人類は火星に移住できる?夢のような話を本気で目指す若きお理系さん
2023.07.26
いま、理系人材が重要だ。人類が直面する数々の困難を解決するには、理系の研究で画期的な方法を見出すしかない。フェイク画像を誰でも作れる生成AIをどう使えば人類の役に立つのか。量子コンピューターで本当にあらゆる課題に答えが出せるのか。7月23日放送の「そこまで言って委員会NP」では「お理系さんが地球を救う?」と題し、理系のホープと目される3人の若手研究者たちが、それぞれの研究から人類の課題解決をプレゼンし、論客たちの疑問に答えた。
特に面白かったのが、化学者・発明家で「CRRA」機構長・村木風海氏の「火星移住論」。「地球の人口爆発」「温暖化解決技術で火星に住める」「青い夕陽を見たいから」の3つの理由で、“火星人”になると宣言している。そんな村木氏に論客たちが質問した。
田嶋陽子氏(元参議院議員)が疑いの眼差しで聞く。
「火星は94%から100%がCO2。回収した後、何が残るのか。酸素が残るのか。息ができない。」
村木氏は快活に応える。
「火星は二酸化炭素だらけの星なので、吸い取ってそこから石油の代わりになる燃料を作れば、ロケットの燃料にもなるし、探査車を動かせるかもしれない。二酸化炭素から酸素を作る技術も実はあり、最初はドーム型の都市に住む。火星全体を地球みたいに変えるテラフォーミングの技術も、いろんなアイデアが。」
田嶋氏「やーだね!」と頑固なお年寄りのように否定。
竹田恒泰氏(作家)が素朴な疑問を向ける。
「火星は寒くないか。」
村木氏が即答。
「寒い。最低気温マイナス140度で、上がプラス30度くらいで、平均気温がマイナス63度。」
田嶋氏が「あっためるのにまた炭酸ガスが出る。」とまた不平を漏らす。
村木氏はそれでも明るく答える。
「あっためるより、外に行くときは宇宙服を着て出ることになる。」
田嶋氏は「ああ不便。」と、いつまでも全否定。
番組議長・黒木千晶アナが助け舟を出す。
「村木さんは地球と同じ生活を火星に求めているのではなく、火星に行ってみたい、住んでみたいっていう気持ちが強い。」
村木氏が答える。
「全員が火星に行くより、このままだと地球が溢れちゃうので、行きたい人が火星で暮らすイメージ。」
竹内薫氏(サイエンス作家)が別の視点で聞く。
「お金の話になってしまうが、人類が火星移住をすると経済圏が広がっていく。ヨーロッパの大航海時代も、結局お金の話ではある。そうすると、火星は植民地になるのか?」
村木氏が即答。
「そうなると思う。ただ火星には本当に資源がない。地球人と火星人という概念ができて、その地球人が火星人に対して対外貿易で儲けることになっていく。」
このあと、村木氏が延々と自らの夢を語って止まらない。
火星だけでなく、土星の月・エンケラドスにも行ってみたい。氷の地表の下に暖かい海があると言われているので氷に穴を開けて釣りをしたい、などと夢見るように語り続ける。
そこへ、番組随一の理系論客、多田将氏(素粒子物理学者・理学博士)が鋭くつっこむ。
「月には半世紀前に人類が到達したが、いまだに移住の計画も何もない。火星に行くことは多分できる。でも、移住するとなるとたくさんの問題がある。最大の障壁はなんだと思うか。」
村木氏がちょっと軸を変えて回答。
「実は火星に住むこと自体はそんなに大変じゃないと思う。火星に行くことの方が大変じゃないか。9ヶ月もかかり、放射線の問題がある。 到着までにすごい量の被爆をしてしまう。」
多田氏が続けて斬り込む。
「移住するインフラが問題ではないなら、例えば人口爆発の問題もサハラ砂漠を住めるようにしたら、火星よりもはるかに技術的には楽。でも成り立っていないのは、経済的に成り立たないから。火星移住が人口爆発を解消できるかは、インフラの整備に課題があると思う。」
村木氏はあくまで快活に答える。
「そこに国家予算がつくかが鍵だと思っている。人類が月に行ったのも冷戦があって、その時はお金がいっぱい付いたから。冷戦が終わって競争する理由がなくなった。日本がこのまま火星に 行くことを選択しなければ、他の国が行ってしまう。ある意味、軍事競争で、だからどの国も後には引けないと思う。」
理系同士の議論でちょっぴりピリッとしたのを黒木アナが
「コストと技術のバランスが現実的な問題としてはありますね。」とうまくまとめた。
火星に人類が住むのはSF映画では見たが、現実問題としては考えたことがない。実際に住むにはどんな課題があるか、よくわかって面白かった。
特に面白かったのが、化学者・発明家で「CRRA」機構長・村木風海氏の「火星移住論」。「地球の人口爆発」「温暖化解決技術で火星に住める」「青い夕陽を見たいから」の3つの理由で、“火星人”になると宣言している。そんな村木氏に論客たちが質問した。
田嶋陽子氏(元参議院議員)が疑いの眼差しで聞く。
「火星は94%から100%がCO2。回収した後、何が残るのか。酸素が残るのか。息ができない。」
村木氏は快活に応える。
「火星は二酸化炭素だらけの星なので、吸い取ってそこから石油の代わりになる燃料を作れば、ロケットの燃料にもなるし、探査車を動かせるかもしれない。二酸化炭素から酸素を作る技術も実はあり、最初はドーム型の都市に住む。火星全体を地球みたいに変えるテラフォーミングの技術も、いろんなアイデアが。」
田嶋氏「やーだね!」と頑固なお年寄りのように否定。
竹田恒泰氏(作家)が素朴な疑問を向ける。
「火星は寒くないか。」
村木氏が即答。
「寒い。最低気温マイナス140度で、上がプラス30度くらいで、平均気温がマイナス63度。」
田嶋氏が「あっためるのにまた炭酸ガスが出る。」とまた不平を漏らす。
村木氏はそれでも明るく答える。
「あっためるより、外に行くときは宇宙服を着て出ることになる。」
田嶋氏は「ああ不便。」と、いつまでも全否定。
番組議長・黒木千晶アナが助け舟を出す。
「村木さんは地球と同じ生活を火星に求めているのではなく、火星に行ってみたい、住んでみたいっていう気持ちが強い。」
村木氏が答える。
「全員が火星に行くより、このままだと地球が溢れちゃうので、行きたい人が火星で暮らすイメージ。」
竹内薫氏(サイエンス作家)が別の視点で聞く。
「お金の話になってしまうが、人類が火星移住をすると経済圏が広がっていく。ヨーロッパの大航海時代も、結局お金の話ではある。そうすると、火星は植民地になるのか?」
村木氏が即答。
「そうなると思う。ただ火星には本当に資源がない。地球人と火星人という概念ができて、その地球人が火星人に対して対外貿易で儲けることになっていく。」
このあと、村木氏が延々と自らの夢を語って止まらない。
火星だけでなく、土星の月・エンケラドスにも行ってみたい。氷の地表の下に暖かい海があると言われているので氷に穴を開けて釣りをしたい、などと夢見るように語り続ける。
そこへ、番組随一の理系論客、多田将氏(素粒子物理学者・理学博士)が鋭くつっこむ。
「月には半世紀前に人類が到達したが、いまだに移住の計画も何もない。火星に行くことは多分できる。でも、移住するとなるとたくさんの問題がある。最大の障壁はなんだと思うか。」
村木氏がちょっと軸を変えて回答。
「実は火星に住むこと自体はそんなに大変じゃないと思う。火星に行くことの方が大変じゃないか。9ヶ月もかかり、放射線の問題がある。 到着までにすごい量の被爆をしてしまう。」
多田氏が続けて斬り込む。
「移住するインフラが問題ではないなら、例えば人口爆発の問題もサハラ砂漠を住めるようにしたら、火星よりもはるかに技術的には楽。でも成り立っていないのは、経済的に成り立たないから。火星移住が人口爆発を解消できるかは、インフラの整備に課題があると思う。」
村木氏はあくまで快活に答える。
「そこに国家予算がつくかが鍵だと思っている。人類が月に行ったのも冷戦があって、その時はお金がいっぱい付いたから。冷戦が終わって競争する理由がなくなった。日本がこのまま火星に 行くことを選択しなければ、他の国が行ってしまう。ある意味、軍事競争で、だからどの国も後には引けないと思う。」
理系同士の議論でちょっぴりピリッとしたのを黒木アナが
「コストと技術のバランスが現実的な問題としてはありますね。」とうまくまとめた。
火星に人類が住むのはSF映画では見たが、現実問題としては考えたことがない。実際に住むにはどんな課題があるか、よくわかって面白かった。
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