こんなことが何故できない?!日本のデジタル化が進まないのは、外注するからだ!?

2022.02.16

こんなことが何故できない?!日本のデジタル化が進まないのは、外注するからだ!?
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日本は様々なことが進まない、できないままだ。クルマの自動運転も、新型コロナの政治判断も、おいでやす小田が「こんなことなんででけへんねん!」といちいちキレるほど進まない。2月13日放送の「そこまで言って委員会NP」では5つの「日本ができない」ことが議論された。デジタル化が進まないこともその一つ。

番組から論客たちに「日本のデジタル化が進まない最大の原因は?」と投げかけられ、議論が盛り上がった。

丸田佳奈氏は「なくても不便を感じないから」と回答。「例えば小学校や保育園の連絡には全部アプリとかLINEを使う。ないと学校生活が送れないからやらざるを得ない。逆にそれがなくても生活できればそのまま。特に高齢者は新しいことを受け入れるのが難しいので、強引に進めないと進まない。」
これに須田慎一郎氏が「全く一緒。今日気が合いますよね」と同調を迫るが丸田氏は「一番端でよかった」とかわした。須田氏は仕方なく続ける。「長崎県の離島に取材に行ったら、商店がどんどん閉まっている。おばあちゃん2人に買い物困ってるんじゃないですか、と聞いたら『何も困っちょらん、買い物はAmazonで』と言う。長崎県は離島が多く過疎地だらけ。自治体がスマホ教室を開いてお年寄りは一生懸命覚えた。」

竹中平蔵氏は「アナログ時代の制度・規制」と回答。「日本は一つ変えようと思ったら、必ず制度の問題が出てくる。デジタルをデファクトスタンダード(事実上の標準)に持っていかなきゃいけない。問題は取り残される人が出てくる可能性があること。シンガポールではデジタルアンバサダー制度を作って国と地方と企業で一緒になって困ってる人を助けに行く。日本で今話題になっているのは、デジタルお巡りさん、デジタル郵便局。各地にあるのだから協力してもらって、おじいちゃんおばあちゃんが困っていたら助けてもらう。」
中野雅至氏はこう主張。「民間企業にとってITはコスト。それで何かを生み出すクリエイティビティーの発想は日本の民間企業にはない。ベンダーに頼めばそれで済むと。民間も駄目だし社会もアナログ発想。」
石川和男氏は「中野氏に共感。民間企業で文書などを扱う庶務係はなぜか年配の人が多く頑固。例えばね、ある会社と契約する際、写メでポーンと送ったが庶務係のおばさまが絶対に認めない。私は嫌だと言う。意識改革はできないから、共存させてくれと考える。また例えば講演などで報酬をもらうときにマイナンバーカードと運転免許証のコピーを出せと言われる。デジタル化の申請をアナログでやらせてる。」

古舘伊知郎氏は政府の問題にも言及。「思い出してください。サイバーセキュリティー担当だった桜田元五輪大臣。パソコンはやらない、USBメモリはどうやら穴があってそこに入れるらしいなどと言っていた。何でこういうことが起きるのか。役人で優秀な方々が馬鹿な大臣来た方がやりやすいと考えたから。その正反対が台湾。オードリー・タンの前のデジタル担当大臣は経験値があっていろんなことを後輩に教えるタイプの人だった。でもあえて若いオードリー・タンを呼んだらすごいことになった。そういう意識改革をやらないといけない。」

竹田恒泰氏は外注の問題を指摘する。「政府がワクチンのアプリなどを作ろうとしているが(予算が通常の)100倍ぐらいかかっている。システム開発を外注するから。システムエンジニアを政府が集めて自分たちでやれば多分100分の1ぐらいの価格でできる。大手に発注して孫請け、ひ孫請け、玄孫請け。高くなっちゃう。」
ここで中野氏が「30年前は外注が主流だった。論客がみんな外注せよと言った。役所でも大阪府はIT関係の職種を採用していたが、それは効率が悪いからやめてしまえと言っていた。この議論が今はアメリカが成功して逆になった。急に自前のITエンジニアを持てと経産省が言い出した。竹中先生もそうじゃないですか!」と切り込んだが言われた竹中氏は「違う違う。全然違う」と飄々とかわした。
様々な意見が出たが、デジタル化が進まないポイントがいくつか見えてきた。あなたの周囲はどうだろう。みんなが少しずつ変えていけば、やがては全体が変わるはず。できることをやっていければと思う。

【文:境 治】
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