俳優・今井翼が自己肯定感の持てない時代に演じるキャラから伝えたいもの
2020.08.21
眞島秀和主演の連続ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』(読売テレビ・日本テレビ系、毎週木曜よる11:59〜)で、クマのキャラクター“ジャッキー”が大好きなデザイナー・河合ケンタを演じている今井翼。1年の休業期間を経て、今年2月に芸能活動を再開。本作は今井にとって復帰後、初の連続ドラマレギュラー出演となる。
オフィス内装を手がける会社の営業課長・小路三貴(眞島秀和)は、渋いルックスで仕事もできる紳士的な中年男性。上司や部下からの信頼も厚い“イケオジ”だが、じつは「カワイイものが好き」という誰にも言えない秘密があった。推しキャラである犬の“パグ太郎”のぬいぐるみやグッズに癒されているが、そんな姿は絶対に見せられない。
そんな小路と偶然出会い、お互いに「カワイイものが好き」同志として心を通わせていくのが、今井の演じる河合だ。ヒミツを抱え、葛藤しながら暮らす男たちの姿をコメディータッチで描く本作に、今井はどう向き合っているのか、その心境を聞いてみた。
――改めてですが、まずは本格再始動となった今の気持ちを聞かせてください。
今井 : おかげでさまで今年はシスティーナ歌舞伎『NOBUNAGA』で舞台復帰をし、大河ドラマ『麒麟がくる』でドラマ復帰もしました。そういう貴重な機会をいただいたうえで、今回のお話もいただけて感謝ですね。現代劇はすごく久しぶりだったので試行錯誤することも多かったですが、楽しくやらせていただきました。撮影の初日はセリフを何度も噛んでしまって……。もともと緊張するタイプなんですけど、初日は信じられないくらいの緊張でした。
――へぇ~、それは意外です。
今井 : けど、逆にそれ以降は落ち着いて楽しくやらせていただきました。1年の休業は自分にとって必要な時間だったと思います。本を読んだり、ドラマや映画を見て、「こういう表現もあるんだ」と気づかされたり。ストーリーを追いかけるだけでなく、役者それぞれの表現の仕方を自分なりに感じてみたり。あとは、身体にいいことをする。鍛えるというより、休ませるという感じですね。そんな時間が必要でした。と言いつつも、一方で怖さも正直ありました。我々の仕事は、たくさんの人の協力がなければできませんから、おかげさまでこういう機会に恵まれるなんて、当時は想像できませんでしたね。
――必要な時間を経て、自分の中で変わったことはありますか?
今井 : 余力がなければいいパフォーマンスはできないと気づきました。くり返しになりますが、僕だけで成立する仕事ではないので、そこは「あえて決めずにいく」なんてこともするようになりましたね。もともと根詰めるタイプなので、性格的にそうするのはなかなか難しいですけど、「じゃあ次は抜いてやってみようか」と思えるようになりました。
オフィス内装を手がける会社の営業課長・小路三貴(眞島秀和)は、渋いルックスで仕事もできる紳士的な中年男性。上司や部下からの信頼も厚い“イケオジ”だが、じつは「カワイイものが好き」という誰にも言えない秘密があった。推しキャラである犬の“パグ太郎”のぬいぐるみやグッズに癒されているが、そんな姿は絶対に見せられない。
そんな小路と偶然出会い、お互いに「カワイイものが好き」同志として心を通わせていくのが、今井の演じる河合だ。ヒミツを抱え、葛藤しながら暮らす男たちの姿をコメディータッチで描く本作に、今井はどう向き合っているのか、その心境を聞いてみた。
――改めてですが、まずは本格再始動となった今の気持ちを聞かせてください。
今井 : おかげでさまで今年はシスティーナ歌舞伎『NOBUNAGA』で舞台復帰をし、大河ドラマ『麒麟がくる』でドラマ復帰もしました。そういう貴重な機会をいただいたうえで、今回のお話もいただけて感謝ですね。現代劇はすごく久しぶりだったので試行錯誤することも多かったですが、楽しくやらせていただきました。撮影の初日はセリフを何度も噛んでしまって……。もともと緊張するタイプなんですけど、初日は信じられないくらいの緊張でした。
――へぇ~、それは意外です。
今井 : けど、逆にそれ以降は落ち着いて楽しくやらせていただきました。1年の休業は自分にとって必要な時間だったと思います。本を読んだり、ドラマや映画を見て、「こういう表現もあるんだ」と気づかされたり。ストーリーを追いかけるだけでなく、役者それぞれの表現の仕方を自分なりに感じてみたり。あとは、身体にいいことをする。鍛えるというより、休ませるという感じですね。そんな時間が必要でした。と言いつつも、一方で怖さも正直ありました。我々の仕事は、たくさんの人の協力がなければできませんから、おかげさまでこういう機会に恵まれるなんて、当時は想像できませんでしたね。
――必要な時間を経て、自分の中で変わったことはありますか?
今井 : 余力がなければいいパフォーマンスはできないと気づきました。くり返しになりますが、僕だけで成立する仕事ではないので、そこは「あえて決めずにいく」なんてこともするようになりましたね。もともと根詰めるタイプなので、性格的にそうするのはなかなか難しいですけど、「じゃあ次は抜いてやってみようか」と思えるようになりました。
©ytv
――デザイナー・河合ケンタを演じるうえで意識していることは?
今井 : 主人公の小路さんと同じく、カワイイものが大好きなのに恥ずかしくて人には言えない、それが河合です。けど、その2人が同志として出会い、友情が芽生えていく。他人と何かを共有できる喜びってみんなあると思うんですけど、とくに自己肯定感の低い人たちにとっては、喜びがさらに増すんじゃないかと。いくつになっても好きなものを楽しめる純粋さって素敵です。それは意識して演じていますね。
――主演の眞島秀和さんとは初めて?
今井 : はい。すごく話をして下さって、そういった意味では現場を明るくさせてくれる人です。とてもナチュラルな方です。芝居していても、こちらがかしこまることもありません。今回はメインとなるキャストが男性ばかりで、現場は爽やかな時間が流れていましたね。全5話ということで、スタッフさんは短い時間で撮りきるのは大変だったと思いますけど、僕としては改めて現場に行ける喜びをかみしめていました。ようやく定着してきた頃に終わってしまうので、そこは残念ですが、もしみなさんの評判がよければ、ぜひ次のカタチにつながればよいなと。やはり、共演者の方やスタッフさんと同じ空気が吸えることはすごい幸せなことですから。
――ところで、個人的にはどんなカワイイものが好きなんですか?
今井 : ものではありませんが、僕の場合、甥と姪です。子どもが好きなので、今、夏休みで虫捕りしている子どもなんて見かけると、無邪気でカワイイなって思います。年々そう感じるようになってきたかも。
今井 : 主人公の小路さんと同じく、カワイイものが大好きなのに恥ずかしくて人には言えない、それが河合です。けど、その2人が同志として出会い、友情が芽生えていく。他人と何かを共有できる喜びってみんなあると思うんですけど、とくに自己肯定感の低い人たちにとっては、喜びがさらに増すんじゃないかと。いくつになっても好きなものを楽しめる純粋さって素敵です。それは意識して演じていますね。
――主演の眞島秀和さんとは初めて?
今井 : はい。すごく話をして下さって、そういった意味では現場を明るくさせてくれる人です。とてもナチュラルな方です。芝居していても、こちらがかしこまることもありません。今回はメインとなるキャストが男性ばかりで、現場は爽やかな時間が流れていましたね。全5話ということで、スタッフさんは短い時間で撮りきるのは大変だったと思いますけど、僕としては改めて現場に行ける喜びをかみしめていました。ようやく定着してきた頃に終わってしまうので、そこは残念ですが、もしみなさんの評判がよければ、ぜひ次のカタチにつながればよいなと。やはり、共演者の方やスタッフさんと同じ空気が吸えることはすごい幸せなことですから。
――ところで、個人的にはどんなカワイイものが好きなんですか?
今井 : ものではありませんが、僕の場合、甥と姪です。子どもが好きなので、今、夏休みで虫捕りしている子どもなんて見かけると、無邪気でカワイイなって思います。年々そう感じるようになってきたかも。
©ytv
――今回のドラマ、「ここを見てほしい」という点をお願いします。
今井 : 楽しくコメディータッチに描いた作品ですけど、単なるコメディーではなく、現代が抱える肯定感の低さみたいなものが人との出会いで変わっていく。そういったものは感じていただけるかと思います。あと、いくつになっても純粋でいることの素晴らしさ、好きなものを愛し続けるまっすぐさ、そういった大人の青春を楽しんでいただければ嬉しいです。
――最後に、今井さんは今後どんな“おじさん”を目指していきたいですか?
今井 : 僕は年齢をとくに意識したことはありません。男として年相応にやっていきたいです。若く見られることはあるかもしれませんが、若さを保ちたいということでもないんです。世の中から見たら、まだまだ未熟な年齢ですから、これからいい年の取り方をしていきたいですね。
あと、最近はいい意味で適当でもいいじゃん! と思えるようになってきました。僕は洋服が好きなんですけど、服で言えば「ラフでいいじゃん」という感じ。若い頃は誰でもカッコイイものを身につけることが自信につながったりすると思うんです。でも年々、自分のスタイルというものに目が行くようになりました。自分に適したもの、それを目指していきたいですね。
【取材・文/鈴木 しげき】
今井 : 楽しくコメディータッチに描いた作品ですけど、単なるコメディーではなく、現代が抱える肯定感の低さみたいなものが人との出会いで変わっていく。そういったものは感じていただけるかと思います。あと、いくつになっても純粋でいることの素晴らしさ、好きなものを愛し続けるまっすぐさ、そういった大人の青春を楽しんでいただければ嬉しいです。
――最後に、今井さんは今後どんな“おじさん”を目指していきたいですか?
今井 : 僕は年齢をとくに意識したことはありません。男として年相応にやっていきたいです。若く見られることはあるかもしれませんが、若さを保ちたいということでもないんです。世の中から見たら、まだまだ未熟な年齢ですから、これからいい年の取り方をしていきたいですね。
あと、最近はいい意味で適当でもいいじゃん! と思えるようになってきました。僕は洋服が好きなんですけど、服で言えば「ラフでいいじゃん」という感じ。若い頃は誰でもカッコイイものを身につけることが自信につながったりすると思うんです。でも年々、自分のスタイルというものに目が行くようになりました。自分に適したもの、それを目指していきたいですね。
【取材・文/鈴木 しげき】
この記事を共有する
関連記事一覧
アンダーグラフ真戸原が想う20周年とこれから。ドラマティザーナレーションも初挑戦!
2024.02.14