『マッチングアプリ』はこのままで良いのか?悪いのか?性善説と性悪説、2つの見方で考える!
2022.08.03
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『人間の本質は善である』と考える性善説と、『人間の本性は悪である』と唱える性悪説。社会を考える上で、どちらの主張に立つかで意見は変わってくるだろう。7月31日放送の『そこまで言って委員会NP』では性善説に基づいて運用される無人販売所、コロナウイルスの感染対策、詐欺事件が続々明るみに出た持続化給付金について、今のままでいいのか徹底討論した。この回は番組の前議長・辛坊治郎氏が論客として参加。一方、現議長・黒木千晶アナは中国の儒家であり、性善説を唱えた孟子と性悪説を主張した荀子を、孟子(もうこ)と荀子(じゅんこ)として一人二役、コスプレで演じ、何やら怪しいムードが立ち込めた。
盛り上がったのが最後のテーマ、マッチングアプリ。スマホを通じて気軽に異性と出会えるアプリを通じて、実際に結ばれたカップルも数多い。しかし一方、悪意を持って近づく人物による様々な事件や、ロマンス詐欺といった卑劣な犯罪の温床となりうるとの指摘もある。このまま性善説に基づいて運用することは良いのか、良くないのか。論客たちの意見は真二つに分かれ白熱した。
竹田恒泰氏(作家)は「良い。匿名だと思うやつはバカ」と回答。
「使っている人は匿名で使えていると思っているが、実際は匿名ではない。そう思っているやつはバカだ。出会い系サイト規制法にのっとって、使用には本人確認が必要になっている。犯罪を起こしてもすぐに特定されるという点では、昔より犯罪しにくくなっている気がする。」
とはいえマッチングアプリなどを原因とした犯罪が今も絶えないのも事実。丸田佳奈氏(医師)は「良くない。悪人と簡単につながりうる」と主張。
「出会い系サイトやマッチングアプリで犯罪に遭うのは、女子中高生が圧倒的に多い。普段のインターネット以外の生活では、犯罪者と接触する機会はなかなかない。しかしSNSでは、社会経験も圧倒的に違う相手、そしてプロの悪人と簡単に繋がってしまう。特に若い女の子は、そういう悪人がたくさんいて、相手はプロだから自分は絶対騙されるかも、と思うぐらいの気持ちで使わなければいけない。SNSだけは性善説ではダメだと思う。」と警鐘を鳴らす。
黒木アナが「マッチングアプリで純粋に出会って付き合い、結婚している友達もいる。」と言うと丸田氏は「対等な立場でのやりとりならいいだろう。お互い真剣に結婚相手を求めているとか、お互い同じぐらいの年齢、ということが明確だとか。」と補足した。
山口もえ氏(タレント)は「良い。時代には時代にあった出会いがある。」
「個人的には娘がSNSで出会いたいと言ったら『絶対ダメ』と言うと思うが…。しかしホントに今の若者は恋愛をしないらしい。昔は出会いを求めて集団でハイキングに行った時代もあるのに。」
黒木アナは「ハイキング?」とピンと来ない様子。
辛坊氏が「合ハイというやつだ。」と教えるのだが「知らないです。」と驚いている。
「合ハイ合コン・・・合コンは知っているよね?」と辛坊氏が聞くと「合コンは知っていますけど・・・」ちなみに合同ハイキング(=合ハイ)は、1960年代から70年代頃の若者たちによって盛んに行われていたという。
すると古舘伊知郎氏(フリーアナウンサー)が畳みかけるように「合ハイ、合コン、合同結婚式。」ときわどいネタをかまし、「それは違う(笑)」とツッコミが入った。
「良い。マッチングアプリで人類が一つになる日を夢見ている。」と壮大な回答をした辛坊氏がここで長々と持論を語る。
「これだけ出会いがなくなっている世の中では出会いのきっかけが生まれるのはとても大切。これを禁止してしまうと、日本は人口減少で滅びると思う。もちろん騙されて、ひどい目に合う人や、詐欺で金を取られる人もいる。だが大きな歴史的な流れで見ると、もう止められないし、必要だ。どのくらい必要かというと、この本と同じぐらい。」と自著『風のことは風に問え―太平洋往復横断記』(扶桑社)を見せ、番組秘書・野村明大アナに「大して必要じゃないじゃないですか。」と言われてしまうが、まったくめげずに自説を続ける。
「今後地球上では人種・民族が混合し、言語も共通化していく、そしてそれには数千年ほどかかるだろう、というのが私の基本的な考え方だが、このマッチングアプリが急激に普及すれば、数百年で人種が混合し、国家間の壁がなくなり、人類が1つになるかもしれない!そのために私もマッチングアプリでちょっと協力なんかしてみちゃったり…なんかして。」と熱く語るが、黒木アナは即座に「それ、辛坊さんがマッチングしたいだけでしょ。」と全力で突っ込み。
壮大な人類のための話が一気に個人の欲望の話になってしまった。
マッチングアプリに年配層は違和感を持ってしまうが、若い世代にとっては肌身離さず使うスマホで異性と出会うのは自然なことなのだろう。良い出会いが見つかるのなら、ツールは何でもいいのかもしれない。よく注意するように言っておくことは必要だと思うが。
【文:境治】
盛り上がったのが最後のテーマ、マッチングアプリ。スマホを通じて気軽に異性と出会えるアプリを通じて、実際に結ばれたカップルも数多い。しかし一方、悪意を持って近づく人物による様々な事件や、ロマンス詐欺といった卑劣な犯罪の温床となりうるとの指摘もある。このまま性善説に基づいて運用することは良いのか、良くないのか。論客たちの意見は真二つに分かれ白熱した。
竹田恒泰氏(作家)は「良い。匿名だと思うやつはバカ」と回答。
「使っている人は匿名で使えていると思っているが、実際は匿名ではない。そう思っているやつはバカだ。出会い系サイト規制法にのっとって、使用には本人確認が必要になっている。犯罪を起こしてもすぐに特定されるという点では、昔より犯罪しにくくなっている気がする。」
とはいえマッチングアプリなどを原因とした犯罪が今も絶えないのも事実。丸田佳奈氏(医師)は「良くない。悪人と簡単につながりうる」と主張。
「出会い系サイトやマッチングアプリで犯罪に遭うのは、女子中高生が圧倒的に多い。普段のインターネット以外の生活では、犯罪者と接触する機会はなかなかない。しかしSNSでは、社会経験も圧倒的に違う相手、そしてプロの悪人と簡単に繋がってしまう。特に若い女の子は、そういう悪人がたくさんいて、相手はプロだから自分は絶対騙されるかも、と思うぐらいの気持ちで使わなければいけない。SNSだけは性善説ではダメだと思う。」と警鐘を鳴らす。
黒木アナが「マッチングアプリで純粋に出会って付き合い、結婚している友達もいる。」と言うと丸田氏は「対等な立場でのやりとりならいいだろう。お互い真剣に結婚相手を求めているとか、お互い同じぐらいの年齢、ということが明確だとか。」と補足した。
山口もえ氏(タレント)は「良い。時代には時代にあった出会いがある。」
「個人的には娘がSNSで出会いたいと言ったら『絶対ダメ』と言うと思うが…。しかしホントに今の若者は恋愛をしないらしい。昔は出会いを求めて集団でハイキングに行った時代もあるのに。」
黒木アナは「ハイキング?」とピンと来ない様子。
辛坊氏が「合ハイというやつだ。」と教えるのだが「知らないです。」と驚いている。
「合ハイ合コン・・・合コンは知っているよね?」と辛坊氏が聞くと「合コンは知っていますけど・・・」ちなみに合同ハイキング(=合ハイ)は、1960年代から70年代頃の若者たちによって盛んに行われていたという。
すると古舘伊知郎氏(フリーアナウンサー)が畳みかけるように「合ハイ、合コン、合同結婚式。」ときわどいネタをかまし、「それは違う(笑)」とツッコミが入った。
「良い。マッチングアプリで人類が一つになる日を夢見ている。」と壮大な回答をした辛坊氏がここで長々と持論を語る。
「これだけ出会いがなくなっている世の中では出会いのきっかけが生まれるのはとても大切。これを禁止してしまうと、日本は人口減少で滅びると思う。もちろん騙されて、ひどい目に合う人や、詐欺で金を取られる人もいる。だが大きな歴史的な流れで見ると、もう止められないし、必要だ。どのくらい必要かというと、この本と同じぐらい。」と自著『風のことは風に問え―太平洋往復横断記』(扶桑社)を見せ、番組秘書・野村明大アナに「大して必要じゃないじゃないですか。」と言われてしまうが、まったくめげずに自説を続ける。
「今後地球上では人種・民族が混合し、言語も共通化していく、そしてそれには数千年ほどかかるだろう、というのが私の基本的な考え方だが、このマッチングアプリが急激に普及すれば、数百年で人種が混合し、国家間の壁がなくなり、人類が1つになるかもしれない!そのために私もマッチングアプリでちょっと協力なんかしてみちゃったり…なんかして。」と熱く語るが、黒木アナは即座に「それ、辛坊さんがマッチングしたいだけでしょ。」と全力で突っ込み。
壮大な人類のための話が一気に個人の欲望の話になってしまった。
マッチングアプリに年配層は違和感を持ってしまうが、若い世代にとっては肌身離さず使うスマホで異性と出会うのは自然なことなのだろう。良い出会いが見つかるのなら、ツールは何でもいいのかもしれない。よく注意するように言っておくことは必要だと思うが。
【文:境治】
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