【宮城県】仙台のだるまは赤じゃなくて青い?やたらと派手な松川だるまってなんだ?

2022.08.26

【宮城県】仙台のだるまは赤じゃなくて青い?やたらと派手な松川だるまってなんだ?
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だるまと言えば、日本全国赤いものと決まっている。赤以外のだるまなんて見たことない、と思っていたら仙台市のだるまは赤じゃないと聞いた。そんなバカなと思いつつ仙台のあるお店に行くと、おお!前に取材した仙台四郎が置いてある!
仙台のお店に飾られる謎のおじさん「仙台四郎」って、それ誰?
仙台四郎さんにお久しぶりですと挨拶しつつ、お店の奥に進むと、あった!だるまがあったけど、赤じゃなくて青い!衝撃だ!
お店の人に聞くと「赤いだるまも知ってますがテレビで見るイメージ。青いだるまがお店にもお家にも置いてあります。」どうやら仙台ではだるまと言えば青いものらしい。
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お店だけではない。モダンなアトリエにも、違和感を放ちつつ青いだるまが置かれている。結婚式の場でも、新婦が涙ながらにご両親への手紙を読む、その側に青いだるまが!赤ではなく青いのも驚きだが、それが結婚式の感動の場に存在するのもびっくりだ。
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会場にいらした新婦の祖父に聞いてみる。青いだるまは初めて見ましたが、と聞くと「仙台でだるまと言えば松川だるまだよ」と教えてくれた。へー、この青いだるまは松川だるまと呼ぶんだ。

そしてよく見ると普通の赤いだるまよりスマート。またお腹のあたりにけっこう派手な装飾がされている。色だけでなく、そうとう違うぞ。

仙台の夜の街、文化横丁を歩くと「だるま」という名の炭焼きホルモン店を見つけた。これは見逃せないと入ると、青い松川だるまがなくたくさん並んでいた!しかも、大きいのから小さいのまで、マトリョーシカみたいに少しずつサイズが違うではないか。
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店主さんによると「小さい方から集めていって8個揃え、古いものからどんと祭で焼き、また新しいのを買う。」ものだそうだ。「七転び八起き」になぞらえ、毎年買って8個揃える縁起物なのだ。

8個がワンセットなのに、ある不動産屋さんに行くとズラーリと並んでいる。なんと38個もお持ちとのこと。「お金出して買ったものだからもったいない。」だって。

今度は歴史を感じるお家に行ってみると、大きめの松川だるまが8個並んでいて、よくよく見ると眉毛がふさふさ。筆で描いたものでなく、黒いものが立体的に貼り付けられている。実は松川だるまには、眉毛を筆で描いたタイプと、ふさふさ立体眉毛のものと2種類あるのだ。筆で眉毛を描いたものはお腹に大黒様も描かれ、ふさふさ眉毛タイプはお腹に宝船が描かれている。お値段もふさふさタイプは2倍もするのだ。
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この松川だるまはなぜ生まれたのか。仙台市の本郷だるま屋の十代目、本郷久孝さんに聞いた。「今から200年前に伊達藩士だった松川豊之進が創始したと言われています。」なるほど、だから松川だるま。赤がベースだが表面が青く塗られた。「群青色という武士が好む青で、昔は本物の金箔を使ったり、戦前までは目にガラス玉が使われていました。伊達政宗の時代から派手なことを伊達者と言われる。仙台のだるまも派手になったのだと思います。」派手好きな殿様の土地柄だから、だるまも派手になった、ということらしい。

最後に仙台市内の整骨院に行くと、待合室に大量の松川だるまが並んでいる。奥から出してきた大きなものも含めると40体あるそうだ。なぜそんなに?と院長の佐藤さんに聞くと「だるまに似ていると言われるので親近感がある。」マスクを取ってもらうと、ほんとだ!だるまによく似たお顔立ち。集めたくなるのもわかるね!
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それにしても、日本に青いだるまがあるなんて初めて知った。今度仙台に行ったらお店で見つけてみたい!

【文:境治】
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