YouTubeはオワコンなのか?そもそもお金を稼ぐための場所なのか?
2023.03.26
「引き際」は難しい問題だ。続けてきたことを、「止めるべきでは」と批判が高まっり仕方なく止めようとすると、今度は逆に「止めるな」と批判が出る。いつ幕を引くべきなのか、そのタイミングや決断は難しい問題だ。3月19日放送の「そこまで言って委員会NP」は、「幕を引くべきか?引かざるべきか?それが問題だ!」と題して「水際対策」「MSJ(日本の国産旅客機・三菱スペースジェット)の撤退」「街の浄化」などの引き際を議論した。中でも面白かったのがYouTubeの引き際。YouTuberも最近は収入が激減する人が多く、“オワコン”(終わったコンテンツの略)ではないか、との声も出ている。「YouTubeは幕を引くべきか」の問いかけに、論客たちがそれぞれ回答した。
まず番組議長・黒木千晶アナが「竹中さん、オワコンって意味わかりますか?」と竹中平蔵氏(慶應義塾大学 名誉教授)に聞いたが、竹中氏は「わかっています。それがわからないと本当にオワコンですね。」と冷静に返した。
一方、最近YouTubeチャンネルを開設したばかりだという鳥海高太朗氏(航空・旅行アナリスト)は「幕引きは困る」と回答。
「『鳥チャンネル』を12月に開設してやっと登録者数3800人ぐらい。RaMuさんはすごいと思う。どうやって登録者数をあれほど増やしてきたのか。」
黒木アナがすかさずRaMu氏に「今、チャンネルの登録者数は何人ですか?」と聞くと「30万人ぐらいです」と答え、一同「おおー!」と拍手。
だがRaMu氏(タレント)は今のYouTubeの深刻な状況を語る。
「いや、今は登録者数30万人でもすごくないという世界になってしまっている。だからオワコンと言われるのではないか。チャンネルの登録が50万人、100万人に達して、やっとすごいねと言われる世界になってきた。」
山口真由氏(信州大学 特任教授)が問いかける。
「なぜテレビが見られなくなったのか、YouTubeをやっている人たちに聞きたい。この番組だって、ディレクターや放送作家たちがネタを一生懸命調べてきて制作している。番組の質は決して 悪くないはず。今のテレビは、規制が多すぎてつまらなくなったと言われるが、この番組は規制のギリギリのところまで考えてやっている。テレビはどうすれば、もう1度咲けるのだろうか。」
竹田恒泰氏(作家)が逆のことを言う。
「いや、逆にYouTubeの方が、今や規制が強い。この番組では放送で言えている話を、YouTubeでは言えない、ということも結構ある。」
RaMu氏がこれに反応。
「例えば、男性の乳首が見える動画は消されてしまう」と叫ぶ。なるぼど、これは初耳だ。竹田氏が続ける。
「新型コロナワクチンの効果に疑問を呈する表現については、YouTube上ではほとんどアウト。この内容について、地上波ではやっている。」
須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)はビジネスとして優れていると主張。
「YouTubeは相当、画期的なビジネスモデルだと思う。一般の人が情報発信をして対価を得る、このシステムがYouTubeの凄さ。これに代わるシステムが出てこない限り、まだまだ続いていくのではないか。今後、YouTuberの収益性自体は下がっていくと思うが。」
ここでRaMu氏が表現者としてピュアに訴える。
「お金が稼げるからYouTuberになろう、ということ自体がおかしくて、 自分を表現して、そこから何かに繋げる、そのための場所がYouTube。YouTubeでお金を稼ごうなんて、子供たちは思わないでください。」
竹中氏が賛同して言う。
「YouTubeで稼ぐなんて、RaMuさんがおっしゃったように、私はすごく変な気がしている。YouTubeは自分の表現をする場所だと思う。YouTubeは供給量無限大の世界。1分間に数百時間の動画が世界中でアップされている。そんな状況の中で、1000万円も2000万円も稼げることが、続くことはあり得ない。」
須田氏がニヤニヤしながらチャチャを入れる。
「なんで竹中さんが批判的か知っている?コメント欄の9割以上が批判だから。」
竹中氏は平然と切り返す。
「その通りで、最初は9割ぐらい批判だった。今は9割いいねになった。」
ここで黒木アナが竹中氏に質問。
「『平チャンネル(竹中氏のYouTubeチャンネル)』は今登録者数何人くらいですか?」
竹中氏が「数万人だと思う。大したことはない。」と答えると、
黒木アナは「収録前に見ましたけど、最近は再生回数1万行ってない動画が多いですね。」といたずらっぽく言う。
竹中氏は「そうかもしれませんね。」と苦笑い。
一同爆笑。黒木アナがフォローし「いや、もうちょっと頑張ったらいいんじゃないかなって思います。」と励ましたが、竹中氏の笑顔は少し力が無かった。
RaMu氏が説明したように、お金を稼ぐことが目的ではなく、自己表現の場としてYouTubeを使うことが大切なのではないか。そうすればTouTubeの表現や創作、個性はもしかしたら、次の何かに繋がるかもしれない。そんな可能性はまだ失われていないと感じる。
【文:境治】
まず番組議長・黒木千晶アナが「竹中さん、オワコンって意味わかりますか?」と竹中平蔵氏(慶應義塾大学 名誉教授)に聞いたが、竹中氏は「わかっています。それがわからないと本当にオワコンですね。」と冷静に返した。
一方、最近YouTubeチャンネルを開設したばかりだという鳥海高太朗氏(航空・旅行アナリスト)は「幕引きは困る」と回答。
「『鳥チャンネル』を12月に開設してやっと登録者数3800人ぐらい。RaMuさんはすごいと思う。どうやって登録者数をあれほど増やしてきたのか。」
黒木アナがすかさずRaMu氏に「今、チャンネルの登録者数は何人ですか?」と聞くと「30万人ぐらいです」と答え、一同「おおー!」と拍手。
だがRaMu氏(タレント)は今のYouTubeの深刻な状況を語る。
「いや、今は登録者数30万人でもすごくないという世界になってしまっている。だからオワコンと言われるのではないか。チャンネルの登録が50万人、100万人に達して、やっとすごいねと言われる世界になってきた。」
山口真由氏(信州大学 特任教授)が問いかける。
「なぜテレビが見られなくなったのか、YouTubeをやっている人たちに聞きたい。この番組だって、ディレクターや放送作家たちがネタを一生懸命調べてきて制作している。番組の質は決して 悪くないはず。今のテレビは、規制が多すぎてつまらなくなったと言われるが、この番組は規制のギリギリのところまで考えてやっている。テレビはどうすれば、もう1度咲けるのだろうか。」
竹田恒泰氏(作家)が逆のことを言う。
「いや、逆にYouTubeの方が、今や規制が強い。この番組では放送で言えている話を、YouTubeでは言えない、ということも結構ある。」
RaMu氏がこれに反応。
「例えば、男性の乳首が見える動画は消されてしまう」と叫ぶ。なるぼど、これは初耳だ。竹田氏が続ける。
「新型コロナワクチンの効果に疑問を呈する表現については、YouTube上ではほとんどアウト。この内容について、地上波ではやっている。」
須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)はビジネスとして優れていると主張。
「YouTubeは相当、画期的なビジネスモデルだと思う。一般の人が情報発信をして対価を得る、このシステムがYouTubeの凄さ。これに代わるシステムが出てこない限り、まだまだ続いていくのではないか。今後、YouTuberの収益性自体は下がっていくと思うが。」
ここでRaMu氏が表現者としてピュアに訴える。
「お金が稼げるからYouTuberになろう、ということ自体がおかしくて、 自分を表現して、そこから何かに繋げる、そのための場所がYouTube。YouTubeでお金を稼ごうなんて、子供たちは思わないでください。」
竹中氏が賛同して言う。
「YouTubeで稼ぐなんて、RaMuさんがおっしゃったように、私はすごく変な気がしている。YouTubeは自分の表現をする場所だと思う。YouTubeは供給量無限大の世界。1分間に数百時間の動画が世界中でアップされている。そんな状況の中で、1000万円も2000万円も稼げることが、続くことはあり得ない。」
須田氏がニヤニヤしながらチャチャを入れる。
「なんで竹中さんが批判的か知っている?コメント欄の9割以上が批判だから。」
竹中氏は平然と切り返す。
「その通りで、最初は9割ぐらい批判だった。今は9割いいねになった。」
ここで黒木アナが竹中氏に質問。
「『平チャンネル(竹中氏のYouTubeチャンネル)』は今登録者数何人くらいですか?」
竹中氏が「数万人だと思う。大したことはない。」と答えると、
黒木アナは「収録前に見ましたけど、最近は再生回数1万行ってない動画が多いですね。」といたずらっぽく言う。
竹中氏は「そうかもしれませんね。」と苦笑い。
一同爆笑。黒木アナがフォローし「いや、もうちょっと頑張ったらいいんじゃないかなって思います。」と励ましたが、竹中氏の笑顔は少し力が無かった。
RaMu氏が説明したように、お金を稼ぐことが目的ではなく、自己表現の場としてYouTubeを使うことが大切なのではないか。そうすればTouTubeの表現や創作、個性はもしかしたら、次の何かに繋がるかもしれない。そんな可能性はまだ失われていないと感じる。
【文:境治】
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