そこまで見直して委員会?!レジ袋有料化は見直すべきか、そのままでいいのか?

2021.12.02

そこまで見直して委員会?!レジ袋有料化は見直すべきか、そのままでいいのか?
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外交政策、刑法39条、経済対策と転機を迎えた日本には様々に見直すべき論点があるようだ。11月28日放送の「そこまで言って委員会NP」は、「そこまで見直して委員会」と題してこれらの点をどう見直すべきか、論客たちが議論した。

ここでは誰にとっても身近な「レジ袋の有料化は見直すべきか」の議論を取り上げよう。8人の論客たちに聞くと5名が「見直すべきでない」、3名が「見直すべき」だった。

見直すべきと答えた門田隆将氏はこう説明。「主婦層にいろいろ取材したところ、むしろゴミ袋の使用量が増えてるという。今までは1日分のゴミにちょうど良くゴミ袋を買う必要がなかったのが、今は新しくゴミ袋を買わなくちゃいけなくなった。増えてる人が5人中4人だった。」と丁寧に取材したのが面白い。
竹田恒泰氏が例によって細かな解説をする。
「海に流れてしまうプラスチックが問題。ほとんどがインドなど。本来の課題はレジ袋の資源節約ではない。」だから見直すべきとの主張だ。

これに萩谷麻衣子氏が「見直すべきでない」の立場で反論。
「レジ袋を有料化したのは国民の多くが日常的に使うものなので、環境意識を醸成することに目的があった。」啓蒙が目的だったという論だ。
そこに村田晃嗣氏がからんできた。「国民の意識はもう結構変わったと思う。だからもう有料化をやめたっていい。いちばん嫌なのはレジが混むこと。」
「見直すべきでない」と答えた田嶋陽子氏は「単純に日々買い物すると意識する。そういう習慣づけができたのはいいこと。」

竹中平蔵氏も「見直すべきでない」派だ。「私はレジ袋をちょっと極端だが1000円にすればいいと思う。やがて本当にそういう時代が来る。CO 2やプラスチックに対してある程度の税金をかけて抑えようという考え方。レジ袋有料化はカーボンプライシングやプラスチックプライシングの走りなのだ。将来的にそういう世界に私たちは入っていかなければならない。全ての資源について価格が上がっていく方向になる。」

厳しい話だが、追い討ちをかけるように萩谷氏が付け加える。「竹中氏が言ったことは近い未来に実行される。9月にプラスチック新法が成立し、例えばコンビニの持ち帰りのプラスチックのスプーンや、ホテルで使っているプラスチックのブラシなどを削減しなさいとなった。来年4月からは、ホテルやコンビニでは渡さないあるいは有料化することになる。レジ袋の有料化をここで見直すのは流れとしても難しい。」
そんな法律ができていたとは!

やはり「見直すべきでない」と答えた眞鍋かをり氏は「見直す手間と費用の方が無駄」と主張。
「見直すとなると行政もまたお金かけるだろうし、スーパー側も相当大変。主婦的な目線で言うとやっとレジ袋有料化に慣れてきて、普通にもらわないでいると足りなくなるのを、今もらうタイミングとか調整できるようになった。また戻されたらもう無理だ。」
田嶋氏がまた発言。「外国人はびっくりしていた。日本はまだまだだと。ホテルのクシや歯ブラシなどに驚いていた。」
ここで番組議長・黒木千晶アナが「世界の常識では環境に優しいことがスタンダードになっていて、それがまたビジネスにもなっていく。」
竹中氏は「割りを食わないように日本が先を走らなきゃいけない。これはコストというよりは本当はリスク。リスクに備えるためには、やっぱり先行しなきゃいけない。先行したところがいろんなルールを作っていく。それがヨーロッパの賢さでありずるさ。」

黒木アナがまとめに入る。「今回のこのレジ袋有料化を見直すべきか見直すべきでないかは、5対3で見直すべきでないという意見が多いので、当委員会としては見直すべきではないということで門田さん、よろしいですか。」
なぜか門田氏にお伺いを立てると門田氏はひとこと「どうぞ。」と回答してみな爆笑。
すかさず番組政策秘書・野村明大アナが「もちろんこの委員会で結論出しても何の効力もないでしょう。」と言って締めた。

レジ袋有料化の先にはカーボンプライシング、プラスチックプライシングがあるとは。この時代の流れには逆らえそうにない。レジ袋有料にも、もう慣れていくしかないのだろう。

【文:境 治】
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