【静岡県】お弁当の天神屋で一番売れるのは静岡おでんってどういうこと?

2023.05.26

【静岡県】お弁当の天神屋で一番売れるのは静岡おでんってどういうこと?
©ytv
リンク
静岡においしくて人気のお弁当屋さんのチェーンがあると聞いて取材に来た。天神屋という名前らしい。
ソフトボールをやっていた平均年齢70歳位以上の元気な静岡シニアに聞いてみると、全員知ってるという。「コンビニの感覚、気楽に行く」と言うくらい、生活に溶け込んでいる様子。さらにあちこちで聞いて回ると、どこで誰に聞いても天神屋を知っている。なるほど、有名なお弁当屋さんなんだな。

ところが、静岡マダムが「おでんが目的、静岡おでん」と言い出した。「お弁当屋さんですよね?」と聞き直すと、「そうだね、でもおでん絶対買っちゃうもんね。天神屋=おでん!」と言うのだ。ちょっと何言っているのかわからない。
とにかく静岡を回ってみるとあちこちに天神屋の看板を掲げた店がある。三角屋根のお店が多い。また、エスパルスの本拠地・日本平スタジアムにも建物内の店舗がある。さらに静岡県庁の中には県庁店もあるではないか。どこへ行っても天神屋だ。何しろ、静岡市を中心に県内に30店舗も展開しているというから本当にコンビニ感覚だ。
中でも大きい店舗の静岡市駿河区にある曲金店は駐車場も広くて賑わっている。お店の中も広い広い、そこにいろんな種類のお弁当が並んでいておいしそう!さらに、店の奥には巨大なおでん鍋があるではないか!これか、皆さんが言ってた「天神屋=おでん」の正体は!
©ytv
もう有名になった黒い出汁の静岡おでん、串つきの具がいろいろ並んでいる。1本140円からと、リーズナブルだ。
©ytv
おでんを選ぶお客さんたちの中には、大きめのタッパーを持ってどんどんおでんを入れている人もいる。「これはおでん専用のタッパーで、20本買うと無料でもらえるんです」と説明してくれた。ええー!なんて気前いいの?そして、その大きめのタッパーに皆さんどんどんおでんを入れていくのであっという間にいっぱいになる。
©ytv
あるご家族に聞くと、46個も買ったという。なんと、今日はさっきまで結婚式をしていたそうだ。結婚式の後におでんですか?「お祝いを静岡おでんでやろうと思って。おでんのようにあたたかい家庭を築きます。」だって。お幸せに!
お店の人によると天神屋の売上は「店舗によっては7割がおでんです!」と言うからびっくりだ。「天神屋が静岡おでん売上の日本一なんです」って、そりゃあそうでしょうよ。
©ytv
あるご家庭で、天神屋のおでんを皆さんで食べてるところにお邪魔した。小学生の坊やがシブく牛すじをもぐもぐして「おいしい!」と嬉しそう。お母さんは何やら白い球体を取り、中身は肉団子が入っている。「富士の白雪っていうんです。肉団子に出汁がしみておいしいですよ」と解説してくれた。
お父さんもおじいちゃんも食べてるふにゃふにゃした串は、鶏皮だそうだ。ビールに合いそう!「天神屋は、なくてはならない、第二の女房」とおじいちゃんが言うけど、横におばあちゃんいますよ!「安心して主人を任せられる」とおばあちゃんも余裕で返してさすが夫婦の年輪!
©ytv
さらに天神屋はおむすびも人気!しらす、かつおマヨなど静岡らしい15種類。中でも人気が、たぬきおむすび、ってそれ何だ?お客さんが説明してくれる。「天かすとネギが入ってます。」と言うので、そう言えば最近コンビニで見かけますねと言うと、「こっちが元祖、そっちが真似してる!」と上から目線でおっしゃる。すみません!

このおむすびは、深夜2時から工場で作られる。なんと、おむすび作って27年のベテラン細沢さん、愛称・細ちゃんが全30店舗分1万個のおむすびを一人で作っているのだ。具材は、天かす、ネギ、醤油のみで、それを丁寧に細ちゃんが手で混ぜる。手作り感を再現したおむすびマシンで握り、海苔は一枚ずつ細ちゃんが巻いていく。いやあ、細ちゃんは静岡の宝だ!
©ytv
天神屋はどのように誕生したのか?取締役の野尻崇生さんが説明してくれる。「天神屋は元々、江戸時代にあった雛人形店でした。賄いに出していた鶏むすびと静岡おでんがおいしいと評判になり、1954年におむすびと惣菜の店として創業しました。静岡県はものづくりの街で共働きの家庭が多かったため、お弁当やお惣菜を皆さんが買ってくれて、静岡県民に浸透していったようです。」
なるほど、おじいちゃんも「第二の女房」と言ってたけど、静岡の家庭を天神屋が支えてくれたんだ。でもおでんが中心になったのがまた面白いね!

【文:境治】
リンク
この記事を共有する

新着記事

新着記事一覧へ

アクセスランキング