コロナ禍で“焼け太り”した人々を許せる?許せない?『感染症界隈』が一番許せない!と山口真由ほえる
2023.01.26
リンク
厳しい寒さや全国的な積雪のニュースが続くこの冬。私たちの生活も寒々しく凍えそうだ。1月22日放送の「そこまで言って委員会NP」は「寒くて厳しいニュースをぶっ飛ばせ!!」と題して、論客・山口真由氏(信州大学特任教授)が「スーパーOLまゆゆ」を演じてテーマ説明のVTRで芝居に登場。名女優(?)ぶりを発揮しつつ、東大主席の頭脳を駆使して難解な論理クイズに挑戦した。山口さんの名演も今回の放送の見所だが、いつものように時事ネタで論客たちが白熱議論を繰り広げた。
盛り上がったのが、「コロナ禍で“焼け太り”した人たち」を巡る議論。例えば、飲食店に対する支援金が事業規模を問わないものだったため、一人で運営している店主が支援金で車を購入した、という事例の紹介もあった。
また医療業界では、各病院団体がコロナ禍でも前年度と同水準の診療報酬を確保できるようにと、医療費の補填を国に要請したが、中には、減収分を上回る補助金を受け取った病院もあり、焼け太りどころか「火事場泥棒の様だ」との非難の声もあがっているという。
“焼け太り”した人々を許せるか、許せないか、論客たちに聞いた。
女優として開眼した山口氏は「感染症界隈が許せない」と斬り込んだ回答。感染症の専門家たちを『感染症界隈』と呼び、彼らの罪が重いと主張する。
「今まで、『感染症界隈』の人々は医療界の中でもおそらく端っこの方で生きてきたのではないか。しかしコロナ禍によって、総理と並んで会見するなど、脚光を浴び、“我が世の春”の様に世間の注目を集めた。経済政策を含めた政策判断に対しても強い影響力を持つようになり、感染症村のOBたちも『政府や厚労省の施策が正しい』という論文を書き続けた。みんなで持ち上げ続けて、“感染症村”の人たちが我が世の春を謳歌した結果、日本はこうなったと思っている。」
須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)が同調する。
「その通りだと思う。『感染症界隈』は分類引き下げにも非常に抵抗をしている。『新型コロナの感染症法上の位置付けに対して、2類相当から5類に引き下げろ』と言っているのに、『段階的に、状況を見極めつつ』などと言う。」
笠井信輔氏(フリーアナウンサー)は同調しながら「許せる」理由を説明。
「焼け太りした人を許せないというより、制度そのもの自体が問題だと思う。『早くお金ください』という声に対して審査を甘くした。そもそも制度がゆるいのだから仕方がないのではないか。」
青山和弘氏(政治ジャーナリスト)も似た意見。
「感情的に許せないのはわかるが、行政の不備なのでしょうがない部分がある。しかも、緊急対応だった。ただ言えるのは、感染症対策の準備が、圧倒的に日本政府に不足していたこと。例えば、ワクチンの準備もまだできていない。」
山口氏はますます熱くなる。
「国産ワクチンを作ると言って、いっぱい予算をつけた。ワクチンにおいても、ある種の利権の構造が出来上がっている。」
石川和男氏(政策アナリスト・元経産省)も「許せる」派として述べる。
「許せないとは思うが、違法な行為ではない。ルールを決めたのは結局国会であり政治。やっぱり政治の責任だと思うので、ちょっと嫌味を込めて言えば、(制度をうまく利用したという点で)“焼け太り”した人は褒められるべきかと思う。あくまで嫌味だが。」
山口氏は収まらない。
「例えば日本医師会は会員が17万人もおり、議会に対して厳然たる力があると言われている。そういう人たちが秘密裡に議会に影響及ぼしていると私は思ってしまう。」
石川氏は山口氏に迫るように問う。
「本当に頭に来るが、それをどうやって防ぐ? 力を持っている人たちが政治力を行使して自分たちに都合が良い様に政策を誘導するのは、日常茶飯事だ。それを防ぐ手段があるのかと言われたら、僕はない。マスコミによる監視しかない。」
青山氏がそれを受けて述べる。
「ここは問題じゃないかとマスコミや我々国民がちゃんと指摘して、政治に突きつけていくしかない。」
ここで番組議長・黒木千晶アナが須田氏に質問する。
「コロナ禍でゼロゼロ融資をやって、今年一気に返済期限が来ると思うが、焼け太りした人とは別に、困っている人もいる。」
須田氏はクールにこう答える。
「無担保・無利子の融資をゼロゼロ融資と言うが、その返済がいよいよ始まると、中小企業がバンバン潰れる可能性がある。借金を返せなくなるから。その結果何が起こるか。今、地方銀行では不良債権が積み上がっていて、大丈夫なのかと非常に警戒している。金融庁は地方銀行の経営が持つのかどうかを気にしている。金融システム不安が起こりかねないのが今年だと思う。」
寒さを吹き飛ばす明るい着地にはならなかったが、山口氏のヒートアップぶりに熱をもらった気がする。コロナ禍では政府の要領の悪さが目立ったが、“焼け太り”もその結果なのかもしれない。私たちの生活にも影響が有りそうな”ゼロゼロ融資”の回収がどうなるかは、今後注目したい。
【文:境治】
盛り上がったのが、「コロナ禍で“焼け太り”した人たち」を巡る議論。例えば、飲食店に対する支援金が事業規模を問わないものだったため、一人で運営している店主が支援金で車を購入した、という事例の紹介もあった。
また医療業界では、各病院団体がコロナ禍でも前年度と同水準の診療報酬を確保できるようにと、医療費の補填を国に要請したが、中には、減収分を上回る補助金を受け取った病院もあり、焼け太りどころか「火事場泥棒の様だ」との非難の声もあがっているという。
“焼け太り”した人々を許せるか、許せないか、論客たちに聞いた。
女優として開眼した山口氏は「感染症界隈が許せない」と斬り込んだ回答。感染症の専門家たちを『感染症界隈』と呼び、彼らの罪が重いと主張する。
「今まで、『感染症界隈』の人々は医療界の中でもおそらく端っこの方で生きてきたのではないか。しかしコロナ禍によって、総理と並んで会見するなど、脚光を浴び、“我が世の春”の様に世間の注目を集めた。経済政策を含めた政策判断に対しても強い影響力を持つようになり、感染症村のOBたちも『政府や厚労省の施策が正しい』という論文を書き続けた。みんなで持ち上げ続けて、“感染症村”の人たちが我が世の春を謳歌した結果、日本はこうなったと思っている。」
須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)が同調する。
「その通りだと思う。『感染症界隈』は分類引き下げにも非常に抵抗をしている。『新型コロナの感染症法上の位置付けに対して、2類相当から5類に引き下げろ』と言っているのに、『段階的に、状況を見極めつつ』などと言う。」
笠井信輔氏(フリーアナウンサー)は同調しながら「許せる」理由を説明。
「焼け太りした人を許せないというより、制度そのもの自体が問題だと思う。『早くお金ください』という声に対して審査を甘くした。そもそも制度がゆるいのだから仕方がないのではないか。」
青山和弘氏(政治ジャーナリスト)も似た意見。
「感情的に許せないのはわかるが、行政の不備なのでしょうがない部分がある。しかも、緊急対応だった。ただ言えるのは、感染症対策の準備が、圧倒的に日本政府に不足していたこと。例えば、ワクチンの準備もまだできていない。」
山口氏はますます熱くなる。
「国産ワクチンを作ると言って、いっぱい予算をつけた。ワクチンにおいても、ある種の利権の構造が出来上がっている。」
石川和男氏(政策アナリスト・元経産省)も「許せる」派として述べる。
「許せないとは思うが、違法な行為ではない。ルールを決めたのは結局国会であり政治。やっぱり政治の責任だと思うので、ちょっと嫌味を込めて言えば、(制度をうまく利用したという点で)“焼け太り”した人は褒められるべきかと思う。あくまで嫌味だが。」
山口氏は収まらない。
「例えば日本医師会は会員が17万人もおり、議会に対して厳然たる力があると言われている。そういう人たちが秘密裡に議会に影響及ぼしていると私は思ってしまう。」
石川氏は山口氏に迫るように問う。
「本当に頭に来るが、それをどうやって防ぐ? 力を持っている人たちが政治力を行使して自分たちに都合が良い様に政策を誘導するのは、日常茶飯事だ。それを防ぐ手段があるのかと言われたら、僕はない。マスコミによる監視しかない。」
青山氏がそれを受けて述べる。
「ここは問題じゃないかとマスコミや我々国民がちゃんと指摘して、政治に突きつけていくしかない。」
ここで番組議長・黒木千晶アナが須田氏に質問する。
「コロナ禍でゼロゼロ融資をやって、今年一気に返済期限が来ると思うが、焼け太りした人とは別に、困っている人もいる。」
須田氏はクールにこう答える。
「無担保・無利子の融資をゼロゼロ融資と言うが、その返済がいよいよ始まると、中小企業がバンバン潰れる可能性がある。借金を返せなくなるから。その結果何が起こるか。今、地方銀行では不良債権が積み上がっていて、大丈夫なのかと非常に警戒している。金融庁は地方銀行の経営が持つのかどうかを気にしている。金融システム不安が起こりかねないのが今年だと思う。」
寒さを吹き飛ばす明るい着地にはならなかったが、山口氏のヒートアップぶりに熱をもらった気がする。コロナ禍では政府の要領の悪さが目立ったが、“焼け太り”もその結果なのかもしれない。私たちの生活にも影響が有りそうな”ゼロゼロ融資”の回収がどうなるかは、今後注目したい。
【文:境治】
リンク
この記事を共有する
関連記事一覧
【そこまで言って委員会】ネットに押されるテレビは、分水嶺でどうすべきだったか?
2023.06.28【そこまで言って委員会】野村明大が選んだ「本当にすごいと思う東大出身者は意外なあの人!
2023.06.20【そこまで言って委員会】日本にとって同性婚は何が問題?選択肢として認めるべきか?
2023.06.08