あの五木ひろしも“精魂尽き果てた?”伝説のオーディション番組「全日本歌謡選手権」とは?

2019.02.18

土屋太鳳が主演する読売テレビ開局60年スペシャルドラマ『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』が、2月22日(金)よる9:00~放送される。‎

歌手になる夢をあきらめかけていた主人公・小沢翼(土屋太鳳)が、ひょんなことから‎1975年の東京にタイムスリップ、同じく歌手になる夢を持つ大空つばさ(ももいろクローバーZ・百田夏菜子)と出会う。意気投合した2人は共に夢をかなえるためにユニットを結成し、オーディション番組『全日本歌謡選手権』に出場、レコードデビューを目指す物語だ。ほかの出演は、向井理、矢田亜希子、松本利夫、石野真子など。‎
『約束のステージ』にて小沢翼(土屋太鳳・右)、大空つばさ(百田夏菜子・左)
じつはこの物語で2人の命運を握ることになる『全日本歌謡選手権』は、1970年~1976‎年まで、実際に放送されていたオーディション番組だ。審査員の厳しい審査を通過し、‎‎10週勝ち抜けば、レコードデビューが約束されたいた。しかし、歌がうまければプロ・アマ問わず参加資格があったため、鳴かず飛ばずの状況を好転させようと出場するプロの歌手も少なくなかった。まさに人生が変わるかもしれない一発勝負のステージ。勝ち進むごとに出場者にのしかかるプレッシャーや緊張感は想像を絶するものだったようだ。‎

この番組で10週を勝ち抜き、グランドチャンピオンとなったのが、今も第一線で活躍する五木ひろし、八代亜紀、天童よしみ。このドラマに審査員役で出演した3人に当時を振り返ってもらった。‎
『約束のステージ』にて審査員役を務める八代亜紀(左)、五木ひろし(中央)、天童よしみ (右)
五木ひろし「僕はすでに別の名前でデビューしていましたが、全然売れていなくて、そんな状況を変えるための出場でした。この番組の思い出は、とにかくガチンコ勝負で厳しい。最初から10週分の曲を決める余裕なんてありませんから、勝ち抜くごとに次は何を歌おうか必死に考え、練習しました。その間、体調やノドの調子も整えなければいけませんから、10週勝ち抜いた時には精も根も尽き果て、3日間も寝込んだほど(笑)。でも、この番組がなければ今の『五木ひろし』はありませんから。ドラマに出演できて、‎本当に懐かしかったし、うれしかったです」‎
五木ひろし (『全日本歌謡選手権』出演時)
八代亜紀「正直言って、当時は『全日本歌謡選手権』が恐ろしくてしかたありませんでした。ドラマの撮影の時に再現されたステージを観ましたが、よくこんな場所に立っていたなと。今だったらとても怖くて立てません。私もデビュー後の出演だったので売れなきゃいけないと必死だったし、今思えばすべてを賭けて出場していたんだなと。審査員の淡谷のり子先生には10週間ずっと『あなた、嫌い』と言われ続けましたが(笑)、‎審査員役を演じてみて、厳しい言葉も審査員という立場からの応援だったのではないのかなと思います。審査員の先生方の気持ちが少しだけ理解できてよかったです」‎
八代亜紀 (『全日本歌謡選手権』出演時)
天童よしみ「歌手への登竜門として有名だったこの番組に、中学生の私はアマチュアで出場しました。『夢に向かって今の自分の実力を試そう』『実力でデビューを勝ち取ろう』、‎そんな挑戦の気持ちで毎週臨んでいたのを覚えています。審査結果はステージ上のターンテーブルに乗り、そこで知るのですが、体育の授業で骨折して松葉杖で出場していた私は3週目までそこに乗れず、本来の感激を味わえませんでした。ですから、ターンテーブルの上で知った4週目以降の合格には、また格別の思いがあります。そんな感動が詰まったドラマだと思います」‎
天童よしみ (『全日本歌謡選手権』出演時)
それぞれの人生を賭けて出場した『全日本歌謡選手権』。果たして本作のヒロイン2人は、‎この3人のように見事10週を勝ち抜き、デビューを勝ち取ることができるのか。結末は、‎ぜひ2月22日に確認してほしい。‎

‎【文:井出 尚志】‎

2月22日(金)よる9:00~放送! 「約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~」PRスポット

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