仁義なきお好み焼きの戦い・頂上決戦勃発!大阪vs広島、真のお好み焼きはどっちだ?!

2018.12.20

酒の席で政治と野球の話をしてはいけない、とよく言われるが、こと大阪と広島の人に限っては、お好み焼きの話も絶対しないほうがいい。それぞれのお好み焼きをマジ顔でけなしあい、絶対に譲らないからだ。その場が気まずくなるだけでなく、下手をすると延々後を引いて人間関係にヒビが入りかねない。他県民には全然わからないが、要注意だ。

2019年1月3日放送の「秘密のケンミンSHOW新春4時間SP」では、「仁義なきお好み焼きの戦い・頂上決戦」と題して大阪と広島の対決を放送するという。おいおい正月からなんて物騒な企画を組むんだ。そんな恐ろしいことやめてくれ。他県民からすると怖くて話題にできないよ。
番組で大阪、広島それぞれの街ゆく人に聞くと、激しいののしり合いの連続だ。
大阪の人に広島のお好み焼きについて聞くと
「おいしないやん」「ああ、広島焼な」「キャベツばっかやん」「大阪の真似」と言いたい放題、悪口が止まらない。
一方、広島の人に大阪のお好み焼きについて聞くと
「混ぜて焼いただけ」「工夫がない」「阪神今年も話にもならなかった」と野球の話にまで広がってさらに炎を燃やそうとする。とくに「広島焼き」の呼び方は絶対に許せないらしい。はあ、めんどくさい。
あくまで、自分たちのお好み焼きこそがお好み焼きで、相手のはお好み焼きではないのだと言い張る。いやー、どっちもおいしいお好み焼きだから、いいんじゃないかなあ。
番組はさらに火を煽りたいのか、作り方を比べていく。
大阪のお好み焼きは、まず小麦粉に出汁を混ぜて生地を作る。山芋パウダーを入れることもあるらしい。そこにみじん切りのキャベツと天かす、卵を入れて他の具材と混ぜて焼く。家で作るときはこっちのタイプが多いのではないか。
広島のお好み焼きは、小麦粉に卵と牛乳を混ぜた記事を薄く敷いてクレープのように焼く。その上にせん切りのキャベツ、もやしと天かす、そして豚バラ。それとは別に焼きそば麺を焼いてお好み焼きとドッキング!上から押してペタッとさせる。最後に目玉焼きの上に乗せてひっくり返せばできあがり。なかなか手が込んでいて、家庭で作るのは難しそうだ。
比べてみると、確かに全然違うものだと言っていい。パッと見ではそんなに違わないが、別の食べ物ではないか。それなのに、なぜよりによって同じ「お好み焼き」という名前なのか。だから話がややこしくなり、他県民からするとめんどくさいバトルが繰り広げられるのだ。ののしり合ってもいいけど、巻き込まないでほしいなあ。
B級グルメ好きとしては、大阪には大阪の、広島には広島の、お好み焼きの良さがある。どっちが上とか下とか、勝負のつけようがないんだけど。勝ち負けの話にしたいのがあの人たちだ。

広島焼きと呼ぶのは嫌だと広島県民は言うけど、いっそ大阪焼きと広島焼きとそれぞれを呼べば丸く収まるんじゃないだろうか。・・・え?あ、すみません、どっちも猛烈に怒っちゃった。もう言いません、そんなこと。

番組では最後に、大阪で広島のお好み焼きを出す「お多福」というお店が紹介される。11年前、広島出身の奥さんの夢を夫婦で叶えて出したお店だ。
大阪で広島のお好み焼き店を出しても理解されず苦難もあったが、大阪在住の広島県民が集まってきていまは大繁盛しているという。しんみりしたいい話なのだが、最後に奥さんに大阪のお好み焼きについて聞くと、
「今も認めてないですけど」ときっぱり答えた。やっぱり怖いわ、この話題。でもそのこだわりが面白い。大阪と広島のお好み焼きバトル、1月3日の「秘密のケンミンSHOW」でじっくり堪能しよう!

【文:境 治】
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