え?しゃぶしゃぶはもともと羊肉だった?北海道熱愛グルメ、ラムしゃぶ

2017.08.18

8月17日放送の「秘密のケンミンSHOW」では北海道民の熱愛グルメ、ラムしゃぶが特集された。そう、その名の通りラム、つまり羊肉のしゃぶしゃぶだ。

他県民からすると、しゃぶしゃぶと言えば牛か豚。ラムしゃぶなんて聞いたことない人が多いだろう。だが北海道民に聞いてまわると口々に、「全然普通です」「しゃぶしゃぶ=ラムだと思ってた」「いちばん好きなのはラムしゃぶです」と当然のこととして証言する。

ラムしゃぶは牛や豚のしゃぶしゃぶとちょっと違う。なんと、ラムしゃぶの肉は凍った状態で大皿に出てくるのだ。ラム肉は傷むのが早く、また柔らかいので凍ったままでスライスするのだという。それを解凍せず、半冷凍の状態でそのまま鍋に入れる。薄くて柔らかいラム肉は瞬時に解凍され、すぐに食べられるのだ。

鍋に投入する際に、牛や豚は一枚ずつしゃぶしゃぶするが、ラムしゃぶでは4〜5枚をごっそり入れてしまう。最初に入れておいたもやしなどの野菜とともに薄い肉を食べる。

タレはポン酢はあまり使わず、ラムしゃぶ用の独自のタレを使う。酸味はほとんどなく、むしろ甘味が強いそうだ。ソラチというメーカーが有名で、北海道民は「ソラチしゃぶしゃぶのタレ!」というCMソングをみんな唄えるのだという。

それにしてもなぜ北海道ではラムしゃぶなのか。北海道の食文化に詳しい、料理研究家・星澤幸子さんによると、起源はどうやら中国らしい。北京近辺で食べられていたシュワンヤンロウという郷土料理がある。シュワン=湯にくぐらせる、ヤンロウ=羊肉という意味。つまりラムしゃぶのことだ。

このシュワンヤンロウが戦後、日本に伝わった際、本州ではラム肉が手に入りにくいので牛を使ってしゃぶしゃぶが生まれた。それが北海道に伝わると、ジンギスカンで羊肉を食べる文化があったので自然とラムしゃぶになったのではないか、とのことだ。牛肉料理になったしゃぶしゃぶが、北海道で元に戻って羊肉を使うようになったわけだ。これは知らなかった!しゃぶしゃぶは羊の方が本家だったとは!

スタジオでは、北海道民・伊吹吾郎がラムしゃぶの素晴らしさを力説!薄くスライスした羊肉がいかに柔らかでおいしいか。独特のタレがどれほど肉を引き立てるか。そしてシメはラーメンでなければならない!暑苦しいほどの熱弁に周りが少々引いてしまうほどだ。「止まらない」と呆れられたり久本雅美に「持ち時間あと1分ですよ〜」とからかわれてもたじろぐことなくしゃべり続ける。あまりのテンションに土田晃之が「この番組でこんなにしゃべる伊吹さん見たこと無い」と感心したほどだ。

次に北海道に行く機会があったら、ジンギスカンとは別にこのラムしゃぶを楽しんでみたいものだ。また首都圏の方は銀座にラムしゃぶの店があると伊吹吾郎が紹介していたので、訪れてみてもいいかもしれない。筆者も近々、ぜひ行ってみようと思う。
【文:境 治】
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