【“10月以降の天候予想”解説】秋の歩みはゆっくりで冬は厳冬に

2022.09.22

【“10月以降の天候予想”解説】秋の歩みはゆっくりで冬は厳冬に
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10月以降の天候予想が気象庁から発表され、
私が出演している『情報ライブミヤネ屋』、『かんさい情報ネットten.』でも解説したのですが、
テレビでは時間がなくて伝えきれていない部分もありましたので、
テレビをご覧になれなかった方も、ご覧頂いた方もぜひ読み進めていただければと思います。

週間予報より先の天候予想は、ちょっと予測計算のやり方が変わって、
平年と比べて、低い確率が何%で高い確率が何%かで予想を発表します。

まず、全国の予想を見てみると、
10月は、全国的に平年よりも高くなる確率は50%で低くなる確率は20%。
秋の歩みはゆっくりになりそうです。10月もまだ台風シーズンです。

油断はできません。

11月は、バラツキがありますが、だいたい平年並みになるのではと予想しています。
となると、11月は急に冷え込むタイミングがありそうです。
12月は、一転して平年より低い確率が40%で高い確率は20~30%です。
12月は順調に冬がきて、寒さが厳しいでしょう。

1月・2月も12月と傾向は同じで、厳冬の予想です。
電力需給の切迫が懸念されています。
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12月~2月の降雪量の予想は、北海道から山陰までの日本海側で平年より多い確率が40%、平年並みが30%となっていますので、雪の降る量も多い予想です。
昨シーズンに引き続き、ラニーニャ現象の影響で大雪・厳冬傾向です。
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ラニーニャ現象で冬が寒いとは、どういう仕組みなのか。
ざっくりと説明。
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ラニーニャ現象とは、太平洋赤道付近の海面水温が西側(フィリピン側)で高くなり、東側(南米側)で低くなる現象。それに伴って、雲の発生エリアが変わり、中緯度(ヨーロッパ~日本~アメリカ)の上空を流れる偏西風の蛇行が、平常よりも変わったり、蛇行が大きくなる現象です。日本付近では、偏西風が北から南へ蛇行しやすくなり、大陸からの寒波がやってきやすい状況になることです。

~地球温暖化しているのに、冬は大雪・厳冬ってどういうこと?~

地球温暖化しているのに、冬が寒くなると混乱する方がいます。

地球温暖化は、地球全体で100年スケールで気温が急上昇していることです。
その理由の一つには、人為的な影響があることは疑う余地はないという所まで最新の科学では言われています。
一方、ラニーニャ現象は、地球本来がもつ自然変動で1~2年規模で起きるものです。

地球の気温が、毎年毎年上がり続けるかというと、そうではなく、横ばいの時期もあれば少し下がる時期もあります。ただ、全体的に見れば右肩上がりの傾向です。
冬に日本付近に寒波がきても、他の地域ではそうでないこともあり、「日本が寒いからと言って地球温暖化は起きていない」ことにはなりません。反対の南半球のオーストラリアでは夏で記録的な猛暑に見舞われることもあります。昨シーズンはまさにそうでした。そうなると、地球全体で見た時に、やはり気温は右肩上がりになっているのです。

人為的な地球温暖化と地球本来がもつラニーニャ現象やエルニーニョ現象と、どっちが影響が強いかというと、短期的に見れば後者です。

なので令和4年度の次の冬も、令和2年度、3年度に引き続きラニーニャ現象によって、大雪・厳冬予想です。
令和2,3年度の冬は、北陸を中心にドカ雪が降り、交通障害がありました。
気象条件によっては、そういうこともあり得ます。

まずは今回、第一報目の冬の予想として、心構えをしておいていただきたいと思います。より具体的な月ごとの予想は、毎月第4週に発表され更新されますので、そちらを確認して備えを進めるかどうかを検討していただければと思います。
プロフィール
蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)
気象予報士・防災士。健康気象アドバイザーと熱中症対策アドバイザーの資格を持つ。
1982年兵庫県明石市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年読売テレビ気象キャスター就任。 現在、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」「かんさい情報ネットten.」「ウェークアップ」にレギュラー出演中。読売新聞(全国版)で連載記事「空を見上げて」を執筆。
著書 「クレヨン天気ずかん」(2016年主婦と生活社)
「空がおしえてくれること」(2019年 幻冬舎)
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