美少女・八木莉可子はなぜ泣いているのか?『揖保乃糸』のCMが意味深過ぎる!

2020.08.06

揖保乃糸テレビCM「やっぱり・かえろう」篇
手延べそうめん『揖保乃糸』のCMが、何だか妙に気になる。

出演は、モデル・女優として活躍中の八木莉可子さん。16年に放送された『ポカリスエット』(大塚製薬)のCMで、多くの高校生に混じって、見事なダンスを披露していたのを覚えている人も多いだろう。その後、『グーネット』(プロトコーポレーション)のCM『まるごと。ダンス』編にも出演。そう、彼女には元気に踊っているイメージがあるのだ。

しかし、『揖保乃糸』のCMの中では、時に何かを決意したような凛々しい表情で電車の座席に座り、時に先輩らしき男子高校生の後ろ姿を見つめ、涙ぐみ、唇を噛む。いったい彼女に何があったのか? CMの中にセリフはほとんどなく、詳しい状況はわからない。だから、何だか妙に気になってしまうのだ。

そこでテレビのことなら何でも気になる「読みテレ編集部」、今回はこのCMについて、兵庫県手延素麺協同組合の天川亮さんに伺った。

--何だか不思議な感じのCMです。どうしてこういう内容になったんですか。

「まず、兵庫県手延素麺協同組合は、兵庫県のたつの市に事務所があるんですね。そして揖保乃糸は、この地域で、長い歴史と共に育まれてきました。ですから、撮影を地元でのオールロケにしたいと思っていたんです。皆さんに揖保乃糸が育った西播磨(たつの市を含む市町からなる地域のこと)の気候や風土をご覧いただきたかった。それが、このCMを制作するにあたって、いちばん最初にあった思いですね。そして、そこから『では、どなたに出演していただこうか』という話になっていったわけです」

--それが八木莉可子さんだったと。

「そうですね。お願いした理由はいくつかありまして。ひとつは、いろいろなCMやドラマなどにもご出演されていて、今、非常に注目されている女優さん・モデルさんであること。まだ17歳(当時)なのに、みずみずしくて清らかな表情で、たたずまいも凛とされている。まさに揖保乃糸のイメージにぴったりでした。そして、これも決め手のひとつだったんですが、彼女の誕生日が7月7日だったんです。じつは、この日は『そうめんの日』なんですよ」

--ええっ、偶然ですか?

「そうなんです(笑)。これに我々も運命的なものを感じまして、ぜひお願いしますと」

--へぇ~、おもしろいですね。

「そして、もうひとつが『♪そうめん やっぱり 揖保乃糸』というサウンドロゴです。長い間、受け継いできましたので、だいぶ皆さんの耳にもなじんできているのではないかと思っておりまして、これを大事にしたかった。そこで今回は、アレンジをNHKドラマの『あまちゃん』や『いだてん』の音楽を担当されたことでも有名な大友良英さんにお願いしたのですが、これが非常にやわらかくて、やさしい曲に仕上げていただきました。ですからCMの内容は、このサウンドロゴにつながる物語を作りたいと。日常のなにげない一瞬、ちょっと心が揺れ動いた瞬間、少女の中に強い意思が芽生えた一瞬、そういった瞬間を捉えた映像をつくりたいと思ったのです」

--例えば『やっぱり・ひとすじ』篇では、弓道部の彼女が部活の先輩らしき男子生徒が体育館から出ていくのを涙を浮かべながら見ているというシーンがありますよね。あれはフラれたようにも見えますし、部活のことで先輩から厳しいことを言われて悔し泣きしているようにも見えます。どちらですか?

「それはご覧になった方に自由に感じていただきたい部分ですので、あえてご説明は差し控えさせてください(笑)。もちろん監督さんは、登場人物すべてに細かい設定をつくっていて、『この人はこういう役で、この時はこういう気持ちですから、こんな感じで演技をしてください』と現場で指示は出しているんですよ。でも、映像では多くを語らず、どちらかと言えば足し算より引き算のような考え方で、つくっていただきました。ですから、『あったなぁ、こんな気持ち』と、広い解釈でご自分に重ねてご覧になっていただけるとうれしいです」

--引き算というのはとてもおもしろい考え方ですね。テレビCMって15秒や30秒の世界ですから、どうしてもインパクト勝負になるというか、味付けが濃くなりがちだと思うんですが、あえて真逆の考え方でつくられたということなんですね。

「そうですね。非常にミニマルな、いいCMに仕上がったと思います」

--主人公の少女以外にはお母さんが必ず登場しますが、これは何か理由があるんですか?

「お母さんは何も言わなくても娘の気持ちがわかっているんですね。すべてお見通しなんです。そして、何も言わずに揖保乃糸を茹でてくれる。そこで初めて少女がホッとしたり、少し笑顔になったりするんですね」
©ytv
揖保乃糸テレビCM「やっぱり・はこいり」篇より
--セリフがなく、表情だけで演技するのは、すごく大変だと思うんですが、現場での八木莉可子さんは?

「中学時代は生徒会長を務め、高校時代は書道部で8段の腕前だと聞きましたが、お若いのに本当に礼儀正しい方だという印象を受けました。一生懸命取り組んでいただいて、本当にお願いして良かったと思います」

--ちなみに、こういう状況の中で、揖保乃糸の需要は増えてるんでしょうか?

「ご家庭で簡単に調理できる保存食として、改めて注目していただいております。公式ホームページのほうで、『そうめん弁当』など、いろいろな楽しみ方もご提案させていただいておりますので、ぜひ、おいしい揖保乃糸で暑い夏を乗り切ってください」
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