鳥人間コンテスト2017で前人未到の40kmフライト! 琵琶湖の空を完全制覇した男に放送後の反響を聞いてみた

2017.09.21

8月に放送された「鳥人間コンテスト2017」。琵琶湖を舞台に40回目の節目を迎えた今大会では、「人力プロペラ機部門」で現在の競技ルール上で最長となる40kmフライトという前人未到の大記録が生まれた。
この偉業を打ち立て、今大会優勝を果たしたのが、世界でトップシェアを誇る工作機械の製造メーカー「DMG森精機」のメンバーで構成されたチーム「BIRDMAN HOUSE伊賀」(三重県)だ。40kmのフライトに耐えきった超高性能機体は、同社の作業場や工作機械を使用して作り上げられたという。番組の放送後、ネット上には「さすが世界の森精機」「技術力すげー!」「森精機いい宣伝になったな」といった声で溢れ、同社のホームページにはアクセスが殺到してサーバーがダウンしてしまう程の反響があったようだ。
今回、読みテレ編集部では、優勝パイロットの渡邊悠太さん(30)を直撃。今回の完全制覇の偉業をあらためて振り返ってもらうとともに、放送後の反響や今後についても聞いてみた。
渡邊さんは、東大在学中に鳥人間サークル「F-tec」に所属。パイロットとして琵琶湖の空を夢見るも書類審査落ち。社会人になって、夢をあきらめきれず2012年に会社のクラブとして発足。2013年には出場の資格を得るが直前で破損し辞退。チームは休止状態に。そして2015年、再度社内でメンバーを募集。昨年の2016年、念願の出場を果たした。
数十人、大所帯であれば百人以上という学生チームが多い鳥人間コンテストで、「BIRDMAN HOUSE 伊賀」は平均作業人数が4人程度という少人数。メンバーが少なく、渡邊さん以外は、経験者がいなかったため、チームを作った渡邊さんが代表・設計・製作・パイロットの一人4役を兼ねていた。
昨年の大会では番組制作サイドも正直ノーマークだった同チーム。ところが、テイクオフしてみると安定飛行で、17854.09mの好記録を叩き出し、なんと3位に輝いた。これには、実況担当の羽鳥慎一もビックリ。思わずフライト中にチームメンバーの所属会社「森精機」(正しくはDMG森精機)を連呼!それに、東野幸治も加わり盛り上がった。
 そんなこともあり、今年は対抗馬として急浮上。昨年の放送で社名が注目された効果か(?)、会社からのバックアップ体制も強化され、昨年以上に磨きをかけた機体が完成した。渡邊さんは、昨年に比べて鍛えられた肉体で1時間38分もの間ペダルを踏み、今回の完全制覇を成し遂げた。
読みテレ:今あらためて、40キロを飛んだ感想をお聞かせください。
渡邊:正直なところ、40km飛べる自信はなかったので、いまだに信じられない、という気持ちです。10年間望んできた最長記録での優勝を達成できたことは、本当に嬉しく思います

読みテレ:当日は、どこでどんな方と祝杯をあげましたか?
渡邊:当日はみんな疲れ切っていたので、荷下ろし、片付け後すぐ帰宅し、後日打ち上げをしました。

読みテレ:翌日の出社時の会社の様子はいかがでしたか?
渡邊:朝、社内放送で結果報告があり、多くの方から祝福いただきました。

読みテレ:会社からのご褒美はなにかありましたか?
渡邊:社内の施設で、役員の方や製作メンバー、応援団員等20数名参加のもと、祝勝会を開いていただきました

読みテレ:ネットで「森精機」がすごいという評判が立ち、会社の公式サイトにもすごいアクセスがあったという噂ですがホントですか?真偽も含めて、教えていただけませんか?
渡邊:TV放送時にアクセスが集中して、一時サーバーがダウンしたそうです。昨年よりサーバーを強化していたそうですが、反響の大きさに驚いています
読みテレ:他チームに比べて体力の消耗が少なかったように思うのですが、その理由を分析していただけませんか?
渡邊:コクピット内への空気取り入れを改善したこと。テストフライトにより機体調整、操縦訓練を十分行えたこと。昨年よりもトレーニング時間を確保できたこと。本番フライト時の風があまり強くなく、安定していたこと。これらの要因が重なって、あまり消耗することなくフライトできたと考えています。

読みテレ:来年の参加は考えていますか?
渡邊:人力プロペラ機部門のルールがどのように変わるか気になりますが、ディフェンディングチャンピオンとして参加したいと考えています。

読みテレ:あらためて鳥人間コンテストの魅力を教えてください。
渡邊:自作の飛行機で、人の力だけで遠くまで飛びたいという少し変わった人たちの集まった、年に一度のお祭り、というところだと思います

渡邊さんの勇姿はもちろん、「ROKKO WORKS」のパイロット・宮内空野さんが発した「目
に白い星がチラついている」といった名言も生まれ、ネット上では神回と称賛されている
「鳥人間コンテスト2017」は、10月31日まで読売テレビの配信サービス「ytv MyDo!」
で見逃し配信中だ。ぜひチェックしてみてほしい。
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