「2022年後半、いつでもどこでも地震が起きる可能性がある」というゲラーの大予言。「そりゃそうだろう!」…と言わず防災意識を高めよう

2022.07.08

「2022年後半、いつでもどこでも地震が起きる可能性がある」というゲラーの大予言。「そりゃそうだろう!」…と言わず防災意識を高めよう
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“大予言”と聞くと中年以上の世代は『ノストラダムスの大予言』を思い出す。「1999年7の月、恐怖の大王が空から降ってくる」というものだったが、そのノストラダムスは2022年についても予言している…という。「闇の3日間が訪れ人類の3分の2が神に見捨てられる」というのだ。

7月3日放送の『そこまで言って委員会NP』ではこの予言に乗っかって、各界の専門家が2022年後半を大予想!それを信じるか信じないかで論客たちが激論した。

番組の最後に登場したのが地震学者のロバート・ゲラー氏。委員会には前々からたびたび登場し、どこかトボけたキャラクターで親しまれてきた。このところ日本各地で地震が頻発している中、もっと大きな地震が起こらないかが私たちの不安。これについてゲラー氏はこう予言した。

「2022年の後半、どこでどれくらいの地震が起こるかは、誰もわからないだろう。それは、現時点で【正確な地震予知】などできないからだ。言い換えれば、いつでもどこでも地震が起きる可能性はあるだろう。」

ええ?!いつでもどこでも?一瞬びっくりするが、よくよく考えると当たり前な気もしてくる。

論客たちも、これにはつっこみまくりだ。須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)は「これ、予言か!? 予言になってないじゃん!こんな予言なら俺にもできる!」
宮家邦彦氏(立命館大学客員教授)に至っては「いつでもどこでも地震が起きるかもしれない、というのは、予言ではありません」とまで言ってのけた。一方、竹田恒泰氏(作家)は「この予言は必ず当たる!」と納得の様子。

八木早希氏(フリーアナウンサー)は「日本の地震学会も予知できないと認めたと聞いた」と質問。
ゲラー氏は「日本地震学会は地震予知が可能か、否定も肯定もしていないが、政府は2013年に、南海トラフ巨大地震に対して『高い確度での地震予知は困難』だと認めた。政府はハザードマップと言うが、自分は”ハズレマップ”と呼んでいる。」と痛烈だ。
これには八木氏も驚く。「私たちは防災意識を持ち、引っ越しの際などにはハザードマップを事前に確認するようになった。これは意味がないということですか?」
ゲラー氏は「そう、意味がない」と即答。「2011年より前、ハザードマップでは東北地方は比較的安全だ、としていたが、ご存じの通り東日本大震災が起きた。これを信じろというほうが、無理がある。」と持論を展開。しかし、八木氏は納得いかない様子。

地震予知が進んでいないのは一体なぜなのか。ゲラー氏が語るところによると「ほんのわずかに初期条件を変えると、そのあとの展開は全然違ってくる。だからどこに地震が起こるか、なかなか予測ができない。また、人間が感じることのできない小さな地震が日本付近で毎年1億回近く発生している。そういった地震の中から低確率で大地震に発展するものもあるという。このように発生の予測だけでなく、地震が発生した後、どのように展開するかも重要なため、自分が生きているうちには、それほど地震予知の進歩はないと思う。」と述べた。

そしてゲラー氏は鉛筆をふところから取り出した。鉛筆を曲げていくと、曲げる速度や内部構造など様々な要素に左右されたのち、前兆なく突然折れる。「鉛筆のような単純な構造の物でもいつ折れるか予測するのは難しい」と鉛筆を黒木議長の目の前でV字に折り曲げながら説明。地震予知がいかに難しいか、よくわかる例えだ。
八木氏がさらに食らいつく。「首都直下型地震はいつ来るかわからないが、南海トラフに関しては1700年代からのデータがあって周期がわかっており、2035年前後プラス5年に来るという予測を信じているのだが。」
ゲラー氏はこれにも「さかのぼって時系列で書けば、見た目の周期のようなこじつけはできる。」と、手厳しいリアクション。

ここで須田氏が「ちょっと言っていいですか?」と発言しようとするとゲラー氏は「言って委員会だから、もちろん言っていい」と返して一同爆笑。本当にトボけたキャラだ。
須田氏の質問は「過去に当たった地震予知はないのか?」というもの。
ゲラー氏は「ない。」ときっぱり。
「1971年の2月にロサンゼルスのサンフェルナンド地震があった。あれは本当にみんな想定外。阪神淡路大震災は想定外。東日本大震災は想定外。国内外の想定は全部外れた。」その言葉の裏に、ゲラー氏の忸怩たる思いも滲む気がする。

議論が防災意識の話になり、番組議長・黒木千晶アナが聞く。
「ハザードマップで黄色いところ(比較的安全な地域)は警戒心が下がってしまうとしたら、これが全部真っ赤だったらいいのか。」
ゲラー氏は「黄色でも真っ赤でも、地震はどこでもいつでもありうる。どこに住んでいても常識的な準備をしなさいよ、ということ。」と、私たちに警戒を呼びかける。
黒木アナが「地震はいつどこで起きるかわからない。だから、日頃の備えはきちんとしましょうということですね。」とまとめるとさらにゲラー氏が「しかも!不意打ちで発生すると考えてほしい。」
すかさず竹田氏が「やっぱりこの予想は必ず当たる!」と強調した。

「いつでもどこでも地震は起きる可能性がある」そりゃあそうだろう、という話だ。だからこそ、自分が今いる場所でも起きるかもしれないと、私たちは備えなければならない。ゲラー氏が強い言葉も使って話すのは、少しでも多くの人々に防災意識を持って欲しいからだろう。私たちは彼の言葉を率直に受け止めねばならない。

【文:境治】
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