テレビの「気象予報士あるある」とは?アイドル天気の丸田絵里子さんに聞いてみた
2021.03.12
もはや全国的にSNSがザワつく話題の「アイドル天気」。関西エリアの情報番組『朝生ワイド す・またん!』(読売テレビ 毎週月曜~金曜 5:50~)のお天気コーナーのことだ。その日の空模様にぴったりなアイドルソングをかけ、キレッキレなダンスを披露している佐藤佳奈アナウンサーと、その隣で冷静にお天気情報を伝える気象予報士・丸田絵里子さんの温度差が味わい深いと注目を集めている。
©ytv
Twitterでは「やっぱりアイドル天気には丸田ちゃんやな」「全力で踊るさかなちゃん(佐藤佳奈アナ)とリアクション皆無の丸田さん 笑 」「丸田さんとのコンビ キター」などと大好評だ。
いっけんクールな丸田さんだが、お天気に関しては気象予報士だけに語りだすと熱量がスゴイのだ。今回は、そんな丸田さんに“気象予報士あるある”を聞いてみた。
【企画 : 吉井智也/取材・文 : 鈴木しげき】
――テレビの“気象予報士さんあるある”ってありますか?
丸田 : よくやるのは、雲画像や天気図を見て、それをモノに例えることですね。
台風が発達した時の雲画像には、台風の目がありますよね。その目がハッキリしてきた時に、本番前の打ち合わせでアナウンサーの方に「パッチリおめめの美人さんになってきましたね?」と言ったら、「(その例え)ヘンタイですね……」と引かれたことがありました(笑)。ふさわしくないので放送では言いませんでしたが、予報士って例えがちなところはあると思います。
少しでも視聴者に伝わりやすくするために実際に本番でも言ったことがあるのは、天気図に白や黒で描かれた等圧線ってありますよね? その形が「おいしそうなおにぎり型ですね」とか。ちょっと興味を持って観てもらえるような言い方は取り入れたりします。
――確かにそう言われたら興味がわきます。
丸田 : あと“あるある”なのが、気象予報士って、みんな気象が大好きなので天気に大きな変化があると「なにが起きてるんだ!?」と興味がわく人たちなんですよ。そういう時は予報士同士で活発に話してたりします。「これだけ風が吹いたら、実際の現場はどんなだろう?」とか。
――気になるんですね。
丸田 : 全国に気象をはかる観測地点ってあるわけなんですが、そこに温度計などの機器を見に行ったりするんですよ、予報士って。予報士たちの間では「アメダスめぐり」って呼ばれてるんですけど(笑)、「私、今日ここ行ってきたよ」と報告しあったり。
――えっ、それは確認したい欲求が抑えられないということですか?
丸田 : 確認したいですね。例えばですが、今日は淡路島のどこどこで最大瞬間で何メートルの風が吹いてるとしたら、それを観測したのはどこで、これだけの風を観測した機器はどれか、そこへ行きたいって思います。
いっけんクールな丸田さんだが、お天気に関しては気象予報士だけに語りだすと熱量がスゴイのだ。今回は、そんな丸田さんに“気象予報士あるある”を聞いてみた。
【企画 : 吉井智也/取材・文 : 鈴木しげき】
――テレビの“気象予報士さんあるある”ってありますか?
丸田 : よくやるのは、雲画像や天気図を見て、それをモノに例えることですね。
台風が発達した時の雲画像には、台風の目がありますよね。その目がハッキリしてきた時に、本番前の打ち合わせでアナウンサーの方に「パッチリおめめの美人さんになってきましたね?」と言ったら、「(その例え)ヘンタイですね……」と引かれたことがありました(笑)。ふさわしくないので放送では言いませんでしたが、予報士って例えがちなところはあると思います。
少しでも視聴者に伝わりやすくするために実際に本番でも言ったことがあるのは、天気図に白や黒で描かれた等圧線ってありますよね? その形が「おいしそうなおにぎり型ですね」とか。ちょっと興味を持って観てもらえるような言い方は取り入れたりします。
――確かにそう言われたら興味がわきます。
丸田 : あと“あるある”なのが、気象予報士って、みんな気象が大好きなので天気に大きな変化があると「なにが起きてるんだ!?」と興味がわく人たちなんですよ。そういう時は予報士同士で活発に話してたりします。「これだけ風が吹いたら、実際の現場はどんなだろう?」とか。
――気になるんですね。
丸田 : 全国に気象をはかる観測地点ってあるわけなんですが、そこに温度計などの機器を見に行ったりするんですよ、予報士って。予報士たちの間では「アメダスめぐり」って呼ばれてるんですけど(笑)、「私、今日ここ行ってきたよ」と報告しあったり。
――えっ、それは確認したい欲求が抑えられないということですか?
丸田 : 確認したいですね。例えばですが、今日は淡路島のどこどこで最大瞬間で何メートルの風が吹いてるとしたら、それを観測したのはどこで、これだけの風を観測した機器はどれか、そこへ行きたいって思います。
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「アメダスめぐり」は確かにマニアック。
――へぇ~、みなさん気象オタクなんですね。ところで「アイドル天気」ですが、ノリノリな佐藤アナとリアクションのない丸田さん。あれはどうしてああなったんですか?
丸田 : あれはもう佐藤アナがやりたいことをやっていて、「今日は踊りたい」「今日は振り付けをみなさんに教えたい」と、あのコーナーをプロデュースしているので私はのっかってるだけです。自然にああいうカタチになっていった感じですね。私はただ興味のある天気をお伝えしているだけで。
――それが好評なのか、『す・またん!』がウェブによる「お天気コーナー人気ランキング2020」では第1位に輝いています。そもそも、丸田さんは何がきっかけでお天気に興味を?
丸田 : よく聞かれるんですが、きっかけが思い出せないんですよ。私、実家が富山県で、気づいたら空を見上げるような毎日で。小学生の頃に夏休みの自由研究で天気の観察をやった記憶はあります。中学の時はラジオを聴いて各地の空の様子や風速を天気図にして書くようになるんですが……そんなことをしていたのは私ぐらいだったかもしれませんね。
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『お天気コーナー人気ランキング2020』1位を喜ぶふたり
――(笑)。気象予報士の資格って狭き門ですよね。どうやって勉強を?
丸田 : 学校の勉強と違ってひとつの教科だけを掘り下げればよいのと同じなので、そんなに大変では……(筆者注:丸田さんは謙遜されていましたが、合格率は5%ほど。超難関です!)。天気って小学4年生の理科にたくさん出てくるので、そこから教科書を読み直したりはしましたね。
――丸田さんの好きな空模様は?
丸田 : 真っ青な冬晴れです。富山に住んでた時って冬はほとんど日差しがなくて、どん曇りなんですよ。そんな中で青空に立山連峰が見える眺めが好きでした。私のTwitterのトップ画像にしてます。
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地元・富山の立山連峰が丸田さんのtwitterトップ画像
――この季節、春のお役立ち情報を教えてください。
丸田 : お天気で「春の3K」「春の5K」といった言葉が出たら、ちょっと天気予報に注目してほしいですね。Kとは頭文字のことなんですけど、「寒暖差」「花粉」「乾燥」「黄砂」「強風」といったもので、それを聞いた時は要注意です。
――わかりました。最後に丸田さんがお天気を伝えるうえで気を付けていることを教えてください。
丸田 : 少しでも季節のネタを入れたいと思っています。梅が咲いたらお天気カメラでちょっと入れてもらったりだとか、テレビで季節を味わってもらう。あとは、視聴者の方に噛み砕いて伝えたいと心がけています。
予報士ってオタク的な人が多いので、どうしても専門的なことを言いがちなんですよ。けど『す・またん!』ですと、朝の作業をしながら観てくださる方も多いので、そこは伝わりやすさを意識します。自分に興味があっても、みなさんの暮らしに大きな影響がなければ、お天気お姉さんに「この話題、興味あります?」と確認してトピックスを選ぶようにしています。
……と語ってくれた丸田さん。画面からは落ち着いたイメージが感じられたが、お天気への情熱は強く、それでいて視聴者への配慮はきめ細かく、その人柄が感じられた。
「天気の魅力ってなんですか?」と聞いたら、「天気って毎日違って、まったく同じ天気ってないじゃないですか」としたうえで「私はそれを伝えることで毎日やりたいことをやってるんだと思いますね」と答えてくれた。とことんお天気好きなのだ。朝、丸田さんの声が聞こえてきたら、天気予報に注目だ。
<丸田絵里子 プロフィール>
富山県出身。小さい頃から天気に興味があり、趣味はラジオ天気図を書くこと。気象予報士取得後、テレビやラジオの出演解説や気象デスクに従事し、2018年よりウェザーマップに所属。趣味は野球観戦、ノルディックスキー。
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