃべるし、コミュニケーションをとるようにもなりました。そうなると、以前よりも賞レースで結果が出るようにもなってきましたし、今回の「ytv―」にもつながったんです。
田村:今年の9月ごろに話し合うまでは、ものすごくしんどくはありました。でも、だんだん「ウチのコンビはそんなもん」とこっちもそれに慣れるというか、あきらめるというか、そういう気持ちになってきてたんですけど、やっぱりしんどかったんですよね。今は以前とは全く別かと思うほど、やりやすくなりました。
テクニック。:今は一緒にテニスに行ったりもするようになりました(笑)。普段からベタベタと仲良くしておく必要はないと思うんですけど、必要な時には互いに思っていることをしっかり伝える。要らぬ負担なく、ネタ合わせやコミュニケーションが取れる。どれも普通のことなんですけど(笑)、それができてなかったんですよね。
田村:テニスもですけど、今は何より会った時にあいさつができる。これが非常に楽しいなと(笑)。
テクニック。:間違いなく今の方が良い関係ですし、関係性が滑らかになったからか、ボケる種類も増えた気がします。互いに柔軟になったというか。より素を出せるというか。
もともと、ウチのネタは僕のキャラクターや人間性をもとにしたネタで、他のコンビとかぶることがほぼない。そこは武器だとも思うんですけど、そこの幅がさらに広がった。それも今感じていることでもあります。
ある意味、回り道もあったのかもしれませんけど、それがあっての今なのかもしれないし、あとは結果で示すしかないなと。来年、まず大きなターゲットは「ytv―」でしょうし、胸を張って「今のほうが良い」と言うためにも優勝する。勝ち切る。その形をゲットしたいと考えています。
■マーメイド
1998年11月26日生まれで静岡県出身の田村境祐と1992年7月23日生まれで大阪府出身のテクニック。が互いに別のコンビを経て結成。読売テレビ「ytv漫才新人賞 ROUND2」を突破し、今春開催予定の「ytv漫才新人賞決定戦」への進出を決めた。
1998年11月26日生まれで静岡県出身の田村境祐と1992年7月23日生まれで大阪府出身のテクニック。が互いに別のコンビを経て結成。読売テレビ「ytv漫才新人賞 ROUND2」を突破し、今春開催予定の「ytv漫才新人賞決定戦」への進出を決めた。
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