【テレビ×ソーシャルメディア対談】ショート動画がテレビを拡張させる未来!LINEヤフー浅野裕介さん(前編)

2024.07.12

【テレビ×ソーシャルメディア対談】ショート動画がテレビを拡張させる未来!LINEヤフー浅野裕介さん(前編)
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今や、すっかり定着したショート動画。それ自体が楽しいコンテンツであると同時に、視聴時間の長い映像コンテンツへ誘導する入口としての役割も果たしている。そんなショート動画が、テレビの可能性をさらに広げるのでは――と期待されているのだ。

そこで今回は、ショート動画が楽しめる動画プラットフォーム「LINE VOOM」のコンテンツ部門を統括する株式会社LINEヤフーの浅野裕介さんを迎えてメディア対談をお届けする。

インタビュアーは、『ダウンタウンDX』を20年以上演出してきた読売テレビの西田二郎。テレビの人がソーシャルメディアの人と語ると、どんな掛け算が生まれ、どんな楽しいメディアの未来が見えてくるのか?「西田二郎のメディアの旅」今回はソーシャルメディアとテレビの融合について語った。

【構成・鈴木しげき】

テレビの見逃し配信から始まった融合

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▲LINEヤフーの浅野裕介さん(左)と西田二郎(右)
西田 : テレビにとって「LINE VOOM」のようにショート動画が楽しめるプラットフォームはこれからめちゃめちゃ大切になってくると感じているんですね。浅野さんとは「LINE LIVE」が立ち上がったときからの付き合いですよね。

浅野 : そうですね。「LINE LIVE」は2016年から2023年までやっていたサービスで、個人などのいわゆる“ライバー”がリアルタイムで映像配信をしながら視聴者とコミュニケーションするライブ配信なんですけど、何回かサービスコンセプトが変わってるんですよ。1回目の大きな変更がタテ動画になったことです。

西田 : タテ動画って今や当たり前になってますが、当時、浅野さんからタテ動画の魅力をかなり早い段階で教えてもらいました。テレビマンの中でもそれを知ったのはかなり早かったのかなと思います。

浅野 : 2016年くらいですね。

西田 : 浅野さんは過去にヤフーのGYAO!にいたんですよね。細かく言うと、ヤフーさんの中にGYAO!という動画のポータルサービスがあって、浅野さんはその後GYAO!からLINEへ移るんですが、今度はLINEがLINEヤフーになって。

浅野 : はい、出戻りみたいな感じで(笑)。ちょうど2015年の12月末にGYAO!を辞めたんですけど、最後の仕事が日テレさんと見逃し配信をやったんです。

西田 : まだ「TVer」という感じでもなかった頃ですか? けど、見逃し配信という言葉はあったと。

浅野 : そうですね。日テレさんがまずはこの作品、この番組から提供しましょうって感じで、最初に自身のサイト配信と、さらにGYAO!のプラットフォームをお貸しするような形でリリースして、それが僕のGYAO時代の最後の仕事になるんです。

西田 : それを経てLINEへ移るわけですね。

ソーシャルメディアとテレビの可能性を探りたい

西田 : それでLINE LIVE×テレビみたいな可能性はあるのか?っていうのを一緒になって探ってた時期がありました。

浅野 : はい。

西田 : LINE LIVEで配信したノンスタイル井上くんやキングコング西野くんの映像をそのまま読売テレビで放送したこともあって。タテ動画ですから端っこの右と左を黒くして、字を入れて番組にしたんですよね。

浅野 : そうですね。

西田 : 実はあれ、テレビからすると画期的だったんです。タテ画面というのもそうなんですが、テレビってそもそも1次素材であるべきというのがあって、2次利用はいろんなところがやってますけど、その番組は、配信して30~50万人がもう見てる映像をテレビにしましょうっていう。1次と2次が入れ替わって、それってテレビの新たな可能性を探るという意味では画期的だったんですよ。

それと、テレビマンもその頃からタテのサイズをちょっと意識するっていうのがあって。じつは、1人の人がしゃべってる画はタテのほうがいいんですよね?

浅野 : やっぱり(存在が)近い感じがしますよね。

西田 : 何人かでしゃべるとなったらヨコのほうがいいかもしれませんけど、やっぱり1人でタテだとユーザーは配信者との距離を近く感じますね。

浅野 : スマホでビデオ通話してる感覚でしょうね。没入感と親近感。

西田 : その人のファンになりやすい?

浅野 : それはもう検証して数字で出てます。なので、それまでヨコでやってた番組を全部タテにしたんですよ。

西田 : そこから8年ほど経ちましたが、そのあたり、テレビマンはまだあまりわかってないんちゃいますかね? まだまだ可能性は開拓途中だと思いますよ。

時代はショート動画へ…LINE VOOMとテレビの可能性

浅野 : 今、世の中でショート動画やTikTokが急激に伸びてきている中で、LINEもヤフーも両方とも検索サービスで、エンターテイメントに力を入れていることからショート動画広告は大きなチャレンジ領域のひとつなんですね。(その流れを受けて)GYAO!の長尺サービスとライブ配信とショート動画の3つをまとめて、1つの動画プラットフォームとしてオールインで提供する形にリニューアルされたのが「LINE VOOM」です。やっぱり、1つに集約した方が面白いことはいっぱいできますから。

西田 : ちょっと説明すると、LINEを開けて、真ん中の「VOOM」ってところを押すだけでタテ動画が流れてくる。それがLINE VOOMですね。本格スタートになったのはいつでしたっけ?

浅野 : 2021年の秋ですかね。

西田 : ではLINE VOOMになってからテレビとの関わりは?

浅野 : LINE VOOMにはライブ配信ができる「LINE VOOM LIVE」がありますから、そこでテレビ番組のアフタートークをやるとか、レギュラー番組のオリジナルをVOOM LIVE版としてスピンオフでやるとか。さらにドラマの制作発表などもしてます。

西田 : 読売テレビでいうと、去年の『ベストヒット歌謡祭』を生配信しました。あれはもうめちゃめちゃLINE VOOMさんが盛り上げてくれました。うちのプロモーションの人間も含めて「やるぞ!」ってスゴかったですよ。

ドラマでいえば『約束〜16年目の真実〜』(出演/中村アン、横山裕)もタテ動画でいろいろやらせてもらったりして、テレビ業界にいろいろ広がってますね。

浅野 : はい。

西田 : 例えばね、地方にはおもろい番組がめっちゃあるんですけど、それをタテ動画で切り取って、瞬時に見てもらえるようにするとか、そんな使い方もありそうだって思うんですよ。上沼恵美子さんと高田純次さんがやってる『クギズケ!』なんて全国の人に見てほしいし。それに限らず、おもろいローカル番組を切り取って、LINEさんの中に1つのかたまりとして置いたら楽しそう。

浅野 : いいですね!
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▲LINEヤフーの浅野裕介さん(左)と西田二郎(右)

テレビは家庭に1台以上、LINE VOOMは9600万人が見てるので合致しやすい

浅野 : テレビって家庭に1台はあるじゃないですか。全人口が見てると言っていいですよね。LINEもほぼ全人口の方々に利用いただいているんで、そこは合致しやすいと思うんですよ。

西田 : もっと仲良くできそうですよね。例えば、ローカル局で流れたグルメ情報などをLINE VOOMで生配信しながら「あそこの饅頭はここで買えるよ」みたいな、そんなのはできないんですか?

浅野 : 構想はあります。Eコマース(電子商取引)で簡単に買えるようにするとか。

西田 : 先に情報だけもらっておいて、配信で「テレビ見ててね。気になるのがあったらつなぐから。はい、今の饅頭買えますよ!」みたいな。テレビ見るときにLINE VOOMを開きながら見ましょうってなったら、テレビをリアルタイムで見る理由になったりしないかなと思いますね。例えばコレ、地方でやれたらめっちゃいいかも!

浅野 : 確かにいいかもしれませんね。

西田 : 地方のお父さんもLINEは使いこなしてるわけだから、LINEの真ん中の「VOOM」を押すだけで、もう番組につながって今日紹介したものがすぐ買えると。

浅野 : LINEで普通にペイ(支払い)できますからね。PayPayで。

西田 : そんなの全国でできないかなぁ。

浅野 : 2016年にテレビ局さんと見逃し配信の担当をしたときに、僕がやったもうひとつの仕事がありまして。それはヤフー地図とローカル局さんとの取り組みで、そのときは仙台放送だったんですけど、仙台放送のお昼のワイドショーの切り抜いた動画――ようは地元のお店紹介の映像を、ヤフー地図に表示させたことがあったんですよ。もちろん、それで見られる映像はGYAO!ですべて見られるという。

西田 : それをさらに進めて地方を元気にしていくような連携はもっと考えたいですね。

(つづく)


【浅野裕介 プロフィール】
LINEヤフー株式会社エンターテイメントカンパニー VOOM事業統括本部の部長。ショート動画などが楽しめる動画プラットフォーム「LINE VOOM」で、時代に合わせた新コンテンツのプロデュースやクリエイターの育成を手掛けている。また、テレビとのコラボレーションも多く、メディアの可能性を拡張させるサービスも。過去には株式会社USEN、株式会社GYAOに在籍。それらを経てLINEヤフー株式会社へ移籍。
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