日本の不寛容、徹底検証SP!女性の社会進出はクオータ制で解決するしかない?

2021.11.26

日本の不寛容、徹底検証SP!女性の社会進出はクオータ制で解決するしかない?
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「ジェンダー平等」が叫ばれるようになって久しい。最近何かと取り沙汰されるSDGsでも5番目に挙がっている項目だ。しかし日本では女性の社会進出は一向に進んでおらず、先日の衆議院選挙でも、女性議員の比率は逆に下がってしまった。

11月21日放送の「そこまで言って委員会NP」では「日本の不寛容、徹底検証SP」と題して様々な不寛容を議論したが、まず最初に「女性の社会進出、一番の問題点は?」と論客たちに質問した。

田嶋陽子氏が本領発揮とばかりに滔々と意見を述べた。
「日本の経済発展は性別役割分業があったから。男は社会に出て働く、それを背後でサポートしたのは女性。男性は給料をもらい家族を養う。女性はただ働きで年金も少ない。女性は一旦専業主婦になると、自分の自由な人生設計はできない。女性をきちんと自立した1人の人間として扱う法律が何にもない。女性の給料は男性の六、七割しかないし、フルタイムの仕事がない。政府がきちんとその気にならないといつまでもダラダラだ。」

元文春記者・中村竜太郎氏は「クオータ制導入」を主張する。
「例えば男尊女卑の強かった台湾。本当に男の方が強い社会だった。クオータ制を導入したことによって、女性の国会議員の割合が4割に増えた。それによって蔡総統やオードリー・タン氏が出てきて、未来的な政策を打ち出している。」
そこに須田慎一郎氏がからむ。「クオータ制には大賛成。フランスでも女性議員の比率が1割から4割に増えた。ただ当初フランスの最高裁はクオータ制を否定した。憲法にある平等に違反してるから。それでフランスは憲法改正している。国会議員に対するアクセス権の平等を立ててクオータ制を導入した。日本でも憲法17条が大きく立ちはだかるのではないか。」だから憲法改正も議論すべきと言っていたら、竹田恒泰氏が「だからやっちゃいけない」とまぜっかえしてきた。
「クオータ制は結果平等。下駄を履かせて本来なら落選した人を当選させる。弊害も起きる。アメリカでは大学の医学部入学で黒人に下駄を履かせるクオータ制をやって、問題になった。その州ではお医者さんが黒人だと白人に変えてくれという患者さんが増えてしまった。つまり黒人の医師は質が悪いと見られてしまい、黒人の地位が逆に下がった。」
すかさず田嶋氏が反論。「それはアメリカの例だがノルウェーやスウェーデンなど北欧諸国、あるいはアフリカの諸国ではクオータ制を取り入れたことですごく女性の地位が上がった。」

そこに山口真由氏が独自の意見で参戦。
「女性議員を増やす理由として、母親目線で弱者に寄り添う視点がある、というのが挙がる。ジェンダーステレオタイプを打破すると言いながら、むしろそれを強化している。」
元フジテレビアナウンサー・笠井信輔氏は政界より会社の問題だと主張。
「安倍さんが女性活躍推進法を作ったが、罰則がないからほとんど効果がなかった。働き方改革で一番効いたのは罰則をつけ、ブラック企業を厚生労働省のホームページに出したりしたこと。そういう法律を作らなきゃ駄目だと思う。」
どの意見も大事だが、論点が多すぎてだんだんわからなくなってきた。
最後に、今回初出演の映画監督・行定勲氏に感想を聞くと、「今のお話聞いてると、映画のテーマになりますね。」と言う。
それで論客たちが有頂天になり「田嶋さんを主役で」「じゃあ私も出たーい」と女性陣がすっかりその気に。行定氏がさらに「映画は結論を出すのではなく、観客に考えさせるきっかけを与える・・・」とまとめていると須田氏が「なんか一番かっこいい役どころだね」とやっかむ。
田嶋氏が最後に「まだこんな議論してるのは日本だけ。」と嘆くと山口氏が「私たち女優になるんだから機嫌直して!」といつまでもはしゃいでいた。

ジェンダー平等は日本が解決できていない、重要課題の一つだろう。女性の社会進出がなぜ進まないのか、あなたもあらためて考えてみてはどうだろう。

【文:境 治】
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