魅力度43位?どうした埼玉!弟分の北関東も、ライバル千葉も応援してるぞ!

2018.12.26

埼玉は80年代から屈折した立場に置かれていた。東京に近いのに田舎感が漂う。似た立場のはずの神奈川からは下に見られ、千葉とともにどちらが都会かのポジションを争っていた。東京から明らかに遠い北関東三兄弟、群馬・栃木・茨城からははっきりと上に見られていたものの、もっと遠い東北や九州あたりから見ると東京とさほど変わらないのに不思議なコンプレックスを常に漂わせてきた。「しょせん埼玉ですから」といつも自虐的な態度をとり哀愁を感じさせる。

1月3日放送の「秘密のケンミンSHOW4時間SP」では、三が日の最後の夜にあえてこの、埼玉県の屈折を「どうした?埼玉!」と題してフィーチャーする。というのは、いつも番組で引き合いに出す「都道府県魅力度ランキング」で埼玉県は屈辱の43位だったのだ。
そればかりか、この10年間で一度だけ39位を獲得したものの、それ以外は40位以下。一方ライバルだった千葉県は16位に浮上しており、明らかに差をつけられている。下に見ていたはずの北関東三県とどっこいどっこい、群馬県にいたっては42位と抜かれてしまっているではないか!
この順位を埼玉県民はあまり知らないようだ。さいたま市を歩く女性県民二人に教えると「埼玉県民としてテレビに出ることが嫌になった」と暗くなっていた。ここまでとは思わずショックを受けているようだ。そう、埼玉県民は自らの住む県のイメージ凋落を知らなすぎていた!
これを群馬や栃木の県民たちに教えると、なんと彼らもショックを受けている。「びっくり」「スーパーアリーナあるのに」「ウソだウソだ」などと言う。つまり彼らからすると、埼玉県は自分たちより上であって欲しい存在なのだ。「自分たちがデートするのは埼玉なのに、このままではいけない」「がんばって欲しい」とまで言う。北関東同士だと、群馬より栃木が上だの、いや茨城のほうが上なのだだの、小さな背比べを必死にするのに、埼玉は別格であって欲しいのだ。
一方ライバルだった千葉県民に16位の好イメージと埼玉43位の凋落を報告すると、「情けない」「だらしない」などと手厳しい。だがそれは「なんだかんだ言って仲いい」からこその叱咤激励らしいのだ。そう、長年ライバルとして争ってきた埼玉県が自分たちよりずっと下なんて悲しく切ない。もっと頑張れ。負けるな埼玉。
なぜ埼玉は43位なのか?魅力度ランキングを算出するブランド総合研究所の田中章雄社長は「埼玉県民は郷土愛が低い」と言う。なんと埼玉は「自慢度」が47位で最低だと言う。つまり、自分たちの県の良さを主張しないのだ。なんてことだ!県民自身が自慢しないで、他県民が評価してくれるはずがないではないか。まずいぞ、埼玉!もっと自分に自信を持て!自虐ギャグで小さな受けを狙ってる場合ではないぞ!
番組ではなんと、埼玉県を西と東で二つに分ける暴論も出てくる。その上なんとしたことか、埼玉県民がそれを受け入れ、西埼玉と東埼玉でおとしめあいまで始めてしまう。東側の埼玉県民は東京に近い方だけで固まったほうがいいと感じているらしい。西側の埼玉県民は自然の良さがあふれる自分たちだけが埼玉で、東側は「東京にあげる」とまで言い放つ。おいおい!ここで仲間割れかよ。いったいどうなっちゃうのか、埼玉?これは1月3日、「秘密のケンミンSHOW」を見るしかないぞ!

【文:境 治】
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