EXIT兼近大樹、90度のお辞儀の相手 影山貴彦のウエストサイドTV 第42回
2022.09.01
今回は、お辞儀っていいなと思ったお話です。『24時間テレビ 愛は地球を救う45「会いたい!』が、8月27日(土)から8月28日(日)に放送されました。「24時間テレビ」のタイトルですが、実際のところの放送時間はトータルで26時間24分だったのですね。
それはともかくとして、「45」の数字にとても重みを感じます。なんでも続ければいいというものではないでしょうが、移り変わりの激しい現代において、45年もの長きにわたって大いなる話題をふりまいていることからも、日本のテレビを代表する番組のひとつとして数えられることに疑いはないところです。
今年のマラソンのチャリティーランナーは、お笑いコンビ、EXITの兼近大樹さんでした。相方のりんたろー。さんの熱き声援を受けながら、見事に笑顔満面で100キロを完走、両国国技館へゴールしました。今年で加山雄三さんの見納めとなる「サライ」の合唱の際にも、兼近スマイルは健在で、チャラさもありながら明るく振舞っておられたのも彼らしいところでした。
番組エンディング近くなった頃、間寛平さんが兼近さんのところにすっと近づき、笑顔で手を挙げたところが画面に映し出されました。寛平さんと「24時間テレビ」の関係性については、改めて皆さんに説明不要でしょうが、第15回(1992年)、第16回(1993年)、第18回(1995年)の通算3度、チャリティーランナーを務められ、これまで最も印象に残ったランナーとして、視聴者から彼の名が挙がることが少なくありません。いわばレジェンドランナーといったところです。
少しはにかんだ笑顔で手を挙げた寛平さんの姿は、グループショットでしたしマイクはオフだったので、短くおっしゃった言葉の内容までは分かりませんでした。ですが、きっと寛平さんのことですから、「カッコええやん!」、「ようやった!」的な声を掛けたことでしょう。
すると次の瞬間、兼近さんは寛平さんに向かって、90度の角度でお辞儀したのです。お辞儀は特に日本独特の習慣でもないようですが、彼のお辞儀している姿におっさん世代のボクはいたく感動してしまったのです。吉本興業の大先輩でもある間寛平さんに労いの言葉をかけてもらい、兼近さんは大いに、この上なく嬉しかったはずなのです。
そこにチャラ男の姿は全くありませんでした。「90度」の角度が、彼の内なるキャラクターを物語っていたように思います。
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
それはともかくとして、「45」の数字にとても重みを感じます。なんでも続ければいいというものではないでしょうが、移り変わりの激しい現代において、45年もの長きにわたって大いなる話題をふりまいていることからも、日本のテレビを代表する番組のひとつとして数えられることに疑いはないところです。
今年のマラソンのチャリティーランナーは、お笑いコンビ、EXITの兼近大樹さんでした。相方のりんたろー。さんの熱き声援を受けながら、見事に笑顔満面で100キロを完走、両国国技館へゴールしました。今年で加山雄三さんの見納めとなる「サライ」の合唱の際にも、兼近スマイルは健在で、チャラさもありながら明るく振舞っておられたのも彼らしいところでした。
番組エンディング近くなった頃、間寛平さんが兼近さんのところにすっと近づき、笑顔で手を挙げたところが画面に映し出されました。寛平さんと「24時間テレビ」の関係性については、改めて皆さんに説明不要でしょうが、第15回(1992年)、第16回(1993年)、第18回(1995年)の通算3度、チャリティーランナーを務められ、これまで最も印象に残ったランナーとして、視聴者から彼の名が挙がることが少なくありません。いわばレジェンドランナーといったところです。
少しはにかんだ笑顔で手を挙げた寛平さんの姿は、グループショットでしたしマイクはオフだったので、短くおっしゃった言葉の内容までは分かりませんでした。ですが、きっと寛平さんのことですから、「カッコええやん!」、「ようやった!」的な声を掛けたことでしょう。
すると次の瞬間、兼近さんは寛平さんに向かって、90度の角度でお辞儀したのです。お辞儀は特に日本独特の習慣でもないようですが、彼のお辞儀している姿におっさん世代のボクはいたく感動してしまったのです。吉本興業の大先輩でもある間寛平さんに労いの言葉をかけてもらい、兼近さんは大いに、この上なく嬉しかったはずなのです。
そこにチャラ男の姿は全くありませんでした。「90度」の角度が、彼の内なるキャラクターを物語っていたように思います。
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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