「♪はじめました〜」と歌っちゃう!でもコメントはさすが!新たな論客、岩田明子氏に注目せよ
2023.04.07
リンク
何かと“始まる”4月が来た。4月2日放送の「そこまで言って委員会NP」ではVTRパートにお笑い芸人・AMEMIYAが登場。彼の持ちネタ「冷やし中華はじめました」を起点にし、こども家庭庁の創設、自転車のヘルメット着用努力義務化など、様々な「はじまり」について議論した。そして今回は、元NHK解説委員でジャーナリストの岩田明子氏が番組に初出演!コメンテーターとしてのさすがの実力と、ちょっとオチャメな一面も見せてくれた。この番組を見て、彼女を評価する人も多そうだ。
最初に、番組議長・黒木千晶アナが「当委員会初登場!ジャーナリストで、元NHK解説委員の岩田明子さんです!」と紹介すると、岩田氏は「めちゃくちゃ緊張してますよ、こんな硬派な番組。」と本当に緊張している様子。
常連の論客たちが「硬派ではありませんよ。」「間違えてる。」と和らげる。
そして黒木千晶アナが政治家取材のテクを質問。
「岩田さんといえば、お亡くなりになった安倍晋三元総理に、かなり食い込んでいました。どういう風にして、安倍さんと近くなられたのでしょう。」
岩田氏は安倍元総理をこう語る。
「最初は本当にとっつきにくい人でした。ツンツンしているというか。それから、政策通ならではの、ちょっととんがった部分もありまして。私は、記者として最初の方は安全保障や社会保障に関して詳しくなかったので、なかなか取りつく島がなくて。」
ここで須田慎一郎氏がさらに聞く。
「岩田さんは『安倍さんの精神安定剤』とこの世界では言われていました。よく、夜にも電話がかかってきたそうですが、どんな話を?」
岩田氏が意外なエピソードを披露する。
「だんだん距離が近づいてきてからは、政治の話がもっぱらでした。けれども、最後の方は『無呼吸症候群になってCPAP(持続陽圧呼吸装置)使うんだけど、岩田さんも確か使ってるよね。すごく音がうるさいんだけど、どうしてる?』とか。 『(装置に入れる)水はミネラルウォーター使っていいの?』とか。いや、これは精密機械だから精製水をちゃんと使ってくださいと言ったら、『なんだよ』と言って電話切られて。」
黒木アナは「友達みたいな感じですね。」と言いつつ、
「民放にこれから馴染まれて行くと思うので、せっかくだからちょっとオチャメな部分を見たいなと思って・・・」と提案。AMEMIYAの「冷やし中華〜はじめました〜」の節で
「♪民放出演〜はじめました〜」と自ら歌い出し、「やっていただいてもいいですか?」
とむちゃブリする。
断るかと思いきや、岩田氏も落ち着いて応じる。
「結構身体張ってますね。ギターはないのでアカペラで。『♪読売テレビ〜はじめました〜』」と堂々と歌った。
古舘伊知郎氏が「なんで楽屋で嫌だって言わなかったんですか」と突っ込んで一同爆笑。
お茶目な面を見せた岩田氏だが、さすがのコメンテーターぶりには感心させられた。
「こども家庭庁の発足で、日本の少子化は解消されると思いますか」との質問に岩田氏は「縦割り行政の打破という意味での組織いじりでしかない」と回答。少子化を食い止めるためには保育サービスの充実が急務だが、あまり期待できないという。
「そもそも縦割行政打破を目的で作ったけれども、厚労省が保育所を、文科省が幼稚園を所管するという区分は、解消できていない。さらに、既婚者数を見ると非正規労働者の30代の男性は2割しか結婚していない一方で、正規労働者の男性30代は6割が結婚している。賃金格差が『結婚できる、できない』に直結しているということだ。こういった問題を解決していかないと、なかなか結果に結びつかないと思う。」
また、黒木アナにアベノミクスについて聞かれると
「金融緩和は一定の効果があったとは思うが、アベノミクスで足りなかった部分は、企業の新陳代謝ができなかったこと。輸出が改善されたので、本来ならもう競争力がなくなっているはずの大企業の息を吹き返すことになって、 競争力のあるベンチャーの新陳代謝を促すことができなかった。」と、意外にアベノミクスを手放しで礼賛するという感じではなかった。
そして日銀新総裁に植田和男氏が就任したことに関しては、
「実にうまい人事。みんな雨宮正佳氏(副総裁)だと思っていた。推測だが、雨宮さんは黒田東彦総裁の下で政策を執行してきた。日銀プロパーの人たちは中曽宏(前副総裁)さん推しだったので、日銀マンとしての哲学で身を引かれたのかなと想像した。優先順位が高めだった人が辞退をしてしまって、リストの下の方にいた植田さんが上がってきた。ただ、『新総裁は政策転換するんじゃないか』と市場がすごく心配していた中で、国会で早々に現状維持とおっしゃいましたし、 過去にもあの速水優総裁時代(1998年3月~2003年3月)に、ゼロ金利政策をやめることにも反対している。市場に安堵感が広がって、絶妙のトロイカ体制だ。」と、氷見野良二副総裁、内田眞一副総裁との新体制を評価した。
これに古舘氏が「完全にNHKの『ニュース7』を見てる気がする。」と感心し一同爆笑した。
岩田氏については、安倍元総理の番記者として様々な見方がされてきたが、NHKを離れた彼女は実に知見豊かな優れたコメンテーターだった。世の中の見方も少しずつ変わり評価も高まるように思えた。
ところで番組政策秘書の野村明大アナは岩田氏とは東京大学の同年の卒業生。番組終了後にこんな打ち解けたトークもしているのでそちらもご覧いただきたい。
最初に、番組議長・黒木千晶アナが「当委員会初登場!ジャーナリストで、元NHK解説委員の岩田明子さんです!」と紹介すると、岩田氏は「めちゃくちゃ緊張してますよ、こんな硬派な番組。」と本当に緊張している様子。
常連の論客たちが「硬派ではありませんよ。」「間違えてる。」と和らげる。
そして黒木千晶アナが政治家取材のテクを質問。
「岩田さんといえば、お亡くなりになった安倍晋三元総理に、かなり食い込んでいました。どういう風にして、安倍さんと近くなられたのでしょう。」
岩田氏は安倍元総理をこう語る。
「最初は本当にとっつきにくい人でした。ツンツンしているというか。それから、政策通ならではの、ちょっととんがった部分もありまして。私は、記者として最初の方は安全保障や社会保障に関して詳しくなかったので、なかなか取りつく島がなくて。」
ここで須田慎一郎氏がさらに聞く。
「岩田さんは『安倍さんの精神安定剤』とこの世界では言われていました。よく、夜にも電話がかかってきたそうですが、どんな話を?」
岩田氏が意外なエピソードを披露する。
「だんだん距離が近づいてきてからは、政治の話がもっぱらでした。けれども、最後の方は『無呼吸症候群になってCPAP(持続陽圧呼吸装置)使うんだけど、岩田さんも確か使ってるよね。すごく音がうるさいんだけど、どうしてる?』とか。 『(装置に入れる)水はミネラルウォーター使っていいの?』とか。いや、これは精密機械だから精製水をちゃんと使ってくださいと言ったら、『なんだよ』と言って電話切られて。」
黒木アナは「友達みたいな感じですね。」と言いつつ、
「民放にこれから馴染まれて行くと思うので、せっかくだからちょっとオチャメな部分を見たいなと思って・・・」と提案。AMEMIYAの「冷やし中華〜はじめました〜」の節で
「♪民放出演〜はじめました〜」と自ら歌い出し、「やっていただいてもいいですか?」
とむちゃブリする。
断るかと思いきや、岩田氏も落ち着いて応じる。
「結構身体張ってますね。ギターはないのでアカペラで。『♪読売テレビ〜はじめました〜』」と堂々と歌った。
古舘伊知郎氏が「なんで楽屋で嫌だって言わなかったんですか」と突っ込んで一同爆笑。
お茶目な面を見せた岩田氏だが、さすがのコメンテーターぶりには感心させられた。
「こども家庭庁の発足で、日本の少子化は解消されると思いますか」との質問に岩田氏は「縦割り行政の打破という意味での組織いじりでしかない」と回答。少子化を食い止めるためには保育サービスの充実が急務だが、あまり期待できないという。
「そもそも縦割行政打破を目的で作ったけれども、厚労省が保育所を、文科省が幼稚園を所管するという区分は、解消できていない。さらに、既婚者数を見ると非正規労働者の30代の男性は2割しか結婚していない一方で、正規労働者の男性30代は6割が結婚している。賃金格差が『結婚できる、できない』に直結しているということだ。こういった問題を解決していかないと、なかなか結果に結びつかないと思う。」
また、黒木アナにアベノミクスについて聞かれると
「金融緩和は一定の効果があったとは思うが、アベノミクスで足りなかった部分は、企業の新陳代謝ができなかったこと。輸出が改善されたので、本来ならもう競争力がなくなっているはずの大企業の息を吹き返すことになって、 競争力のあるベンチャーの新陳代謝を促すことができなかった。」と、意外にアベノミクスを手放しで礼賛するという感じではなかった。
そして日銀新総裁に植田和男氏が就任したことに関しては、
「実にうまい人事。みんな雨宮正佳氏(副総裁)だと思っていた。推測だが、雨宮さんは黒田東彦総裁の下で政策を執行してきた。日銀プロパーの人たちは中曽宏(前副総裁)さん推しだったので、日銀マンとしての哲学で身を引かれたのかなと想像した。優先順位が高めだった人が辞退をしてしまって、リストの下の方にいた植田さんが上がってきた。ただ、『新総裁は政策転換するんじゃないか』と市場がすごく心配していた中で、国会で早々に現状維持とおっしゃいましたし、 過去にもあの速水優総裁時代(1998年3月~2003年3月)に、ゼロ金利政策をやめることにも反対している。市場に安堵感が広がって、絶妙のトロイカ体制だ。」と、氷見野良二副総裁、内田眞一副総裁との新体制を評価した。
これに古舘氏が「完全にNHKの『ニュース7』を見てる気がする。」と感心し一同爆笑した。
岩田氏については、安倍元総理の番記者として様々な見方がされてきたが、NHKを離れた彼女は実に知見豊かな優れたコメンテーターだった。世の中の見方も少しずつ変わり評価も高まるように思えた。
ところで番組政策秘書の野村明大アナは岩田氏とは東京大学の同年の卒業生。番組終了後にこんな打ち解けたトークもしているのでそちらもご覧いただきたい。
岩田明子◯◯はじめました(WEBでも言って委員会)【そこまで言って委員会NP|2023年4月2日配信】
via www.youtube.com
【文:境治】
リンク
この記事を共有する
関連記事一覧
【そこまで言って委員会】ネットに押されるテレビは、分水嶺でどうすべきだったか?
2023.06.28【そこまで言って委員会】野村明大が選んだ「本当にすごいと思う東大出身者は意外なあの人!
2023.06.20